アタシ達と未知の遭遇 その2
ミレーヌとノエミーそしてアレックスがヴァレンヌの森で調査をしている。
「これは、、、」
大型動物が数体、死骸となっている。すごく不思議な点があった。致命傷の傷がある上に、ムチで打たれたような小さな傷が多数ある。
「これだけ傷ついているのに、食べられている跡が全くないと言うのも不思議ね。」ミレーヌが言う。
被害状況の正確な把握のために、三人は場所を移動する。この動物の楽園ヴァレンヌの森の一部が動物の地獄と化したかのような光景に気分が悪くなる。犯人、おそらく人、を許さないと言う怒りが湧く。刹那、ピンク色の鞭のようなものが三人のもとへ飛んでくる。ミレーヌとノエミーが避ける。アレックスは避けきれない。
「ぐあああッ!」
何かがいる。
一方その頃ミレーヌとリューのビノーム控室では、リューが目覚めていた。
「ここは、、控室。。。!?ミレーヌは?」
「もう任務地にいるんじゃないかしら?」その声はヴェロニカだった。
「昨日の非礼をミレーヌに謝りに来たら、あなたが倒れているんですもの。びっくりしたわ。」と彼女は続けた。
ヴェロニカがリューを目覚めさせたのだ。
「行かなきゃ。」リューは言う。
「あなた、すごい熱よ。ミレーヌ、今一人じゃ無いんでしょ?それでも行くの?」
「動物がいきなり多数死んでいるっていうの、ケースとして激レアすぎるよ。何か僕らのすごく常識と外れた事が起きてても不思議じゃない。」
「。。。追いかけなきゃね。私は私の任務に行くわ。」
「ありがとうヴェロニカ、またね。」リューは準備をサッと整えて駆け出した。
(風、みたいな男よね。)ヴェロニカは思った。
ミレーヌ達は交戦していた。この手足がある異形が彼女らの目の前にいて、おそらく動物に手を下した者だ。それは人間でもなくガーゴイルでも無かった。スライムだ。スライムが人型化したかのような生き物だ。髪が無数のムチのようになっており、それが三人を襲う。最初はそのうち2本が三人を追いかけまわしていたが、そのうちにスライム人間はムチを10本に増やし攻撃して来た。三人はエーテルに乗り加速して回避に移るが、再度アレックスが避けきれない。実のところ彼は防御に定評のある生徒ではあり、耐ガーゴイル用のGガードを展開するが敵のムチはそれをすり抜ける。ガーゴイルではない異形にはGガードは無力なのだ。
「グアアッ。」
生身でモンスターの攻撃を受けたアレックスが叫ぶ。
「拉致があかないわ。アレックス、あなたは退却して軍に連絡して。」ミレーヌが指示する。
「!?わかった。。。」
アレックスは苦悩を一瞬浮かべたが承諾した。恋人のノエミーをこんな敵の目の前に置いていくのが辛いのだろう。退却途中のアレックスを数本のムチが襲う。ミレーヌとノエミーはそれを剣で払い落とす。と言っても、ガーゴイル用に用いているエーテルの刃がこの異形には効かないので、これでは剣ではなく剣の芯である木刀による物理攻撃である。
「アタシ達が相手よ!」ノエミーが言う。
スライム人間はワナワナと震え出した。まるでおもちゃが一つ逃げて、ツマランと言っているかのように。スライム人間は自身が持つムチを全てミレーヌ達へと向けた。
(速い!)
ムチの一群が急速に伸び、ミレーヌ達の背後を取り囲む。前も後ろも上も全方位、無数のムチに囲まれてしまった。
(アタシ達は、、、退却できる隙がなさそうね。。)ミレーヌは舌打ちした。
ムチはワナワナとミレーヌ達を攻撃する隙を窺っていたが、ついに襲いかかって来た。
「んぐぅっ! !? ああああっ!」
ミレーヌとノエミーはその四肢をムチに捉えられ、締め付けられてしまった。




