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第12話→校長・・・まじですか。



朝、いつもより早く目が覚めた俺の鼻を、甘い匂いがくすぐる。



右には夏那華。左には迷梨、と、俺は両手に花な状態に陥っていた。



無意識なのか意識してなのか、二人は俺の腕にむぎゅうと抱きついている。



昨日の風呂の時からこんな感じなのだ。



・・・・デレ期でも到来したのか?



そういえば、昨日の風呂はヤバかった。



なんとか隙を突いて逃げ出せたものの、寝ようか、とベッドに入ると、二人とも俺より先にベッドの中に入っていた。



なんでも、『緊急回避〈テレポート〉』の魔法を使ったとか。



まぁ、そんなこんなで一緒に寝るはめになったんだが・・・・・二人はやけに絡んでくるのである。



物理的に。



ほんと、デレ期到来以外の理由が思いつかない。



悪魔相手に、すでに人外な体ではあるが、人間の俺が妙な感情を抱いていいのだろうか。



その疑問が、理性をギリギリのラインで留めておける鎖になっている。



「ほら、夏那華。起きろよ」



俺は欠伸をしながら、二人を腕から引き離すと、夏那華の肩を揺らした。



「・・・むにゅぅ〜・・・・・まだ、眠たいぃ・・・・」



目を少し開いて、モゾモゾと動く夏那華。



「早くしないと、学校、間に合わないぞ」



俺は、根気よく夏那華を揺さぶる。



「ん〜・・・・・・おはようの、ちゅーしてくれたら起きる・・・・」



・・・・・ちゅー、ですか・・・。



「・・・・ふざけんなよ」



俺はそう言って、夏那華の頭をポカッと叩く。



すると、夏那華は渋々起き上がった。



「む〜・・・ケチ」



ケチではない。悪魔と人間の壁を乗り越えないようにしてるんだよ。



「俺、朝飯作ってくるから着替えとけよ」



そう言い残して、俺は部屋を後にした。






☆☆☆☆






やっぱ、寝間着はジャージに限るよなぁ〜。



6月を過ぎた今の時期のジャージは、少し暑くも感じるが、気にしない、気にしない。



ジャージ愛用者としては、7月か8月の、暑さ絶頂期までは、寝間着はジャージで頑張りたい。



そんな俺は、ジャージのブカブカ感に頬をゆるませながら、朝食を作る。



軽いスクランブルエッグを作るつもりなのだが、ここでもジャージは役に立つ。


なんたって、汚しても気にならないし、洗えばいいんだ洗えば。



「義秋〜。何か手伝うことある〜?」



制服に着替えた夏那華が、台所に顔を覗かせる。



「いや、ないよ。トーストはもうちょいで焼き上がるし、スクランブルエッグも・・・・・・完成っと」



俺は、こぼれないようにスクランブルエッグを皿に盛ると、ジャストタイミングで焼き上がったトーストと一緒にテーブルへ運んだ。


椅子には、夏那華と、いつの間に起きたのか、迷梨が座っていた。



「いただきます」



そう言って、トーストに噛りついとき、ある事に気づいた。



「迷梨・・・・なんで制服に着替えてんの?」



夏那華だけでなく、なぜか迷梨も制服を着ていた。



しかも、夏那華と同じ制服、うちの高校の制服を。



「えへへ〜、似合う?」



いや、まぁ似合ってるっちゃ似合ってるんだが・・・・・・。



「いや、似合ってるよ?でも、なんでその制服持ってんの?そういやぁ、夏那華もおかしくないか?俺と会った次の日には転校してくるし、そん時にはちゃっかり制服着てたよな?」



俺の疑問に、二人は顔を見合わせてクスッと笑う。



「そういえば、義秋にはまだ言ってなかったね。実は、服とか必要な生活必需品とかは、あっちの悪魔の世界から支給されるんだよ」


「そうなの、一応、契約っていうのは就職と同じだから、給料代わりにだいたいの物はタダで入手できるの」



なるほど・・・・だから制服持ってたのか。



俺は、納得しながらトーストの最後の一口を咀嚼する。



「それにしても、よく入学とか許可出たな〜。悪魔なのに」



俺の言葉に、夏那華が苦笑しながら答える。



「まぁ・・・秋義の学校、木日埜高校〈きびのこうこう〉の校長先生、悪魔だしね」



ブッ!



「う、うちの校長悪魔だったのか!?」



俺は、思わず吹き出しながら夏那華に質問する。



「悪魔、だったんだよ」



夏那華の言葉に、しばし呆然となる。



まさかそんな身近に悪魔という非日常が存在していたとは・・・・・。



「人間に紛れている悪魔は少なくないの。私と夏那華みたいに契約者がいる悪魔はもちろん、いろんな悪魔がいるの」



予想外の事実に、色々と頭が痛くなってきた。



「それに、悪魔だけじゃなくて、天使もね」



夏那華がそう言うと、迷梨が表情をかたくした。



「天使・・・・・」



迷梨はそう呟くと、俯きがちに顔をふせて、スクランブルエッグを食べていた手を止めた。



「天使って言うとあれか?」



俺はそう言って、天使の印象をいくつか口にする。



「・・・・・間違ってはいないの。でも、天使はそんな神聖なものではないの。普通に欲もあれば、感情もある。それは私たち悪魔にもいえるんだけど、基本的に、悪魔と天使と人間は同じなの」



「そう。ただ、悪魔と天使には、人にない不思議な力、魔法があるだけ。人間の中にも、魔法を使える者がたまに現われるみたいだけどね」



悪魔と天使と人間が同じねぇ・・・・。



確かに、天使は知らないが悪魔である夏那華と迷梨は、見た目人間と変わらないけど。



「でもさ、なんで天使ってだけでそんな表情するんだ?」



そう。さっきから、天使という単語が出るたびに、二人とも表情が暗くなる。



「そう・・・・なの。契約者である義秋には知る権利があるの」



「そうだね。学校が始まるまでには、もう少し時間があるし、話しておこうかな・・・・・・・・・天使と悪魔の関係について」




なんか、次回シリアスになりそうな雰囲気ですね〜。                        シリアスの描写苦手なんで、駄文でも勘弁してくださいねw

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