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アタシ達は婚約した。

 マリナリアでの夜を過ごし、次の日の朝、ミレーヌとリューが、アリアの船で送られてプライベートビーチに戻って来た。アリアの船にビーチで別れを告げる。


「よかったですね、アリアさん。」リューが言う。


(次は、、僕の番か。)


「あのミレーヌ、僕たちの将来に関して、お話がしたいです。」


「良いわよ。あなた、アリアの勇気に少しは勇気づけられたかしら?」


「はい。でも僕の勇気は、あなたからもらっている勇気で、だから言うのです。」とリュー。


 ミレーヌはニヤッとした。


「大方、『僕は来年トープ県に戻らないといけないけどミレーヌ様と結婚したいです。一緒に来てください。お願いします。』と言ったところかしら?」


「!?なんでわかったのですか?」


「あなた、近頃、寝言で『トープ、、、』とか『結婚、、、』とか『ミレーヌ、、、』とかばっかり言っているんだもの、それから推理できるわ。重たい話題って、少し先の将来のことが多いしね。」


「そう、、です。もう心を決めます。ミレーヌ、僕と結婚してください。これからも僕はあなたと一緒に道を切り開きたい。今まで任務して来たように。そしてそれが僕らの財産になって、なんだか他の人々も助けられる気がする。そんな人生、生きて行きたいなって。」


 リューは婚約指輪の箱を開き、片膝をつき、求婚した。


「どうしよっかなー?


、、、


なんて、良いわよ。アタシもあなたが好き。そしてあなたと一緒にいるのが好き。一緒にいてあげる。」


 二人はまず目を瞑り、お互いにキスをした。ミレーヌは訊く。


「でもアタシ達、学校は卒業しても良いかしら?アタシの父と母はガーゴイルハンターでね。ほら、話した通り行方不明なのよ。それでアタシの人生にとってはガーゴイルハンターの資格を、卒業して得るっていうのは重要な事なのよ。家族の意志を継ぐ事だから。」


「それは勿論。一緒に卒業しましょう。」


「その指輪してあげるから、はめてよ。」


「綺麗な指輪。。。」


 指輪をはめてもらいながらミレーヌが言う。何か吸い込まれそうなまっすぐな光を放っている。


「私の家の代々の婚約指輪です。私の亡くなった父も母の指にはめたものです。」


「立派な石ね。ありがとう、リュー。アタシ達もこの宝石に恥じない夫婦になるわよ。ちゃんとアタシについて来なさいよ。」


「はい ミレーヌ。」


「でもあなたは死んじゃダメよ、リュー。」


「、、、はい。」


 婚約の儀も終わり、水着に着替え、ひと泳ぎしようという事になった。


「泳ぐ前に、アリアからちょっと面白いもの買ったんだけど一緒に見てよ。」ミレーヌが言う。


 家庭用のゴムでできたミニプールが、ビーチサイドに用意してある。中を覗くと箱が置いてある。ミニプールの中に四本の紐がありそれぞれの一端がプール内部の隅っこに固定されている。


「さて、反省会を始めます。」コホンと咳をしてミレーヌが言う。


「あなた、プロポーズする前、ずっと生気もなく、浮かない顔してたわね。心配しちゃったじゃないのよ。」とミレーヌ。


「ごめんなさい。だってミレーヌあなたはガーゴイルハンターである事に誇りを持っている人だ。でもガーゴイルがいるのは中央都パレだけで、トープ県にはいない。だからあなたがパレに残る決断をする可能性だって十分あると思ってたし、その場合はそれを尊重しようと思ってた。だからプロポーズするのが怖くて。」


「ふーん」

(こいつってアタシのことでいつも頭の中いっぱいなのね。)


「それにしてもアタシを心配させた事には変わりません。罰を受けてもらいます。」


「どんな罰?」


「まずは私がミニプール内のロープにあなたを縛ります。」リューはミレーヌに縛られた。


「次に、箱の中にいるお友達に登場してもらいます。大蛇、セメノオロチ四匹の皆さんです。どうぞー。」


 ミレーヌが箱開けると四匹の蛇が出て来た。


「ヒッ!」リューが悲鳴をあげる。


「どう?リュー?この蛇ちゃん達、アタシのこの縦笛の言う事なんでも聞いてくれるのよ。アタシ蛇使いとしてもすごいんだから。」


「何をするの!?ミレーヌ!」


「ミレーヌ、、か。それも良いけど、今日はあなた私の事、お姉ちゃんって呼びなさいよ。」


 確かに、二人は同じ学年だが、数ヶ月ほどミレーヌが年上だ。


「何をするの!?お姉ちゃん!」と再びリュー。


「このヌルヌルの蛇ちゃん達、あなたの体にまとわり付かせます。この子達、男の子の敏感な所、大好きなんだって。」


 ミレーヌが容赦なく縦笛を吹くとリューの水着一丁の体に蛇達がまとわりつく。


「キャアアアアーッ!」


 リューは男だが可愛い声をあげてしまう。


「ピーヒャラヒャララ ピーヒャララ、、」笛の音が響く。


 ヌルヌルの蛇がリューの素肌を撫で回す。


(ミレーヌ、迷わず僕と共に進むことを選んでくれた人よ。あなたが楽しいならこのくらい事耐えてみせる!)


 リューは思ったが、ヌルン!蛇がリューの弱い所を滑った。


「アアッ!」


 リューは蛇の動きに勝てなかった。ミレーヌの蛇使いは15分続き、終わった頃にはリューは精魂尽きていた。


「もう良いわよ。解放してあげる。この蛇ちゃん達はねとっても美味しい事で有名なのよ。料理してよ。」ミレーヌが言う。


 夕飯、ミレーヌとリューは美味しい蛇料理に舌鼓を打った。


「ん?」


 リューが自分の体の変化に気づく。


「とっても元気が出て来たぞ?」


「気がついた?あの蛇、食べるととっても精がつくんですって。」


 再び水着になり、夕日でかすかに明るいビーチに出る。先ほどのミニプールのところに来た。


「ねえあなた、さっき一人でよがってたって言うより、アタシの事楽しませようとして頑張ってなかった?」


「そ、そう言う面もあったかな。」


「もう!アタシのために頑張るのは良いけど無理はダメって言ったでしょ!お仕置きするわ。。。。さて、、、、これはなんでしょう?」


 さっきは気づかなかったが、ミニプールの横にいくつかタンクがあった。


「アリアから買ったトロトロ液よ。これプールの中に入れてよ。」


 リューは波波と、しかしその上で寝ても溺れない程度にミニプールにトロトロ液を注いだ。ミレーヌは自分にトロトロ液をかけると


「どうかしら?」と聞いた。


 リューは目にやり場に困ってしまった。


「こっちに来てよ。」


 そう言って、ミレーヌがリューの手を引っ張ったその時、ミレーヌは滑って仰向けに転んだ。リューも転びかけたが、リューの両手は液で満たされたプールの表面、倒れたミレーヌの肩の上10センチのところでリューの体重を支えた。二人の目が合った。リューが言った。


「、、、、、、花嫁よ、ここは僕が貴女をリードします。」


「リードされてあげるわ、私の花婿。」


ミレーヌはそう言うと、そっと目を閉じた。







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