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第3指令 指揮官と入隊

前回のタイトルを

モンスター選び→モンスターガチャ

更に本文中の

【指揮】→【指示】

あらすじと同じ表現にする為に

地雷×地雷→不遇×地雷

に変更しました。


始まりの町、ワーチに全てのプレイヤーは飛ばされてくる。その後β勢や一部の人間は仲間や友人と合流を果たしてそれぞれの冒険へ羽ばたいていく。

その為スタート地点である噴水前には結構な数のプイレヤーが存在している。そのほぼ全てが1体の人型、もしくはカーバンクルのような獣型をそばに連れている。その全てがサモナーであるのは容易に想像がつく。しかも明らかにこの場に慣れてそうな人間は俺の方を見て驚くか、同情的な視線を向けている。


こっちもそんな反応をされると流石に居心地が悪くなるのでさっさとギルドへ向かう。


ギルドは冒険、商業、従魔、召魔の4つに分けられる。従魔がテイマー、召魔がサモナー用になる。俺が今から行くのは冒険ギルドの方だ。ワーチの冒険ギルドはそこそこ小綺麗で煩い喧騒などは耳に入ってこない。


「ようこそ冒険ギルドへ、今回はどんなご要望でしょうか」

「冒険者登録がしたくてな。異来人なんだが大丈夫か?」

「はい、大丈夫ですよ。それではここに名前とジョブを記入してください」


ファンタジーでよく出てくる羊皮紙みたいな紙に言われた内容を書いていく。最期の欄でサモナーかテイマーか聞かれたので迷わずテイマーと答えておいた。


「それではハイルさん。冒険者登録の最終段階としてこの冒険者プレートに血をお願いします」

「血だな。適当に切ればいいと思うが生憎こっちに来て直ぐにここに来たもんで刃物は手元になくてな。何か用意していただけると有難いんだが」

「ではこちらを、契約用にお貸ししているナイフです」


受付嬢からナイフを手渡されたがレベル上げと念の為に【鑑定】使う。



__________________________



NAME:ただのナイフ

RARE:N

ABILITY:


__________________________




何の問題もなさそうだ。じっとナイフを見ていたことに受付嬢は怪しんでいたが声を掛けることはしなかった。

【鑑定】で安全なのは分かったのでナイフの切っ先で親指の腹をちょこっと裂く。そしてその血を冒険者プレートに垂らして終わる。


「これで冒険者登録は終了です。ハイルさんはテイマーですので従魔ギルドにはこの後行ってください。そこで従魔登録をします。しないと従魔が討伐の対象になってしまいますのでご注意ください。そして最後になりますが従魔ギルドでの手続きを終えた後、この街にある軍の駐屯所にすぐに向かってください。詳しい話はここでは話せませんので駐屯所の方でお願いします」


冒険者登録を済ませた俺は受付嬢に言われた通り、従魔ギルドで従魔登録を済ませ、従魔の証である従魔タグをもらってそれぞれに付ける。アサシンスライムは付けにくかったが従魔タグ自体を体に埋め込み、タグだけ外に出すという器用なことをやっていた。


