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第41話→ルシフの過去。其の壱。



旅人、純と、久しぶりに会った日の夜。



「そういえばさ。ルシフって、何で封印なんかされてたんだ?」



旅人と純から、秋葉原のお土産を受け取って少しご機嫌な俺は、ふと思った疑問を口にしてみた。



パソコンを弄りながらルシフに視線を向けると、ルシフは数秒何か考えてこう言った。



「・・・・・・そうですね。ご主人様には、全てを知る権利があると思います。・・・・少し長い話になりますけど聞いてくれますか?」



「・・・・・うん。まぁ、俺から言いだしたことだしね」



俺はパソコンの電源を切り、ベッドに腰をかけて話を聞く態勢を整える。



「・・・・・・・じゃあ、話しますね。・・・・あれは、ぼくが6歳になったばかりの、寒い寒い冬の日の出来事―――――――――





☆☆☆☆






その日、ぼくは両親に売られました。



ぼくの家を含め、ドラキュラの血を持つ家が次々に廃れているのは幼いながらも知っていましたが、自分の家には関係ないと思っていたのです。



ですが、現実は違っていました。



ぼくは売られ、両親も別々に暮らし始めて、家族はバラバラになりました。



悲しくて悲しくて。



毎日のように泣いていました。



ぼくはまだ5歳になったばかりだったので、引き取ってくれた人も仕方ないと言ってくれたのです。



その家での生活は、わりと楽しかったです。



親代わりの人は優しかったですし、前の生活より贅沢をさせてもらいました。



そして、ぼくが6歳になったばかりの夏。



ある男の人が家を訪ねてきました。



「・・・・・・・・・見ィつけたァ」



その男の人の甲高い声は、今でも忘れることが出来ません。



ぼくはその日、誘拐されました。



男の人の魔力はとてつもなく大きくて、誰も、何もできません。



ぼくは、男の人に誘拐されてすぐに、ある薬を飲まされました。



その薬を飲んだ途端、ぼくは叫びました。



頭が痛くて、体が熱くて、悲しくて。



それが何日も何日も続いて・・・・。



孤独、絶望。



その二つの感情で心が一杯になりました。



意識はあるのに、まるで自分じゃない。



例えるなら、とてもリアルな夢を見ているみたいな、そんな感覚です。



その感覚のまま、ぼくの体は勝手に動きだします。



どういうわけかわからないですけど、力が体に満ちていて、何でもできそうな気分でした。



男の人は言いました。



「どうだァ?400人分のドラキュラの魔力を得た気分はァ」



男の人は語りだしました。


「ドラキュラ、という上位の悪魔が持つ魔力は膨大だァ。けどよォ、初代ドラキュラ以外その魔力を完全に扱える者はいなかった。オレは見たくなったんだ。その完成形とやらをなァ」、と。



ぼくを含め、お父さんも、お母さんも、友達も。



全部この男の人の“都合”のせいでバラバラになってしまったんです。



さらに男の人はこう言いました。



「ほら、孤独だろォ?寂しいだろォ?・・・オレが満たしてやるから、その力をオレのために使え」



その言葉を聞いた瞬間。



ぼくの気持ちが爆発しました。



男の人を、殴って、殴って、殴って、殴って、殴って、殴って、殴って、殴って、殴って、殴って。



気が付くと、男の人は死んでいました。



ぼくは、返り血を浴びたままその男の人の家を出ます。



汚い字でその男の人の名前が書かれた表札もろとも、その辺り一面を魔法で爆発させました。



もう、あの男の人と関わりのあるものを見たくなかったからです。



膨大な魔力を使ったせいか、ぼくの意識は朦朧とし始めました。



ですが、そこで一つの奇跡が起きたのです。



大きな魔力が次元を裂き、別の世界へ続く穴が出来て・・・・。



ぼくは、そこに飛び込みました。



こんな世界にはいたくないという気持ちだけで。






☆☆☆☆






ルシフはそこで一旦話を切ると、軽く深呼吸をした。


辛い過去だ。



話しながら、色々思い出してしまったのだろう。



「・・・・そろそろ、電気消すか」



そう言って、俺は電気を消した。



布団に潜り込むと、ルシフも同じように布団に入ってきた。



「ご主人様・・・・今の話を聞いて、ぼくを軽蔑しましたか?」



「??・・・・なんで俺がルシフを軽蔑しなくちゃならないんだ?」



「・・・・・だって、ぼくは人を殺して・・・」



ルシフの言葉に、俺はクスリと笑う。



「気にしないっての。だって、殺したのは人じゃなくて悪魔なわけだし。第一に、話を聞くかぎりじゃルシフは悪くないじゃん」



「でも・・・・ぼくがもし嘘をついていたら?」



「ん・・・・・その時はその時だな。俺はルシフを信じるよ」



「・・・・・・ありがとうございます」



ルシフはそう言ってそっぽを向く。



しばらくの沈黙の後、ルシフは話の続きを語り始めた。




えっと・・・とりあえずこんな感じの話もあっていいかな?と思い書いてみますた。          しかも、ちゃっかり二部に分けてます。サーセンw




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