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アタシと伝説の巨神兵 その3

 巨人、ドラゴンルージュが森を進んでいく。夜は明けつつあり5時となっていた。


「ミレーヌ、そろそろ進行方向を変えましょう。ここから左に曲がった方向に我々のアジトがあります。」巨人の肩に乗るアンドレが言う。


 返事は無い。


「フッ、もう巨人と一体化したか。ではワタシのエーテルで直接制御するとしよう。」


 アンドレがエーテルを送る。ドラゴンルージュの開発チームにいたアンドレは巨人を制御する術を熟知していた。彼には、ドラゴンルージュを起動する事はできない。ドラゴンルージュには、言わばその心臓が必要だった。その役割を今はミレーヌが担っている。ならばこの動く巨人は完全に彼のものだった。そのはずだった。


「!?私のコマンドをドラゴンルージュが全く受け付けない、、、だと!?早く左へ曲がれ!」


 このままだと森の外に出てとうもろこし畑に出る。とうもろこし畑を過ぎれば、そこはピシヌ温泉郷だ。今は秋で、秋の味覚を求める観光客で、この温泉郷が最も賑わうシーズンであった。この朝の時間、観光客はホテルにいて、それを巨人が襲えば大惨事となるのは目に見えていた。


「まずいぞ。このままでは多大な被害が出る事は必至。それではワタシと軍との交渉が台無しになる。脅しとは、被害を出す可能性はあるが被害を出していないから意味があるのだ。ドラゴンルージュよ、なぜ言うことを聞かない?ミレーヌのポテンシャルを低く見積りすぎたか?」


『ドラゴンルージュはな、搭乗者の能力依存の戦闘力を持つんだ。』


 そんな事を開発チーフでミレーヌの父のピエールが言っていたのを思い出す。


「ならば仕方あるまい。今は無理やりにでもアジトへ来てもらいますよ。」


 アンドレがエーテルを鎖状に展開し、ドラゴンルージュを捕獲にかかる。最高位レベルのガーゴイルハンターのこの技は、ドラゴンルージュの設計上の能力値を考慮すると、この巨人を止められるはずだった。だがしかし、その鎖はドラゴンルージュが無言で放出するエーテルの前に、一瞬で溶け去ってしまった。


(ミレーヌの能力値は臨界点を突破していると言うのか!?)


 ドラゴンルージュはアンドレを敵と認識した。その拳がアンドレを襲う。


「グアアッ。」


 アンドレは急遽Gガードを展開するが、巨人の拳はそれで防げる代物ではなかった。殴られ、墜落し、地面に体を強打したアンドレは意識を失った。巨人はそんな事はお構いなしに森を直進して行った。まるで何事も無かったかのように。そして、とうもろこし畑に入った。あと数分間、この巨人が進めば、まだ温泉郷のホテルで寝ている観光客に多大な人的被害が生じるだろう。


「待って、ミレーヌ!」


 その時、とうもろこし畑にリューの声が響いた。

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