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第14話→委員長が眼鏡キャラだという決まりはないはず。



「こ、こんにちは・・・・クリス・迷梨・ヴォルフなの。迷梨って呼んでほしいの」



迷梨がペコリと頭を下げると、拍手とともに、男性陣からちらほらと歓声があがる。



夏那華の時もだったが、どうにもこのクラスはロリ思考のやつが多いらしい。



まぁ、二人とも顔は整ってるし、美少女ってレベルなんだけど。



それにしても、迷梨のやつ、本当に転校してきやがったし。



俺は一人ため息を吐く。



「・・・・どうした?悩み事か?」



そう声をかけてきたのは純である。



俺の右隣に座っている純の顔を見ると、視線を迷梨に固定して頬を赤らめている。



「やめとけって。お前も現場にいたからわかるだろ?あいつ、人外なんだぞ?」


俺の言葉に、純は少し真面目な表情を作る。



「・・・・差別、よくない」



「いや、あれだよ純。この義秋〈ばか〉は、迷梨ちゃんを独り占めしたいんだ。間違いない」



俺と純の会話に、左隣の席でニヤニヤしていた旅人が参加してきた。



「む・・・・それはいただけないな・・・ロリ金髪といえば国宝級のだな・・・・・」



純よ・・・眼鏡をくいっとあげながら、何を語ってるんだ。



「てか、その前に・・・・旅人、てめぇ人の名前をバカって読みやがったなぁ」


「・・・・それがどうした?」



「どうしたじゃねぇーっつうの!」



俺は旅人の耳をがっしり掴むと、思いっきり引っ張る。



なんか最近、色々ストレスたまってたし、少しスッキリするかも。



と、悦に入っていると、「やりやがったなぁ!」と旅人も俺の耳を掴んできやがった。



お互いに耳を引っ張りながら言葉をかける。



「い、痛いなら今のうちに謝れよ?」



「う、うるせぇな。義秋〈バカ〉のくせに」



俺と旅人は、涙目になりながらも、引っ張る力を強める。



「・・・やれやれ」



第三者の視線で、俺と旅人を交互に見ながら、肩をすくめる純。



俺と旅人の手が、純の耳にのびるのは、ほぼ同時だった。



純も、反撃するように、俺と旅人の空いてる方の耳に手をのばす。



これぞ三つ巴。



周りの、何やってんのコイツら、的な視線は痛いが、気にしない気にしない。



男には負けられない戦いがあるん・・・ドカッ!



俺が心の中で格好いい台詞を言おうとしてたら、頭にすんごい衝撃が。



「痛ぇー!!なんだ!?鈍器のような物で殴られた感触が・・・」



「・・・・何が鈍器だっ!」



ドカッ、ともう一発殴られた。



俺を殴った人物に視線を向けると、うちのクラスの学級委員長さんではないか。


「な、なんで俺だけ・・・・・・」



そう反論しようとするも、旅人と純は自分の席に戻り読書に耽っている。



朝のHRが終わると、心を育てるとかなんとかの名目で、朝読書の時間が割り当てられているのだ。



てか、二人はいつの間に席に戻ったんだよ・・・・。


「何か、反論は?」



「・・・ないです」



委員長の言葉に、大人しく席につく俺。



俺と純と旅人。



三人が絡むと、いつも騒ぎになる。



まさに混ぜるな危険。



そんな俺たちを、暴力という名の武器で止めるのが委員長の役目である。



ちなみに、入学式当日に色々と問題を起こした俺たちを鎮静させたのも、委員長である。



いやぁ、入学式の日は凄かったよ。色々と。



委員長は、見た目かなりの美人で、大和撫子的な雰囲気を纏っているが、家が道場をやっているとかで滅茶苦茶強い。



腰を過ぎたくらいまである長い黒髪を揺らしながら、自分の席に戻る委員長。



「あんなんだから彼氏できねぇんだよ」



俺がボソッと呟くと、委員長が笑いながら振り向く。


・・・・・今の声が聞き取れるなんて、本当に人間ですか?



左右で手を合わせて、「御愁傷様」と呟いてる二人をよそに、朝読書が終わったら、何を置いても逃げ出そうと心に誓った。






☆☆☆☆






「・・・・危なかった」



俺は汗をぬぐいながら、一息つく。



現在は、屋上で体を休めている最中である。



朝読書が終わると同時に、委員長が襲い掛かってきた。



俺は、純と旅人に『魔法の言葉』を囁いて、二人に壁になってもらい、なんとか逃げ切れた。



つか、夏那華と迷梨はなぜ助けてくれなかったのだろうか。少し涙が出てきたんだけど。



ちなみに、『魔法の言葉』とは「妹の写真、3枚ほどで」という、あの二人にしか通用しない言葉なんだけど。



と、不意に足音が。



まさか、と思い戦闘態勢をとる。



足音は、こちらに向かってきている。



ゆっくりと屋上のドアが開いて・・・・。



「にゃっははー。見つけたぞ契約者君」



現われたのは、学園のアイドルとして有名な、2年の楔 和月〈くさび なづき〉先輩だった。



・・・・今、契約者って言ったよな?



緩みそうになった頬を引き締め、数歩後ろに下がり距離をとる。



「先輩、もうすぐ授業始まりますけど、こんなとこにいていいんですか?」



「ん?契約者君の正体は、あっきーでしたか」



くりくりとした目で、俺を見る先輩は、ニヤリと笑う。



「あらま。学園のアイドルに名前を知られてるなんて、光栄だ」



「・・・入学式にあんなことしたんだし、知らない人はいないと思うけど」



和月先輩は、俺の質問に答えながらも、少しづつ距離を詰めてくる。



「先輩、もしかして、俺に用事ですか?」



「おっ、よくわかったね〜。パチパチ」



手を叩きながら、無邪気に笑う和月先輩。



「あっきーが1人になること少なかったからさ。ずーっと待ってたんだけど、よかった〜。今日は絶好調な日なんだよ」



ガシャン、と背中がフェンスに触れた。



俺は、逃げ場がないことに動揺しつつも、和月先輩に質問する。



「俺が1人になるのを待ってたって、まさか、愛の告白とかですか?」



俺の言葉に、和月先輩は動きを止めてクスッと笑う。


「惜しい・・・・かな?今日は、愛の告白なんかより、もっと重要なことなんだよ」



和月先輩はそう言うと、ボソリと何かを呟いた。



「解除〈LimitBreak〉」



瞬間、白い羽のようなものが空に舞う。



・・・・目の前には、白い翼を背中に生やした和月先輩が立っていた。



その姿は、百人中百人がこう言うだろう。



まるで天使のようだ、と。



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