アタシは誘拐された その3
カジエの森の中の、フランソワが機械巨人が眠る場所と言っていた場所付近にリューはたどり着いた。時刻はすでに午前3時となっていた。彼の行先に二人の人の影が見える。
「ミレーヌ!」
「リュー。。。」
「よかった無事で。さあ、帰ろう。」
「。。。。帰る?あなたと?」
「他に誰もいないでしょう?質問の意味がわからないんだけど。」
「アタシに帰る場所なんて要らないわ。一人で帰りなさいよ。」
「!?」リューは絶句した。
「アンドレに操られているの?」
「違うわよ。アタシ自身の意思でそう言ってるのよ。」
「機械の巨人がいるとかそう言う話を聞いたけど、危険だよ。どうしてもって言うなら、明日学校に報告して、正式に任務でまたここに来ればいい。」
「くどいわね。学校ももうやめよ。あなたとのビノームも解散。アタシ十分強いし。あと、あなた何かを勘違いしているようね。」
「どう言う事?」リューが尋ねる。
「巨人がどうこうとかそんな事は些細な事なの。本質的な事はアタシはアンドレ、この人について行くって決めた事なのよ。あなたでは役不足。さよなら、リュー。」
リューの心に傷がつく。
「この人って本当に大人。ガキのあなたとは違うわ。それにこの人はアタシ以上に強いガーゴイルハンター。弱いあなたにこれから足を引っ張っられないと思うと、アタシも気が楽よ。」
リューが返す。「そう。それは全て事実なのかもしれない。でもミレーヌ、彼と一緒に行けばあなたが危険なる。僕はそれを全力で食い止める!」
「あら、あなたって、あなたを捨てた女の身をまだ心配しているの?本当にどうしようもないポンコツね、リューは。」ミレーヌが言う。
「アンドレ、貴様を倒す!」リューがエーテルに乗り加速してアンドレに近づく。
間に割って入ったのはミレーヌだ。リューは加速を止め、ミレーヌの前で急停止する。
「邪魔しないで、ミレーヌ。」リューが言う。
「邪魔なのはあなたでしょう?リュー。そうだ少し遊んであげる。アタシを倒せたら、あなた、好きにアタシを連れて帰っていいわよ。」
「!?あなたを相手になんて、できないよ。」
「問答無用!」ミレーヌがエーテルを剣の形にする。
「戦えない。あなたとは戦えないよ。」
リューのエーテルは完全に止まっている。リューは戦闘態勢を解いている。と言うより、ミレーヌの言葉が辛すぎて、戦闘態勢に入るように思考がまとまらない。
「へえ、じゃあ少し時間をかけて遊んであげる。」
ミレーヌは、エーテルの剣の芯となっている木刀を捨て、近くに落ちていた小枝を拾い上げた。エーテルの形を剣からムチの形へと変え、それでリューを打ち付ける。
「ああっ!」
猛烈な痛みがリューを襲う。ミレーヌはムチを止めない。
「お願いミレーヌ、目を覚まして。」
それでも、リューは手を伸ばして一歩ずつ近づく。
「!?来るな!目が覚めてないのは、あなたの方でしょ。アタシとあなたでは釣り合わないのよ!」
ミレーヌはムチを打つスピードを上げた。5分後、ミレーヌに無防備状態で打たれ続けたリューは遂に片膝をついた。
「ミレーヌ、、、戻ってきて、、愛している。」
「!?この期に及んで!お断りよ!」
強打が、リューに命中し、リューは遂に倒れた。後ろで見ていたアンドレが初めて口を開いた。
「残念だったね。彼女が言ったように、彼女はワタシに操られてなんかいない。彼女の意思で君を捨てた。なんなら彼女が私を攻撃するのを防ぐ装置、チャイルドガードも今はワタシは持っていない。彼女がワタシを攻撃する事がないので、必要がないからだ。」
思い出したようにミレーヌが言った。
「。。これ、、もうアタシには必要のないものだから、あなたに返しておくわ。」
ミレーヌはそう言うと、自分の指にはめていた婚約指輪を外し、リューのズボンのポケットに入れた。
「行きましょ。」
ミレーヌがアンドレにそう言うと、二人は森のさらに奥へと姿を消した。




