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ぼっち姫、妹のご奉仕。



 あっ、やっべぇ!!


 つい加減を忘れて思い切りぶっ叩いてしまった。


 地面は抉れ、全身見えなくなるくらいに埋まっている。


 ヤバいヤバいこれ死んだかもしれない!!


 その時俺は本気で焦った。


 けど、そんな心配は無用だったらしい。


 慌てて地面を掘り返してみると、そこにショコラの姿はなく、なにやら丸太みたいなのが埋まってただけだった。


「……なんだこれ」


「……忍法変わり身の術」


 ショコラの声に慌てて振り向くと、そこにはどうしていいか分からず困惑する皆と、その皆に口元に指を当て「しーっ」と黙らせているショコラの姿があった。


「……無事で良かったんだけどさ、今の何?」


「だから忍法変わり身の……」


「いやいや、それが何なのか聞いてんだよ。そもそも忍法ってなんだ?」


「言ったでしょ? 忍術が使えるって」


 忍法なのか忍術なのかはっきりしろよ。


「忍術は沢山ある忍法の総称」


 まるで心を読んだかのようにショコラがボソっと答える。


 ……俺はなんだかこの妹が末恐ろしく感じて仕方がない。



 その後、皆がテントで寝静まり、俺が見張りをしていた時の事だ。


「続き」


「うおぉぉぉぁぁぁぁっ!?」


 突然耳元で声がしたのでめちゃくちゃびっくりして飛びのいた。


「そんなに驚く事、ない」


「お、お前いつからそこにいた!?」


 見張りってのは何か魔物とかが襲ってきても平気なように見張っている訳で、俺だってある程度神経は尖らせていた。


 なのにこの女ときたら全く気配なんか感じなかったぞ?


「それも忍術。忍法抜き足差し足」


 ……それは忍法なのか? よくわからんがこの妹がよからぬ技を沢山持っているのは分かった。


「……それで、続き」


「つっ、続きってお前、まだやる気か!? 今度はお前の好きなようには……」


「……? おにいちゃん、何言ってるの? 話の続きしにきた」


「……あ、はい」


 どうもこいつと居ると調子が狂う。

 昔はおにいちゃんおにいちゃん言って後ろをいつもついて歩いてくるような可愛らしい妹だったのだが……。

 いや、可愛いのは今だって変わらないし血の繋がった兄妹なのだから大切なのだけれど、俺の知らない人生経験がこいつを恐ろしい何かにしてしまったのだ。


「そういやさっきはいかがわしい店でいかがわしい技を覚えた所までしか聞いてなかったな。それからどうしてそうなった?」


 まさかいかがわしい店でその淫術……じゃなかった。忍術とやらを覚えた訳じゃないだろうしなぁ。


「うん。そこで働いてる時にね、師匠がお客さんできたの」


「師匠?」


「すっごく綺麗で、すっごくないすばでーの忍者の人」


 にんじゃ? 


「まて、そもそも全然聞いた事ない術ばっかりだったけどお前どこの国に行ってたんだ?」


「最初は普通に家の近所だったよ? でも買い手のお店の人が東からきた人だったの」


 東って……



「王都の東か? ライデンか!? 確かライデンは歓楽街が有名だったよな?」


 そういう俺も男の頃にはお世話になった事がある。

 リュミアは「ゆ、勇者がそんな所に行く訳には……」とか言いながらめっちゃ気になってる感じで、ジービルは「心に決めた人、居る。そういうの、しない」とか言ってたな。

 俺は恋人も特にいなかったしまだ若かったから遊びまくってたけど。


 あの時のアシュリーのゴミを見るような目を思い出してちょっと切なくなった。


「うん。お店で働いてる時はライデンだったけど、その後師匠に連れ出されて海を越えたもっと向こうに行ったの」


 ちょっと待てよ。俺達も東の果てって言われてる海の向こうの大陸には行った事あるが、滅んだロンシャンしか知らないぞ?


「お前ロンシャンに居たのか?」


「ロンシャン違う。もっともっと東の方にあるニポポンってところ」


 にぽぽん?


 ショコラが言うには、お店で働いている時にそのにぽぽんとかいう国から自分の力で船旅に出たニンジャマスターカオルコとかいう怪しい人物に気に入られて、またさらわれたらしい。


 こいつも苦労してるなぁ。


「でも師匠すっごく綺麗な人だったから私はほいほいついていった」


 その言葉の使い方あってるのか?


「それからは毎日師匠に忍術教えてもらったり柔術教えてもらったりご奉仕したり毒の作り方教えてもらったりしてたよ」


「うーん、一個変なのが混じってたね?」





お読み下さり有難うございます☆

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