第35話→嵐、吹き荒れ始める。
そんなエロくない件w
「・・・うぐぅ・・・・」
現在、絶賛睡眠中の俺は寝苦しさにうなされていた。
なぜかわからないが、先ほどから体の上に誰か乗っている感じがするのだ。
これが金縛りってやつなのか?・・・・だとしたら、寝苦しさの原因は・・・。
俺は必死で目を開けないように努力する。
もしこれが金縛りなら、幽霊が居るということになる。
人外になってはいるが、幽霊は怖い。
「・・・・さ・・・ま」
とても小さな声が耳元で聞こえた。
これはあれだ。
幽霊だよ間違いなく。
「ご・・・・・・ま・・・」
ったく、胡麻が何だってんだ?俺なんかしたか?
ここで、何か少しおかしいことに気づいた。
声とともに、生暖かい風を耳に感じる。
幽霊が呼吸なんてするはずないよな?
俺はゆっくりと目を開く。
「・・・・・・・・・・・誰?」
俺の体の上に乗っていたのは、見たこともない女の子。
その女の子は、金色の綺麗な髪を腰より長く伸ばし、なぜか裸で俺の顔を覗きこむようにして見ていた。
「やっと、目が覚めました・・・・」
女の子は俺と目が合うと、大きな青い瞳からポロポロと涙をこぼしはじめた。
俺は状況が呑み込めず、頭の中が大混乱をおこす。
回らない思考の中であることに気づいた。
(確かに見たこともない女の子なんだが、なんかどっかで・・・・・・)
「もしかして・・・・・・地下に封印されていた?」
金髪といえばそのくらいしか思いつかない。
確かあの時、ぐるぐるに巻かれた包帯の間から金色が見えた気がする。
それに、顔立ちも似てるような・・・・・。
「はい。ご主人様が助けてくれました」
女の子に言われて初めて気づいた。
そういえば、封印ってのも魔法的なものなのだと。
つまり、知らないうちに俺が封印を解いたってことになるな。
・・・・・・まぁいい。女の子に聞きたいことは色々とあるが、今はそれより重要なことがある。
「服、着ないのか?」
そう、彼女は裸なのだ。
健全な男子としては、理性が崩壊する前になんとかしてほしい。
「・・・・・いらないです。今から、ご主人様と契約しますから」
・・・・契約ってことは、コイツは悪魔か天使なんだな。
「・・・いや、俺にはすでに3人の契約者がいるんだが・・・・」
「問題ないです。それは把握していますよ?契約済みな契約者の魔力は他の人とは違いますから」
女の子はそう言いながら俺の横に移動し、布団の中に潜り込んだ。
「それに・・・・ぼくは、彼女たちより深い契約をしますし」
えっと・・・何言ってんのかな?
あれ?他人の服のボタンに手をかけていったい何を?
「ぼくは、長い間眠っていました。・・・・・・とても暗くて、寂しくて。だから、ご主人様が眠っているのを見て、ずっと目を覚まさないんじゃないかって心配で・・・」
俺の服のボタンを外し終えた彼女は、俺の鎖骨辺りをペロッと舐めた。
それにともない、なんとも言えない感覚が背筋を這う。
「――――っ!?」
声にならない声が喉から出る。
なぜだかわからないが、体がまったく動かないのだ。
「だから、契約しようと決めたんです。・・・・・・繋がりがあれば、ずっと一緒に居られますから」
女の子が俺のズボンに手をかける。
(動け、動け、動け!!)
俺は、必死で腕を動かそうと力を入れる。
すると、やっとのことで右腕だけが動いた。
ズボンが半分くらい降ろされたところで、なんとか女の子を止めることが出来た。
「・・・・・・なんで、動けるんですか?」
女の子は、驚いているような、それでいて悲しそうな表情で俺を見る。
「やっぱ、り・・・・・・なんか、の・・・魔法な、のか」
余り動かない口で、俺は言葉を紡ぐ。
「・・・・・効いてないわけじゃないんですね?・・・大丈夫、です」
女の子はそう言って、俺のズボンをゆっくり降ろす。
ズボンを足首まで降ろし終えると、女の子は馬乗りのような状態で俺に乗ってきた。
裸の感触が俺の体に伝わってきて、血が下部に集まるのを感じる。
「ちょ、お・・・・まじ、で?」
女の子は俺の顔に自分の顔を近付けてくる。
「今から、深愛の契約を始めます。・・・我が祖なる父よ。大地なる母よ。此処に、永遠の契りを」
俺と女の子の唇が重なる。
俺は、童貞卒業までのカウントダウンを心の中で刻む。
できれば、もっと普通な初めてがよかったなぁ。
そんな願いは、叶いそうにないみたいだ。
なんという逆レイプw