アタシ達と海賊 その4
「昔、アタイは港町マリナリアに住んでてね。両親がすごい貧乏だった。その頃は私の身なりも汚かったからかしらね。近所の子供達にはよくいじめられていたのよ。そんな中、一人だけ違う男の子がいた。私より四つ上の男の子でよくアタイを庇ってくれたのよ。裕福な商人の子供。いつだったか、意地悪な女がアタイに生卵を投げて来たことがあったわ。その時も、アタイの盾となってね、彼がその卵を受けたのよ。彼の高価な服の上に卵が拡がって、その女はもう卵を投げなくなって、彼によってアタイに対して謝らさせられたわ。」
「その人、あなたを好きでそうしてくれてたの?」ミレーヌが訊く。
「わからないわ。多分違う。正義感の強い人だったから。食べ物を買って分けてくれた事もあったわ。その時のアタイってお礼は言ったけど、彼に何もしてあげられなかったわ。彼に優しくもできなかった。そうするうちにアタイは彼にさよならも告げずに、家を出た。一人で生きてくことにしたのよ。10歳の時だったわ。でも10歳にできることなんて殆どない。結局、悪い海賊に捕まって売り飛ばされそうになった時、別の海賊に助けられてね。その海賊のお頭がアタイを気に入って、海賊として育ててくれた。アタイの命の恩人。そうして月日が経ちアタイが17歳の時、同じ海賊団内でアタイをリーダーとして気に入ってくれた仲間が数人いてね。独立してはどうかって言う話になったのよ。その話をお頭に相談すると、背中を押してくれたわ。そしてアタイはアタイの海賊としてのビジネスを拡げ、今に至るわ。」アリアが説明する。
「で、アタイ時々思うの、あのマリナリアの豪商の子どうしているかなって。お礼もしたいし。。。でもアタイの中で一番大きなのは恋愛感情。でもダメね、海賊なんてきっと彼が相手にしないわ。彼に縁談なんていくらでもあるだろうし。」アリアが彼への想いに話題を戻した。
「そんなの行ってみないとわからないわ。あなた、アタシと話をしたかったの、アタシに背中を押して欲しかったって言う深層心理があったんじゃない?アタシみたいな彼氏に対して強引な女にね。」ミレーヌが言う。
「明日、マリナリアに行きましょうよ。」ミレーヌが続ける。
「!?」
「アリア、今日この島を離れて、美容室に今日中に行って、髪を整えられる?」
「。。。簡単よ。」アリアが答える。
「明日はアタシ達をプライベートビーチまで迎えに来てくれますか?そしてあなたの船でマリナリアに行きましょう。アタシがあなたと、その意中の人を魅了するような服を選んでメイクもします。その後、リューとアタシはマリナリアを観光、あなたは、その男の人に会いにいく。その晩はマリナリアに一泊。そして次の日アタシ達は全員あなたの船でここまで戻って来る。どうですか?あなたは海賊。乗り始めた船、最後まで乗りますよね?」
「!?もちろんだ。」
(押しの強い女だ。。。ちゃっかりマリナリアへの船旅まで得て。。。だが大したやつだ。)
アリアはそう感心ながらも、ミレーヌに背中を押してもらえたことを嬉しく思いながら応えた。




