アタシは誘拐された その1
「起きなさい。起きなさいミレーヌ。」男の声がする。。。
(ここは、、、、)
ミレーヌはまどろんでいたが、ハッと気づいた。
(アタシ、誘拐されて、、、)
誘拐されたと言うには彼女は手足が自由だ。ミレーヌの父が開発したと言うチャイルドロックを持つアンドレの前ではミレーヌは全ての技が無効となるからだ。
「誘拐など人聞きの悪い。君は正しいパートナーと一緒に来た。それだけの話だ。もっともパートナーと言っても仕事上の話で、ワタシには先輩の娘に手を出すロリコン癖はないので安心したまえ。」
ミレーヌが見上げるとアンドレの顔が見れた。
「君はなんでいまだにサンセールで学んでいる?君が入学を始めた時は、ご両親について知りたいと言うのもモチベーションの一つだったのではないかね?それにはガーゴイルハンターの技術を取得する必要があった。だが、君はすでにガーゴイルハンターとして成長した。だから、もう元の目的に回帰したまえ。」
「だけどアンタと一緒は嫌よ。」ミレーヌが返す。
「だけど、ではない。『だから』ワタシと一緒にやるのだよ、ミレーヌ。君のご両親は優れたガーゴイルハンターで、実に様々な任務を通して人類を救い続けた。だが、その二人が揃いも揃って前触れもなく行方不明となった。その失踪の時が二人にとってどれだけ危険な状況だったか、想像は容易いだろう。我々がその真相に近づけば近づくほど危険がやってくるはずだ。君は君の大事なフィアンセをそれに巻き込みたいのかね?」
(!?)ミレーヌはハッとする。
彼女のピンチに這いつくばってでもやって来て、どんなに意地悪をしてもそばにいてくれる、そんな男の事が思い浮かぶ。
「君は両親を失い悲しい思いをしたはずだ。また更に君の大切な者達を失いたいのかね?決断したまえ、ミレーヌ。君は君が生まれた運命に立ち向かうのか?それとも逃げてママごとを続けるのか?」アンドレが決断を迫る。
「アタシ、アンタと一緒に行くわ。自分の家の事、自分でやらなきゃ。でも勘違いしないで。アタシは、、アタシはリューとの生活なんてどうでもいいのよ。」
ミレーヌは自分に言い聞かせるように言った。
「いい返事だ。それでは早速だがボクについて来て貰おう。カジエの森にピエール先輩が残した物がある。それを発掘に行く。そこで君のご両親の手がかりも見つかるかもしれない。」
アンドレがニヤリと笑いながら言った。




