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第62話→生徒指導の先生は、皆ムカつくように出来ている。



結果から言おう。



ヤンキーさん達は全員ボコボコにしてあげた。



しかし、予想とは反し俺と純と旅人もボコボコにされてしまった。



ヤンキー?いんや。あんな奴らの攻撃なんて当たっても少し赤くなる程度だ。



俺たちは忘れていたのだ。


少し親しくなったからって、人の本質的なものがそう簡単に変わるはずもなく・・・・そう。通称、歩く正義感、立夏の存在を。



ただ傍観しているだけの教師どもを余所に、立夏だけが動いた。



その細足から繰り出される蹴りは、人外になった俺にも、多大な傷を残した。



そんなこんなで、グダグダなまま始業式は終わり、俺たち三人は生徒指導室へ連行されるはめになったのだ。



くそぅ。ボコボコにして逃げる作戦がぱぁになっちまった。



と、言うわけで、現在、生徒指導室で絶賛反省文を書かされているというわけですよ、はい。



「はぁ〜・・・・白、だったな」



まぁ、旅人が言いたいことはわかる。



「そうだったなぁ。イメージ的には黒なだけに、なんか裏切られた感があるよな」



もちろん今の話題は、立夏のパンツについてである。


女の子が何かを蹴る時に、パンツが見えてしまうのはお約束というものであろう。



「ふむ。・・・・委員長は意外と幼い趣味だったのか」



本人に聞かれたらどんなめに遭わされるかわからないようなことをよく言えるな、コイツ。



「それよりも、この反省文何書くか・・・・・・」



「なんだ?まだ書いてないのか」



と、旅人。



「お前・・・・まさか、書き終わったりしてないよな?」



「・・・・・・ほらよ」



なんか勝ち誇ったような顔で、作文用紙を3枚渡してきた。



むむ・・・・確かに全部うまっている。



アホの旅人に負けた、という屈辱的な気分に浸りかけていると、作文の題名を見て吹き出してしまった。



「てめぇ!!これ、反省文書くんだろうが!何が『幼女萌えはロリコンか否か』だよ!間違いなくロリコンだ!!」



「わかってるっての!ただ、幼女に萌えるのに自分がロリコンだと気付いてない奴へのメッセージを、全力で書き綴ったまでだ!」



「そんなやついねぇよ!」


「「・・・・・・・」」



あれ?二人は何で俺の顔をジッと見てるんだろうか。


顔に何か付いてんのかな?


「こいつ・・・・まじで言ってんのか?」



「・・・・・さすがに、コレはないな」



はぁ、と大きなため息をつく二人。



なんなんだよ、いったい。


「まぁ、どこかの天然かそうでないのかよくわからんやつは放っておいて・・・・・さっさと書くか」



「・・・・・・そうだな」


頭に疑問符を浮かべる俺を完璧に無視しながら、二人はカキカキと反省文をうめていく。



ええと、どれどれ?・・・・・・・・・『猿でも理解できる幼女の良さ』『世界の偉大なるロリキャラの名言』・・・・・・・・・・・二人は、本当に何がしたいんだろうか。



旅人と純の執筆は、トイレのため席を外していた生徒指導の先生が戻ってくるまで、途切れることなく続いた。






☆☆☆☆






「チッ・・・・結局放課後まで残しやがって」



「・・・・・・そういえば、あの生徒指導のやつ、女子生徒に天誅という名の痴漢行為を働いているという噂があったな。確かめてみるか」



結局放課後まで生徒指導室に閉じ込められていた二人は、相当頭にきているみたいだな。



あんな反省の欠片もない反省文を書いていたお前らの方に負があるだろう、とか思ったりするわけだが、俺もあいつは嫌いだ。



噂の真相を確かめるのには協力してやろう。



別に二人のせいなのに、なんで俺まで放課後まで残らなきゃいけなかったんだ!なんて逆恨みはしてないよ?



「はぁ〜・・・・家に帰ったら、なんて言われるかなぁ」



そんな俺の呟きに、純と旅人は御愁傷様、と手を合わせる。



こいつら・・・・他人事だと思って・・・。



実は、始業式が解散になる時、話があるからと立夏から声をかけられていたのだが、生徒指導室から出られず、結局話しそびれたままだ。



ない、とは思うが、もし家に立夏が来ていたらなんて言われるか。



精神的に参りそうである。


「まぁ、きっと大丈夫。なんとかなるさ」



「そうだな。たぶん腕の2、3本くらいで済むはずだ」



そんな二人の言葉に、さらに肩の重さが一段と増したような気がする。



俺は大きなため息を吐くと、とぼとぼと歩きながら、なるべくゆっくりと、帰路につくのだった。




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