そして最後にやってきたのがワーチにある軍の駐屯所。ここで軍の登録を済ませて漸く俺は『軍人』のジョブの恩恵を受けられるようになる。


始まりの町ワーチはそこそこ辺境ということもあって軍の駐屯所の設備はかなりシンプルだった。建物的には駐屯所本体と宿舎しかないのではなかろうか。


軍の駐屯所の入り口に行くと筋骨隆々なザ・軍人みたいな人とスレンダーな秘書官的な人がいた。ザ・軍人な人は俺を見つけると手を振ってくる。


「来てくれたか。異来人は時たまパッタリと居なくなることが多いからすぐこっちに来てくれるか心配だったが杞憂だったようだ。」

「何が"杞憂だったようだ"ですかジードラさん。冒険者ギルドから軍人志望の異来人が来たって知らせ受けた後からソワソワして仕事に手が付いてなかったじゃないですか」

「ちょっ、お前それを言うな。そんな事より自己紹介だ自己紹介。

俺はジードラ・ベルケルン。アルミティア王国軍ワーチ駐屯所所長だ。階級は少尉だ」


あ、誤魔化したなこの人。


「はぁ......挨拶が終わったら滞った仕事終わらせてくださいよ。彼の面倒は私が見るので。

私はシグラ。アルミティア王国軍ワーチ駐屯所副所長です。階級は軍曹ですね。名字が名乗れるのは貴族か士官以上の階級を持った軍人だけですので私はまだ無いです」


2人が自己紹介してくれたので俺も名乗ることにする。これから上司になる相手なので勿論敬語だ。


「私の名前はハイル。テイマーでジョブは軍人。そしてこいつらが私のテイムモンスター。スライムのシノブ、ウルフのガル、アーマガーディアンのイージスです」


いつも一人称が俺だから結構話しづらいなこれ。世のビジネスマンはこれを常に維持できるのか。


「はっはっは、そう硬くなるな。そこそこは崩して貰っても構わない」

「えぇ、無理に硬くなられても困りますしね」

「それでは......これでいいですか?」


慣れてない雑な敬語から、ですます調に変える。これで喋るのが結構楽になった。


「入隊は連絡を受けた時点で書類作成は終わっています。ですので最後のサインだけパパッとやっておいてください」

「それが終わればアルミティア王国軍の軍服を渡してちょっとした説明で終わりだ」


シグラさんに渡された紙に名前を書き、血判を押して入隊が完了する。


「それでは試着室に案内するのでついてきてください。ジードラさんは大人しく仕事してくださいね」

「はぁ......分かったよ。大人しく仕事片付けてくるよ」


ジードラさんはシグラさんの冷たい視線を受けてそそくさと自分の仕事部屋に戻っていったようだ。

シグラさんに連れられて入ったのは何十着もの軍服が並ぶ部屋だった。


「サイズ的にはこれが合うと思います。着替え終わったらここで説明を行うので急ぎすぎなくてもいいですよ」


そうは言われたものの人の視線が有ると急かされているようですぐに着替えを終わらせる。


「もう着替え終わりましたか。もう少しゆっくり着替えてくれた方が私的にはご褒美、もとい休憩できてよかったのですが」


シグラさん今確実に肉食獣の目をしてたよ。ゆっくりやってたら完全に捕食ルートだったよ。


「あぁ、別に襲うつもりはないので大丈夫ですよ」


安心できねー!

怯えた様子の俺を安心させるつもりでかどうかは分からんけど言葉のチョイス確実に間違えてるって。


「そ、そうですか......」

「えぇ、そうです。では着替え終わったところで簡単なルールを説明しておきます。


第1に王国軍の立ち位置です。有事の際は兵士として戦うのは勿論のこと。平時でもモンスターが多過ぎれば狩ったり、街の備蓄が少なくなれば採取したり、街にくる商隊の護衛もしてもらう事があります。要は便利屋ですね。


次に従軍クエストについて。これは王国軍本部とワーチ領主、冒険ギルド、商業ギルドから出される多めの人員を確保したい依頼が従軍クエストとして出されます。これは基本的に私が兵士達の適正やレベル帯を見て割り振っているのでいきなり辛い依頼になると言うことはありません。


最後に階級ですが異来人は我々よりも昇進が早いです。理由としては異来人という戦力を一箇所に押しとどめる意味がないという事だそうですが実際は軍隊として運用しようにもふらっといなくなられるので邪魔という事でしょう。言ってしまえば昇進にかこつけた左遷と一緒です。

そして装備の自由着用は下士官クラス。階級で言えば伍長からです。ですので頑張って階級を上げてくださいねハイル二等兵」


非常にイイ笑顔で階級付きで名前を呼ばれたのだが嫌な予感しかしない。


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