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ぼっち姫、瓦礫の下で大奮闘。


 とにかく、俺今一番優先すべき事はなんだ!?


 ナーリアが浴槽でぶっ倒れて、家が倒壊して……。

 ショコラは俺から離れてくれなかったのでやむを得ず抱きつかれたままナーリアに覆いかぶさって瓦礫から守った。


 他の連中は大丈夫だろうか?


 デュクシは確率操作を咄嗟に使えていれば無事だろう。

 ライゴスは気合入れれば自力で跳ね除けられるはずだ。


 問題はめりにゃんだが……。


「し、死ぬかと思ったのじゃーっ!!」


「びっくりしたっす……みんな無事っすか!?」


「危なかったのである! 危なかったのである!!」


 ……声を聞く限り大丈夫そうだな。

 だから、心配すべきは俺とショコラだ。


 何故なら、俺もショコラもまだ素っ裸なのだ。

 この状況で奴等に発見されるわけにはいかない。


「う……うぅん……はっ、こ、これは一体どういう状況なんですか!?」


「しーっ!! ナーリア騒ぐな! 説明してやるから静かにしろ!」


 俺まで大声出すわけにはいかないので囁くように抑えた声でナーリアを黙らせる。


「はっ、はい……。分かりました……あの、それで……その、この美少女は一体……」


 今俺達はナーリアの上にショコラ、その上に俺という状態になっているのでナーリアの目の前にショコラの頭がある。


 ナーリアにとってはとんだハッピーアクシデントだろう。


 ……が、ふと疑問に思う事が。いや、大体なんて返事が返ってくるかは分かっているのだけれど。


「ナーリア、お前後頭部しか見てねぇのに……」

「美少女は匂いで分かります」


 ……でしょうね。そんな事だろうとは思ったけれどまさか質問が終わる前に返事が来るとは思わなかったよ。


「……」


 ショコラは俺に抱き着く腕にさらに力を入れてナーリアを無視した。


「こらショコラ。自己紹介しなさい」


「……お兄ちゃん……わかった。私ショコラ。お兄ちゃんの妹」


「えっ? えっ?? それ、どういう……?」


「とりあえずナーリアにはあとでちゃんと説明してやるから今は俺達のピンチをどうにかしなきゃいけないんだって」


 周りがだんだん騒がしくなってきた。

 家が突然倒壊したのだから野次馬が集まってくるのは当然だろう。


 でも、やっぱりこんな状態で見つけられちゃったらショコラも私もみんなの前に裸を晒す事になっちゃうよ。


「ナーリア、動けるか? 俺達の服を取ってきてほしいんだが……」


「えっ、服……?? ふぉあっ!? ふ、二人とも……は、はだ……!!」


 その言葉を最後にナーリアは再び意識を失った。


 役に立たねぇ!!


 密着しすぎてて俺達が裸な事に気付かなかった、というか忘れてたんだろうなぁ……。


 しかし困ったぞ。ナーリアが使いものにならないなら……。


「ショコラ、頼む。多分あのあたりに俺達の服がある筈だから拾ってきてくれないか?」


 ショコラなら小柄だしなんとかなるかもしれない。


「ん……なんかね、このなーりあ? って人が私の腰のとこがっつり掴んでて動けない」


 こんの馬鹿! 気絶してまで人に迷惑かけるんじゃありません!!


 んもう、どうしようかなぁ……。


 こういう状況にはメディファスとか本気で役立たずだし……。


『……悲しい』


「何よ覗き? さいってー」


『……我はもう少しで泣くという感情に目覚めるかもしれません』


「分かったから何もできないなら引っ込んでて!」


「姫ちゃーん? 無事っすかー??」


「セスティ! セスティー?」


「セスティ殿は大丈夫であろうが……ナーリア殿が心配である」


 ガラガラとその辺の瓦礫を捲る音が聞こえてきた。

 このままじゃここが見つかっちゃうのも時間の問題だよ……さすがに私だってこんな状態をあいつらに見られるのは恥ずかしい。


 めりにゃんだけならまだいいけど後の奴等はダメ。絶対。


「……きゅー……」


 途方に暮れている私の目の前に、久しぶりに見るふわふわ毛玉がぴょこぴょこ現れた。


 そういえばマリスは脱衣所においてきたままだったんだよね。


「そうだ、マリス! さっき居た所から私達の服もってこれないかな??」


「ぷきゅー? きゅっきゅっ!」


 瓦礫の隙間を毛玉マリスがぴょんぴょんと跳ねて行った。


 少しすると、マリスが重たそうに服を口にくわえて引きずって来たんだけど……。


 やっぱり重かったみたいで、持ってきたのはショコラの服だけ。


 仕方ないのでなんとかナーリアからショコラを引きはがして、俺は周りに気付かれないように瓦礫を背中で持ち上げる。

 ちょっとでも隙間を作らないと服が着れないもんね。

 リスクはあるけどこれはしょうがない。


 あとは早く私の服を……。


「あっ、さっきそこ動いたっすよ!」

「今瓦礫をどけるのである!!」


「やっ、だめぇぇぇぇっ!!」




「あっ、姫ちゃん無事だったんすね!」

「セスティ、さっきの少女は誰じゃ? って、それじゃその女じゃっ!」

「ナーリア殿も居るみたいなので全員無事であるな」


 ……ふぅ。危なかった……。


「あれ、そういえばその真っ赤な服……マリスっすか?」


「えっ? うん……はははっ……」


 ギリギリでマリスにまた服になってもらったのでいろいろ見られる事はなかったけど、出来れば早く自分の服を回収したい。


 そっちに着替えないと落ち着かないよ。



 だって、今下着も付けてないんだからっ!


 馬鹿男とぬいぐるみおばけなんかの視線が気になっちゃうあたり私も結構危険な状態なのかもしれない。




お風呂回の最終回です(笑)

勢いでいろいろやってしまいましたが後悔はしていません。

開き直りも大事ですよね。

新キャラも加わりこれから更にドタバタ冒険は続きます。

今後ともよろしくお願いします♪


よろしければ感想や評価などよろしくお願いします☆

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