一撃で9999ダメージしか与えられない男
──ズブシャァァァ!!!!
スライムに9999のダメージ!!
──ボギャァァァァ!!!!
ゴーレムに9999のダメージ!!
──ブヂュゥゥゥゥ!!!!
バハムートに9999のダメージ!!
…………勇者はその血に塗れた手を見つめ、深く嘆き悲しんだ。
「ウソだろ?……俺のレベル高過ぎ!?」
ステータス画面に表示された攻撃力は既にカンストを超え文字化けを起こしており、デコピン一つで小石が一瞬で粉砕出来るほどに勇者は成長していた。
「あ、勇者! おはよう♪」
「!!」
幼馴染みのベラドンナが笑顔で勇者に手を振りながら駆け寄る。
──ガッ
「おわわわ……!!」
ベラドンナが躓き前のめりで倒れ込む!!
「危ない!!」
勇者は咄嗟にベラドンナの体を支えた!!
──ボギィィィィ!!!!
「ギャアーーーー!!!!」
ベラドンナに9999のダメージ!!
「べ、ベラドンナ―――!?」
勇者は身体中の骨が折れ、息絶えたベラドンナに狼狽えた。軽く支えたつもりがベラドンナを謝って殺害してしまったのだ!!
「ひ、人殺しー!!」
偶然現場を見ていた近所のオバサン。顔を手で押さえ慌てて逃げ出した!
「ま、待ってくれオバサン!!」
勇者は慌ててオバサンを追い、肩を掴んだ!
──グチャァァァァ!!!!
「ギョエェェェェ!!!!」
オバサンに9999のダメージ!!
肩がグチャグチャになり、オバサンは颯爽とこの世を去った。
「…………クソッ!!!!」
勇者は何も考えられなくなり思わず駆け出した!!
「勇者よ何処へ行く?」
「……仙人様!!」
行く手を遮るように身形の貧しそうな仙人が一人、勇者の目の前に現れた。
「私は……もう人間ではありませぬ!!」
──バンバン!!
勇者は泣き崩れ地面を殴りつけた。その衝撃で地面は抉れ仙人は地割れに巻き込まれた!
──ガラガラガラガラ!!!!
仙人に9999のダメージ!!
「せ、仙人様!?」
「うむ、大丈夫じゃ。ワシのHPは15000あるでのぅ」
「そ、そうですか……良かった」
勇者は倒れた仙人へ手を差し伸べた。しかし、仙人が勇者の手を掴んだ瞬間―――
──ボギボギボキィ!!!!
「ウギャアアアア!!!!」
仙人に9999のダメージ!!
「せ、仙人様ーーーー!!!!」
息絶えた仙人の亡骸を抱え、勇者は一人隠居を決めた…………。
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