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ぼっち姫、お風呂でまったり♪


 謎の女とマリスの事が頭にひっかかりながらも、悩んで解決する類の事ではないので大人しく皆と合流する事にした。


 合流後、どうしようかという話になったのだが……、宿屋を借りようにも、いくつか回ってみたがどこも満室。

 一室だけ開いているという宿もあったが俺達の人数と男女一緒になる事を考えると無しだ。


 テロア達もすぐに王都へ引き返すらしく、そちらに厄介になる訳にもいかないのでやむを得ず無人となったジャックスの家に泊まる事にした。


 まぁ誰が怒る訳でもないし、ジャックスの家の客人なのだからこれは当然の権利なのだが、なんというかあの野郎が住んでた家だと思うと居心地は悪い。


 めりにゃんに案内してもらって通信機の場所まで行き、プルットに連絡を入れた。


「おぉセスティさんじゃ~ありませ~んか。それで~例の件はぁ~どうなりました~?」


「とりあえずリュミアの情報ありがとな。んで……ちょっと言いにくいんだけどさ、奴隷商人っていうかその組織自体はぶっ潰したよ」


「おお、さぁ~すがですね~。でも、言いにくいというのは~?」


 プルットは相変わらず間延びした喋りをしていて、音声だけだといまいち感情が読み取れない。


「あのな、お前が紹介してくれたジャックスだけど、偽物だった。随分前に魔物に食われて入れ替わられてたみたいだ。……それと、今回騎士団が動いて関係者全員しょっぴいちまったよ。約束守れなかった」


 プルットは一瞬言葉に詰まっていたが、すぐに「そんな事はぁ~気にしないでくださぁ~い」と言う。気を使わせてしまっただろうか?


「そういう事なら王都の方に連絡を入れて後で何人か重要人物を引き渡してもらうようにしますからぁ~」


 今さらっと凄い事言ったなこいつ。

 王都の内部にまで協力者が居るという事なのか、王都の内部との正式なパイプがあるという事なのか……。


 よく考えたら流通の全てを管理しているともなれば王都も邪険にするわけにはいかないのだろう。


 プルットって、もしかしてすげぇ奴だったのかな……。


「そうか。それならいいんだ。とにかくジャックスの事は残念だったが、クレバーは壊滅した。もうあんたの縄張りを荒らす事もないだろうさ」


「ありがとうございまぁ~す。貴方に頼んでよかったのでぇ~す。また何かあればいつでも言って下さいね~? 協力させぇてもら~いますからねぇ~」


 適当な挨拶を二言三言交わして通信を切る。



 しかし疲れたよ。

 もうそのままベッドに倒れこんで寝てしまいたいくらいだ。


 でも、体も汚れてるし頭も洗いたいしまずは風呂だ。

 キャメリーンの奴ここの風呂使ってたのかなぁ……ぬるぬるしてたら嫌だなぁ。


「おいお前ら、先に風呂入っていいか?」


 みんなに了承を得て一番風呂の権利を手に入れる。


 めりにゃんは「儂が一番なのじゃ!」とか騒いでたけど「じゃあ一緒に入る?」って言ったら顔を真っ赤にして逃げた。


 相変わらず可愛すぎる。



 風呂場へ向かうと、しょぼい家の割にちゃんと脱衣所が別に存在している。


 意外といい作りしてるじゃないか。

 狭い脱衣所だが、無い所に比べたら余程いい。

 なにせ他の部屋と隔離されてないと誰が覗きに来るか分からないからだ。


 デュクシはわざわざ覗きに来るタイプとは思えないが、どちらかというとナーリアが心配なのだナーリアが。


「……ふぅ……」


 深いため息を吐きながら服を脱いでいく。

 あらわになるのは相変わらずの女の体。

 男の時の自分が見たら色々と刺激的な絵面だが、もう見慣れてしまったし、何よりこれが今は自分の体なのだから仕方ない。


 風呂場のドアを開けると、シャワーだけだと思っていたのに小さいながら浴槽までついている。


 これは事前にお湯を溜めるべきだった。

 お湯につかってのんびりしたい。


 とりあえずシャワーを頭から浴びて、頭と体を洗う。

 自分の体とは言え念入りに洗うとなるといろいろ触らないわけにもいかず、流石に何かしら思う所はあるのだが、出来る限り無心で洗い終え、軽く浴槽の中をシャワーで流してその中に入り込む。


 入ってみれば思いのほか余裕があるな。

 それだけ今の体が小柄だという事だろう。


 浴槽の栓をして、シャワーを浴びながらお湯を溜める。


 水をお湯にしているのは、各家庭には必須の魔法道具。

 運用に意外とお金がかかるために余程の場合以外使わずに水を浴びるだけの家庭も多いらしい。


 現に俺の実家はそうだった。

 思い出したくもない糞みたいな両親。

 そして、もうよく顔も思いだせない妹。


 親についてはなんとも思わないが、妹については一緒に連れ出してやるべきだったんじゃないかと今でも少し後悔する事がある。


 あんな親の元でまともに育つ事が出来ただろうか?


「ふぅ……気持ちいい♪」


 浴槽をちゃんと洗った訳じゃないから衛生面がちょっと心配だけど、意外と綺麗に手入れされているようなのでキャメリーンは意外と潔癖だったのかも。


 それで? 私は落ち着いてお風呂にも入っていられないのかなぁ。


「そんな所に突っ立って何してんの?」


 誰かが風呂場のドアの外に立ってる。

 曇りガラスの向こうに人影がぼんやり見えているんだから間違いない。


 身長的にめりにゃんかな?


 あんなに嫌がってたのに……やっぱり一緒に入りたかったのかも。


「そんな所に突っ立ってないで入ったら?」


 私は温まって気分も良くなっていたのでそんな言葉を投げかけたんだけど……


「……じゃあ、そうする」


 返ってきた声の主は予想外の人物だった。






珍しくお色気回です。

次はあの方が登場してひどい事に。

お風呂回はしばし続きます。


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