表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
終章:悪夢の終わり。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

589/637

大賢者は変なのを吸い寄せがち。


「やれやれ……とうとうあたしもこんな所まで来ちまったか……」


「どないしたん? そんなしみじみ遠い目しとる場合ちゃうで?」


「いやあ……ちょっと前まではさ、魔物と人間が仲良くなるなんてのも考えられない状態だったのに今じゃ神様倒す為にこんな空に浮かぶ島に来てる……なんだか改めて考えると笑えてきちまってさ」


「あー、それはうちもなんとなくわかる気するわ。それも全部セスっちが魔王になってからやなぁ」


 ……まったく、サクラコもロピアも呑気なものだ。


 比較的まともなメンバーになったと安心していたが、よくよく考えたら結局のところあの王国にまともな奴なんてほとんどいないんだった。


「なんだっけ? 神術塔? ありゃ分かりやすくていいけどよ。あの塔をぶっ壊したらあたし達の仕事は終わりでいいのか?」


 サクラコが分かりやすいと言った通り、私達が島の一つに転移して来た時真っ先に視界に入ってきた。


 この島は思って居た以上に小さい。

 島は草に覆われているものの大きな木は一本も見当たらず、島の中心に例の塔が空へ伸びている。


 とはいえ、ここは既に空の上だったな……。


「二人とも、戦闘になったら相手はアーティファクトを所持しているだろうからくれぐれも気を付けてくれよ」


「あー、あたしはアーティファクトとかいうのを持ってる奴と戦うの初めてだから何を気を付けりゃいいのか分からないんだが」


「うちも同じやね。一応セスっちじゃなくて以前の、怖い時のメアが魔王だった頃を知っとるんでアーティファクトの怖さってのは分っとるつもりやで」


 最後の最期にアルプトラウムが出してくる魔族、そしてそいつがアーティファクトを持ってる……。

 それをこのメンバーで倒せるだろうか?

 正直言うとかなり不安だ。


 サクラコは人間としてはかなり強いだろう。

 ロピアも魔物としてはかなり強いだろう。


 でも魔族は一筋縄ではいかない連中で、しかもアーティファクト持ち。


 こりゃほんとにいろいろ我慢してショコラでも連れてくるべきだったかな……。


 あいつはどうしようも無い奴だが強さだけは本物だからな。あれで人間だって言うんだからどうかしてる。


 そんな事を考えながら歩く事数分、私達は塔の麓までやって来た。


 不思議な程何も無く誰も居ない島。


「……何かおかしいな」


 サクラコが呟き、辺りをキョロキョロと見渡す。


 確かにおかしい。

 この神術塔とやらを守っている魔族ってのが見当たらない。


 普通塔を守るなら塔の前に居ないか?


 ここに居ないとなると、塔の頂上に居るパターンだろうか?

 そうなってくるといろいろ話が変わってくる。



「サクラコ、ロピア、少し離れててくれ」


 私の言葉に首を傾げながら二人が少し後ろへ下がる。


「よし、とりあえず試してみるか」


 私の魔法の中でもかなり火力のある物を使おうと、杖で地面に魔法陣を描く。


 火力特化するのならこれもあった方が確実だ。


 私を中心に描いた魔法陣が発光し、地面から複雑な模様にそって光が立ち上る。


 私が描いたのは魔法のブースト魔法陣。

 しかも魔力自体を増幅するのと同時に、この立ち上った光が銃身の役割をしてくれる。


 今回は特に、ほぼ真上に放つ事になるので役割を十二分に発揮してくれるだろう。


 本来戦闘中にこんな手間のかかる作業をやってる場合じゃないが、今回みたいな時にはとても役に立つ。


 というわけで、私は塔の天辺目掛けて風と炎属性を練り上げ一気に解き放つ。


「エアバレット!!」


 解き放たれた魔力が銃身を通り加速され、増幅されて魔力の弾丸として放たれる。


 ドバンッ!!


 以外にもあっさりと塔の最上部が消し飛んだ。



「……あれ、てっきり結界でも張ってあって弾かれると思ったんだが……」


「ぎょわわぁぁぁぁぁぁぁーっ!!」


 何かが大声をあげて私の真上に落下してきたので慌てて後ろに飛びのく。


 ドゴンッ! というけたたましい音をあげてそれは地面に突き刺さった。


「ぎゃーす!!」


 ……どうやら魔族、らしい。

 なんだかテカテカしたフォルムの機械染みた身体。

 頭は地面に突き刺さっていて視認できないが、もしかしたら何かしらの兵装を身に纏っているのかもしれない。


「お、おい……なんだこいつ」

「変なのが降ってきよったで」


 そいつはピンと両足を真上にした状態で棒のように突き刺さっていたが、四つん這いになって勢いよく地面から頭を引き抜く。


 身体にとてもフィットした鎧、というか仮面のような物を被っている感じの外見だ。


「い、いきなり塔を破壊する奴があるかぁぁぁっ!! びっくりしただろうが!!」


「おい怒ってるぞあいつ」

「登って来るのを楽しみにしてたんちゃうの?」


 ……まぁた変な奴が出たよ……。

 でもさっきの魔法で無傷、って所がとても気味が悪い。


「ほんとだよっ! 普通塔があったら登るよね!? 外から吹っ飛ばすとか馬鹿じゃないの!?」


「いや、その……すまん」


「すまんじゃないよ! 謝って済むならこの世は天下泰平無様なイエスマンだよ!」


 まずい、何を言ってるかわからん……。

 こいつメリーと同じタイプのヤバいやつかもしれん。


 そこで嫌な予感が頭をよぎる。


 ……こいつ、まさか人型のアーティファクトじゃないだろうな……?


とても吸引力が変わらないただ一人の大賢者なのでした。

問題は、ヤバい奴が弱いとは限らないわけで。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓☆クリックで作品へ☆↓
sample
「転生はもう結構です!」
作者最新作!異世界転生TSファンタジー☆彡

小説家になろう 勝手にランキング
ワンクリックお願いします♪
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