アタシ達はやっぱり喧嘩した
「愛の成せる技、、、」
ミレーヌはルイに嫉妬している点がある。ミレーヌにはスライムハンター技がほとんど身に付かなかったのだ。ルイがルイーズを愛するように、ミレーヌはリューを愛していた。なのにスライムハンター技術はルイには身につきつつあるが、ミレーヌにはさっぱりである。スライムハントにリューと一緒に行った時に説明してもらったり、自分で時間を見つけた時は自主トレまでしても身につかない。このルイとの対比がミレーヌをイラつかせる。
ある日のスライムハントの任務でやはりミレーヌはリューにやり方を教わるが、ミレーヌの身体からは技のようなものは何も出てこない。
「あなた、本気で教えてるのよね?」
「ベストは尽くしています。」
(そんなこと知ってるわ。それにあなたはいい先生だって事もね。)
ミレーヌはリューと付き合いだしてから、リューに何回か料理を教わった。こちらの上達は速かった。ミレーヌの頭の中で、ルイーズとのある日のカフェでの会話が回想される。スライムハント技術に関してはルイーズの意見に意見を聞く事もした。ルイーズの技術の説明は大体リューの説明に近い。
「リューさんがリューさんのスライムハント技術をスライムハンター科の学生に説明する時って、とてもわかりやすいですよ。」
ミレーヌとルイーズはかなり気があった。考え方が少し似ている点があるようで、その上、二人のそれぞれのボーイフレンドが別の学科で二人組の片割れになっているという共通点があった。またミレーヌはスライムハンターとして目覚めてないのに似て、ルイーズはガーゴイルハンターとして目覚めてない。二刀流は彼女らのボーイフレンド達、リューとルイの特異な性質なのだ。
「お互いに変態がパートナーで大変ね。」などと言って笑いながら二人はよく会っていた。
その日のスライムハント任務を終え、校庭に戻ってきた。6月だと言うのに今日は寒い。
「あのさ、ミレーヌは今のままで良いと思うよ。」リューが言う。
その言葉はミレーヌの怒りセンサーを押した。
「何よ、あなたの彼女がスライムハンターの技術取得に真剣なのに、そんな気持ち全然わかってないのね。二刀流とか言われて調子に乗っちゃって。」
(しまった。気持ちがうまく伝わってない。)リューは思った。
「そう言う事が言いたいんじゃもちろんないよ。」とリュー。
リューが説明しようとする前にミレーヌが言う。
「校庭40周。」
「え?」
「あなたみたいな薄情者は、校庭40周、一人でしなさい!」
ミレーヌが怒りのプンスカ仁王立ちを見せた次の瞬間、他の女子の声が遮った。
「何が校庭40周よ。リュー君、そんなのする必要ないわ。」
声の主はスライムハンター科2位のヴェロニカだった。
(この女、いつかのパーティーの時のパフェ女。)
確かに交流会の時にリューとパフェを一緒に食べた女子がヴェロニカだ。
「聞いていれば、リュー君が丁寧にしているのに、ミレーヌあなたって結構な意地悪するのね。ダサいわよ。」ヴェロニカが言う。
(まずい、止めないと。)リューは焦る。
「ヴェロニカ、違うんだよ。」とリューが言うが女達は続けた。
「あなたはあなたでリュー君の気持ち、どれだけ考えているのよ。」
「!?」ミレーヌはワナワナと怒りで震えている。
「アタシ、帰るから。」
「待って!ミレーヌ!僕も帰るよ。」リューが言う。
ミレーヌはエーテル付きのコークスクリューをリューに浴びせ、リューはそれをGガードで防ぐ。防げたが後ろに吹っ飛ばされ、尻餅をついた。
「イタタ、ミレーヌ。。」
「あなたは校庭40周してなさいよ。一人にして。 さよなら、リュー。」ミレーヌが去っていった。
「まだ言うのね。あの人。リュー君に暴力まで振るって。」とヴェロニカ。
リューが起き上がってくる。
「ミレーヌの名誉のために説明します、ヴェロニカ。校庭40周っていうのは、ミレーヌが僕に怒って思いつきで言ったのではなく、僕たちが前もって二人で決めていた事です。僕の体力トレーニングとしてはそれが良いからです。最初はミレーヌも一緒に走る予定ではいたけど。あと暴力と言っても今のコークスクリュー、僕のGガード練習用に1000回はやってるシチュエーションなんだよ。」
「それだと、私も少し言い過ぎていたのね。ごめんなさい。」
ミレーヌの今の様子だと確かに彼女には少し時間が必要だろう。ミレーヌがたててくれたトレーニングメニューをこなしてから、今晩ミレーヌに会いに行くことにリューは決めた。




