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第44話→デート、これ、なんてギャルゲ?



「・・・・・・今、何時だ?」



ふと目が覚めた俺は、蒸し暑い部屋の中、痛む頭を抑えながら体を起こす。



(・・・・・そういえば、俺は集団リンチをくらって・・・・)



思い出しただけで背筋がゾッとする。



今なら、スクイズの誠と語り合えるかもしれない。



ヤンデレ恐い・・・・。



間違いなく、その意見は一致するだろう。



「ご主人様?目が覚めたんですか?」



その声に視線を動かす。



と、ルシフが心配そうに俺の顔を覗き込んでいた。



「みんな・・・は?」



「・・・・からおけ、というとこに行くと言ってました」



カラオケ・・・・ね。



「はぁ・・・・・命が助かったことを喜ぶべきか、一人置いていかれたことを悲しむべきか」



俺はわざとらしくため息を吐く。



本音としては前者だが。



「・・・・・・ご主人様。一人じゃないです。ぼくがいます」



・・・・そうでした。



「ルシフは、行かなくてよかったのか?」



「はい。『義秋を、これからどうするか相談する』のが目的らしいので・・・・・・ぼくは、そんなことせずともご主人様とずぅっと一緒ですから」



そう言ってニッコリと笑うルシフ。



なんか、ルシフが一番酷いヤンデレになりそうな気がするのは俺の思い過ごしか?



「・・・・ありがと。俺もルシフとはずっと一緒にいたいよ」



病まない限り、な。



心の中でそう付け足して、俺はニッコリと笑った。



「・・・そうだ。せっかくだし、一緒に出かけるか?俺はどっちにしろ用事があるし」



今日はPSP用の新作ゲームが発売する日だ。



予約はしてあるし、普通に買えるだろ。



携帯電話の時計が13時52分になるのを見ながら、ルシフに質問してみる。



「い、行きます!行きたいですっ!!」



そう言って、パァッと笑顔になるルシフ。



そんなに買い物に行くのが嬉しいのか?



「ご主人様。これって、デートですよね?」



・・・・まぁ、そう言えなくはない・・・か。



「デート・・・・・なんじゃないかな?他人から見たら」



「ご主人様と、デートっデートっ♪ 」



ルシフは変な歌を口ずさみながら、俺の部屋から出ていった。



そんなルシフに苦笑しながら、俺も出かける準備を始めた。






☆☆☆☆






「一つ聞いていいか?」



「??・・・・なんですか?」



「その服って、どこから持ってきてるんだ?」



出かける際、服を着替えてきたルシフに、俺は質問してみた。



夏那華、迷梨にも言えることだが、俺の家に荷物らしきものは持ち込んでないはずなのに、外に出る時はいつも服が変わっている。



俺はその出所が、前から気になっていたのだ。



「これ・・・・ですか?」


そう言って、黒をベースにした少しフリフリのついているジャケットの裾を引っ張るルシフ。



「そう。それ」



「これはですね、魔法で作ってるんです」



・・・・そうきたか。



「誰でも、できるのか?」


「そうですね。女性なら、ほとんどの人が出来ると思いますけど・・・・」



んなら、夏那華が出来るのも納得できるな。



コレでまた一つ、謎が解けた。



「ん。ありがとな。なんかスッキリしたわ」



いやぁ、魔法で人間を誑かして、店の商品を盗んできてるのかと本気で心配していたんだよ、実は。



あの二人に聞くと、教える代わりにどうのこうのと条件を付けてきそうで聞くに聞けなかったんだよな。



それにしても、便利だな。


魔法って。



「でも、洋服作るのって、1年くらい寿命を削るんですよね。だから、ご主人様は真似しちゃいけませんよ?」



「・・・・・・・・・絶対にしない。うん」



まぁ、魔法なんて使えないから出来ないんだが。



寿命使うって・・・・・・・まぁ、悪魔と人間の価値観の違いか。



・・・・でも、これからは服くらい買ってやろうかな。さすがに。



俺は玄関の施錠をし、間違いなく閉まっているのを確認すると、少し歩いた所で俺を待っているルシフの手をとり、歩きだす。



「こっちのほうが、デートっぽいだろ?」



そんな臭い台詞を言いながら。



ふとルシフの表情を疑うと、ルシフは顔を真っ赤にしていた。



攻めるほうは平気だが、逆はダメなタイプっぽいな。


フフフ・・・今からは俺のターンだぜ!!



いつもルシフから惑わされてるし、今日くらいはな。


そんなことを考えつつ、俺とルシフは商店街へ出かけるのだった。



なんかルシフルートに確定しそうな雰囲気なので、早くなんとかしないとw

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