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第10話→新しい家族、ロリ成分は足りてます。

誤字、脱字、内容についての何かがあれば気軽に指摘してくださいね。



迷梨が、契約完了と言葉を口にすると、急に周りの時間が動き出したような妙な感覚に襲われた。



夏那華の時には感じなかったその感覚に首を傾げていると、羨ましそうな視線が俺に突き刺さる。



「・・・うらやましすぎる」



「・・・・確かに」



視線の主は言うまでもないだろう。



重度のロリコンである純と旅人以外に、誰がいるというのか。



「・・・・・おい、離れろ。二人の嫉みの視線が殺気に変わりつつある」



いつのまにか俺の腰付近に腕を回していた迷梨の頭を、ポカッと軽く叩いた。



「おい、義秋。お前、本当にロリコンになっちまったんだな」



嬉しそうな、それでいて悲しそうな表情で旅人が呟く。



「いや、これはだな・・・・・・」



「・・・旅人、よく考えてみろ。義秋ばかりロリにモテるのはムカツクが、同志が増えたと思えば・・・・・」



「そう、だな。義秋、おめでとう」



「・・・・・・」



二人は、勝手に話を進めていき、いつのまにか俺もロリコン扱い。



「よぉし!純。モテない男二人で飲み明かそう!」



旅人の言葉に、純が力強く頷く。



「・・・・あぁ。義秋が同志になった記念も含めてな」



モテないだと?こいつら、喧嘩売ってんのか?



高校に入学した初日に、同じクラスの女子から、次々に告白されたイケメン二人が何を言ってるんだ。



嫌味か?ロリ悪魔二人に、ファーストとセカンドのキスを奪われた俺に対する嫌がらせなんだろうな、きっと。



「「ロリ〜それは宇宙の神秘〜♪それはまるで神々しい女神の存在〜♪」」



二人は、肩を組みながら奇妙な歌を口ずさみ歩きだした。



俺と迷梨は、痛いものを見るような目で二人を見送る。



と、歌を中断して、純がこちらを振り返った。



「・・・・義秋がロリコンになったこと、妹に伝えといてやるから」



純は、眼鏡を輝かせながらにやりと笑った。



・・・・・まじですか。



あんまり喋ったことはないけど、あのたわわな胸は密かに狙っていたのに・・・・。



俺は絶望しながら、地面に膝をつく。



「つ、つるぺたはいらな・・・・・ひぅ!?」



「だめなの。嫌いなら、好きになってもらうから」



迷梨が、俺の背中におぶさってきて頬をスリスリしてきた。



背中に当たる『もの』は、小さいながらも柔らかくて、一瞬、ツルペタもいいかなぁと思ってしまった。



・・・・・危ない、危ない。



「そ、そういえば。俺がいい匂いってどういうことなんだ?」



いい匂いの意味は、夏那華からもまだ教えてもらってなかった。



「ん〜・・・一言で言うと、魔力が体中から滲み出てるの。悪魔は、基本濃度の高い魔力を好むし・・・・・だから、いい匂いがするってわけなの」



「・・・・・・なるほどな。なぜかわからんが、俺の魔力の量が多いせいなのか」



俺の言葉に、迷梨が頷く。


魔力、ねぇ・・・・。



「その匂いって、消せないのか?」



「ん?たぶん消せると思うの。練習が必要だけど」



・・・・・・そうか・・・なら早めに習得してた方がいいかもなぁ。



また、無断契約とかされちゃ困るし。



つか、何で魔力が高いからって俺ばっかりに悪魔が契約してくるんだ?



『契約者』には、いろんな能力があるって夏那華が言ってたし、魔力とかはあんまり関係ないはずだが。



「あのさ、悪魔が契約者を選ぶ基準って何なの?」



俺の質問に、迷梨が何かを考えるように目を瞑る。



「・・・・・・・やっぱり、悪魔によって違うんじゃないの?そりゃあ、魔力が高い人の方がいいかもだけど、魔力が高い=強い能力を持ってる、なんて公式は存在しないはずなの」



やっぱりか・・・・。



「じゃあ、なんで俺と契約したんだ?そもそも、契約って誰とでも出来たりするのか?」



なんか、夏那華より色々知ってそうだしせっかく契約したんだ。



気になることを聞いてみよう。



「・・・よ、義秋と契約した理由は秘密なの」



顔を赤くしながら、べーっと舌を出す迷梨。



なんなのそれ、めっちゃ気になるんですけど。



しかもなんか可愛いし。



あれか?こいつらは、悪魔の住む世界からロリ属性でも布教に来たのか?



夏那華といい、迷梨といい・・・・俺をまともな趣味でいさせてくれ。



「ま、まぁ・・・言いたくないなら無理に聞かないけどさ。他の質問には答えてくれるとありがたいんだが」



迷梨は、コホンと1回咳き込むと軽く頷いた。



「そ、そうだね。とりあえず、契約は誰とでも出来るかについてだったよね」



「うん、そうだな」



「・・・えっと、契約は基本誰とでも出来るの。ちなみに、人間の方には拒否権はないの」



・・・・・ですよねぇ〜。


拒否権なんてあったら、即刻拒否してるし。



「あと、人間によっては、一人の悪魔としか契約できないの。・・・・むしろ複数と契約出来る義秋みたいなのは希少価値があるんだよ?」



希少価値と言われてもなぁ・・・・嬉しくない。



「ん、じゃあさ、悪魔との契約破棄って出来ないのか?」



「出来ないの。基本的には」



・・・・はぁ。



なんか、クーリングオフ出来ない通販みたいで欝になる。



とりあえず聞きたいことは一通り聞けたので、俺はゆっくりと歩き出した。



「??どこに行くの?」



「ん?決まってんだろ?・・・・帰るんだよ、さぁ、行こうぜ」



そう行って歩幅を広めた俺の後ろを、迷梨がトテトテとついてくる。



不幸を告げる占いから2日目にして、家に居候、もとい悪魔が2人も増えた。



家計的には少し辛くなるが、家に女の子と同居できるのだ。



俺でなくとも、自然ににやけてしまうだろう。



にやにや顔の俺に不審な視線を向けてくる迷梨とともに、我が家への帰路についた。




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