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27ヒロイン~1~ メリベル視点

 私が十歳の頃、公爵令嬢フェリシエルと第一王子リュカ殿下婚約の知らせが飛び込んできた。

それを聞いた瞬間、前世の記憶が戻った。私の前世はパッとしないもので、むしろ不幸だといえる。そう、あいつのせいで辛酸をなめた。

 

 そしてここは、前世でやり込んでいた乙女ゲーム世界。私はヒロイン。この世に神はいるのだと直感した。庶子として育てられた私は、正妻が亡くなったことを機に正式にベネット伯爵家の娘となる。シナリオ通りの人生を歩み始めた。




 十四歳のデビュタントで殿下に出会う。イベント通りダンスを踊った。リュカ殿下、第二王子のエルウィン、モーリス、ジーク攻略対象すべてと。後は逆ハーエンドでランダムに現れる隠しキャラが楽しみだった。


 その後、王妃に目をかけてもらい、王宮は出入り自由となり、順調に攻略対象との距離を縮めパラメータを上げていった。


 しかし、不思議なことに殿下の攻略が進まない。感触は悪くないのに彼とは全く距離が縮まらないのだ。


 そして、ここ最近、ジークの様子がおかしい。

 彼に関して攻略は、順調に進んでいたはずだ。去年までは。今は、なぜか悪役令嬢を目で追っている。いったいどこがいいのだろう。あんな可愛げのない女。


 ジークの様子が変わったのはフェリシエルが陛下から褒美をもらったあたりからだろうか。いや違う殿下についてファンネル家の領地に行ってからだ。あの頃ジークはフェリシエルをほめそやしていた。それまでは私に夢中だったのに。


 去年の誕生日に高価な髪飾りをくれた。それが、最近は王宮内ですれ違っても気づかないことがあるくらいだ。しかも修練場にあの女を誘っている。下級騎士たちを手足のように使いフェリシエルの情報を集め、まるでストーカーのような行いをしている。


 あんな可愛げのない女どこがいいのだろう。リュカ殿下にも呆れるくらいはっきりと物をいうし、態度も大きい。まさにあの女は悪役令嬢そのものだ。


 そういえば、最近、茶会の時、私に嫉妬してこないし張り合ってこない。殿下に興味を失くしたの? そんなシナリオないはずだ。あいつは殿下を思いつづけて、みじめに断罪される。



 王宮内でジークと二人でいるのをよく見かけるようになった。ジークがあの女に夢中なのが分かる。腹が立ったので、王妃に言いつけた。すると彼女は私に言いふらすように指示を出す。言われるまでもなく、とっくに言いふらしている。殿下にもそれとなく耳打ちをした。


 フェリシエルは殿下とのお茶会の時にしか会えないが、私は王妃に便宜を図ってもらってフェリシエルよりずっとたくさん彼に会っている。


 そしてフェリシエルは相変わらず殿下にずけずけとものを言う。幸い殿下は温厚なかただから、笑って流されているが、そのうちフェリシエルに嫌気がさす。ゲームではとっくにそうなっているはずなのだが。


なぜだろう?


 殿下から、私に何のアプローチもない。もしかしたらゲームより優柔不断なのかもしれない。それとも彼の誠実さが行動を鈍らせているのだろうか。


 

 時々あの女、転生者ではないのかと疑うが、性格はまさに悪役令嬢テンプレ。それに、もし転生者ならバッドエンドを避けるため、全力で攻略対象に媚びるはずだ。いくら何でもあの態度はない。特に殿下に対して。



 このゲームの一番良いところはヒロインが一人勝ち出来る事だ。悪役令嬢の言動は前世で気に入らなかったあいつによく似ている。だから、フェリシエルが断罪される姿を見るのが爽快で、前世で何度も繰り返した。


 断罪まであと少しだ。もう、あいつにはバッドエンドしか残っていないのだ。幽閉エンドなどという生ぬるいもので済ませない。私は、殿下の横に立ち、震えながら見物したいのだ。処刑されるあの女の姿を。








 最近殿下がフェリシエルを気に入っているように見える。気のせいだろうか? 確かにあの女は一時期より大人しくなったが、相変わらずきついし、可愛げない。背筋をぴんと伸ばし、いつもツンと澄ましている。


やっぱ、あの女、目障り、はっきり言って邪魔。





ヒロイン視点はときたま挟む感じです。

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