第59話→みんなでゲーム。
結局、次々に人が集まってきて大人数での王さまゲームが始まった。
場所を俺の部屋から移し、現在は客間で円を作りながらゲームが始まるのを待っていた。
最初のもくろみとは異なり、イカサマなんて出来る状況ではない。
「旅人。こういうイベントも、たまには参加しないとな」
「あぁ。義秋ばっかこういう系列のイベントに参加してちゃあ、さすがにムカついてくるし」
とりあえず二人も呼んでみた。
純にはこの間の一件で世話になったし、旅人には、噛ませ犬みたいなことをさせてしまったので、ちょっとしたお詫びのつもりだ。
「まぁ、せいぜい楽しんでくれよ?」
「「こ、心の友よ!」」
某ガキ大将みたいなことを言って、二人は俺の手をガッシリと掴んできた。
やはり、憎まれ口を言いながらも、男子たるもの、このハーレム状態な王さまゲームには是非とも参加したいだろう。
(人が増えて、俺への被害が少なくなればいい)
なんて思っているのは、内緒である。
パソコン壊されたうえに、変なことをさせられた日には本気で泣きかねないからな。
電気屋さんに電話してみたところ、夏休み中の修理は難しいらしいし。
もうそれだけで泣きたい気分ではあるのだが。
「よし・・・そろそろはじめるか」
俺の一言に、部屋の中が一気に静まり返る。
部屋の中には、ゲーム用のトランプをシャッフルする音と、みんなの、息を飲むような音だけがあった。
今回のルールを説明すると、スペードの1から12までのトランプだけを使用し、スペードの1を引いた人が王さまになる、というとっても簡単なものである。
シャッフルが終わると、じゃんけんで順番を決め、一人づつトランプを手にとっていく。
シャッフル役の俺が引くのは、もちろん最後。
とりあえず今回の不安要素は二人だ。
王さまゲームの“加減”を知らない、ルシフと蒼樹だけには、スペードの1が渡ってもらっては困る。
「じゃあ、いくぞ?・・・・・・王さまだ〜れだ!」
シンと静まり返る部屋の中。
オドオドと手を上げたその人物は―――――――――――不安要素に的中。
蒼樹が、スペードの1を片手に曖昧な笑みを浮かべていた。
神様とはなんてイタズラ好きなんだろう。
まぁ、ルシフに賽が振られなかっただけでもましか。
「んじゃあ、蒼樹。番号指定とやってほしいこと言ってみて」
蒼樹はコクッと頷くと、少し悩んで番号を口にした。
「さ、3の人が、蒼樹に大好きって言ってほしい・・・・」
不安げにはにかむ蒼樹を見ると、なんか変わったなぁと思ってしまう。
家に来てすぐの時は、表情すら見せてくれなかったからな。
いやぁ、良かったよかっ・・・・・・・よくねぇぇぇぇえ!!
蒼樹、今なんて言ったよ!?
「そ、蒼樹?・・・・今、なんて言った?」
「えっと、3の人が」
「わかった。もういい」
まさかそんな・・・・神様は本当にイタズラ好きなんだなぁおい!
「えっと、3の人は・・・?」
立夏の言葉に、俺はゆっくり立ち上がり蒼樹の目の前まで歩くと、片膝をついた。
「・・・・俺、だ」
苦笑しながら、トランプをみんなに見えるように床に置く。
まぁ、王さまが蒼樹で良かった。
言葉を言うだけなら軽い軽い。
俺は蒼樹をじっと見つめ、ゆっくりと口を開いた。
「蒼樹、大好きだ。愛してる」
最後のはオマケみたいなものだ。
きっと蒼樹は、俺の両親が死んだ日からずっと愛なんてものを知らないはずだからな。
だから、大好きと言ってほしいなんて言ったんだろうし。
「は、はわわわわわわ」
蒼樹は顔を真っ赤にしながらあたふたし始めた。
俺はそんな蒼樹の頭を軽く撫でて、自分がもといた場所へと戻る。
「さぁて、次やろっか・・・・・・・って、みんな何でそんな目をしてるんだ?」
みんなの目が、獲物を狙う獣のような目をしていた。
次こそは。
だれもがそう考えているんだろう。
ゲームはまだ、始まったばかりなのだから。
んちわ。
とりあえず毎回グタグダでほんと申し訳ないっす。
知り合いから「少し頭冷やそうか」と言われ、冷静に小説を見直したりすると、文才のなさに笑えました。 やはり一番の問題は、作者である自分でさえキャラが掴めていないということですね。 あと欲望にまかせてキャラ増やしすぎだとかも思ってみたりww と、いうわけでもう一つ小説書いてみたいと思います。 んまぁ、忙しいからあんまり書けないと思うけどw とりあえず、そっちの方もよろしくしていただけたら嬉しいです。 でゎでゎノシシ