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ぼっち姫、リボンと竜と謎の女。


 突然、知らない女の声が頭の上から響いた。


「うわぁっ! なんだなんだ」


『なんだじゃないわよ! アンタがチンタラしてるからやったらと時間がかかっちゃったじゃない!』


 えー? 俺のせいなの? そもそも何が?


「ごめん。ちょっと何言ってるかわからない」


「姫、いったいこれは……」


『そこの女は黙ってて! 説明してる暇ないから空気読んでシャーラップ!』


「なっ、なんですかこの失礼な人は!? ……あれ、人……でいいんでしょうか? そもそもどこから……?」


『だから説明してる暇ないんだって言ってるじゃん馬鹿なの? 私がそう言ってるんだからだまらっしゃい! おーけーあんだすたん?』


 わからん。

 なんだこの妙なテンションの声は……。


 あまり考えたくないが、どうやらマリスが喋ってるらしい。


「お前、マリスなのか?」


『えっ? 違うけど?』


 違った。


「じゃあいったい……」


『だーかーらー! 今はそっちの質問タイムじゃないのよ。分からないの? これだから愚民は困るのよ愚民はっ!』


 ……なんか、マリスが突然横暴女子になったみたいで嫌だなぁ……。


『って、こんな話してる場合じゃないんだってば! 私はね、ってあぁもう! アンタらが余計な事ベラベラくっちゃべってるから時間なくなっちゃったじゃない! どうしてくれんのよ!! とにかく! アーティファクトを集めなさい! いいわね!?』


「いや、集めろって言われたってアーティファクトなんてそうあるもんじゃねぇだろうよ」


『それをなんとかするのがアンタの仕事なのよ! どうしても見つからないならアーティファクトの残滓が残ってるもんでいいから! 今この子が食べたみたいなやつ!』


 あぁ、首輪の事言ってるのか?

 要するに、やはりアーティファクトに関する物をマリスに食わせろって事か。


「それで、そうするとどうなる?」


『どうなるもこうなるも無いわよ! とにかく今は説明する時間ないからっ! アンタらのせいだからね!! その辺ちゃんと理解して愚民らしくへいこら働きなさい!! いいわね!? 分かったらちゃんとハイって言わなきゃダメなんだからね! おいこらちゃんとわか……んの? なん……か……なさい……よ……』


 女の声はだんだんと小さくなっていき、やがて消えた。


「……」

「……」

「……」


 俺とナーリアとテロアは互いに、どうしていいか分からず顔を見合わせる。


「おいテロア、お前確かローゼリア姫に会った事あるって言ってたよな? まさかとは思うが……」


「えっ? ここでローゼリアの姫が出てくる理由が分かりませんが……少なくとも私が知っている姫はあんなのじゃないですよ。もっとおしとやかというか、クールというか、知的美女な感じです。そう、セスティ様とも全然ちがってもっと賢そうな……」


「おい、殴られてぇのかてめぇ」


「ちっ、違います誤解ですすいません! とにかく、今のがローゼリアの姫という事はないのでは……?」


 愚民だとかなんとか言ってたからまさかとは思ったが……さすがに考えすぎか。


 だとしたらアレは一体なんだ?


 何者かがマリスの体を媒介して音声をここに飛ばしてきた……?


 多分違うだろう。


「姫、もしかして……」


「あぁ、アレかもしれねぇな」


 確かマリスと初めて出会った日。

 ナーリアのスキャンでマリスを見た時の事を思い出す。


「「人間、およびエンシェントドラゴン」」


 俺とナーリアの声がシンクロした。


 ……嘘だろ?


 万が一アレが、スキャンで調べた時にでた【人間】なんだとしたら、マリスが本当に【エンシェントドラゴン】って事になっちまうぞ?






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