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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第四章:戦火の海へ。

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魔王様VS巨大魔導兵装。


 俺はメアにかけてやる言葉がみつからない。

 こいつは前から自分の罪に対してずっと葛藤していた。


 多くの人間を殺したと。

 俺はそのほとんどがローゼリアの事だと思っていた。


 しかし、今こうして過去の罪が形を持ってメアに襲い掛かってきたのだ。


 俺が何を言っても空虚だろう。慰めにもなりはしない。


 きっとロンシャンの件は今までずっと気にかけていたのだろう。

 だからこそリンシャオとは懇意にしてたんだろうし、再建に対しても協力するつもりだった筈だ。


 ただ、ロンシャン第二皇女なんていう立場のあの女はあの日から今日の今日までずっとディレクシアを攻め落とす事を考えていた。


 あの日、ロンシャンが滅びてなければとっくにユーフォリア大陸は火の海だ、と言っていたのはおそらく本心からなのだろう。


 リンシャオも、当時魔王だったメアがあの日の惨劇に関わっている事をある程度理解している筈だ。

 それでも何も言わなかったのは、それ自体を恨んでいる訳ではないのかもしれない。


 あいつの言葉、弱者は滅ぶ。……つまり、弱肉強食の理論があいつの中には根付いているのかもしれない。


 まるで獣だ。


 破壊音は際限なく酷くなっていく。このままあいつを放置するわけにはいかない……。


「メア、悪いが……俺はリンシャオ……いや、リンロンを止めるぞ。お前は無理しなくていい。そこで休んでろ」


「……あ、」


 背後でメアが何か言おうと俺に手を伸ばしていたのは気付いていたが、俺はそれ以上何も言わずその場を後にした。


 自分で気持ちにけじめをつけなきゃ戦えない。中途半端な気持ちで戦場に出てこられたら邪魔なだけだ。


 ……何をすべきか、この先どうしていくのか、メアなら自分で決められると信じてる。


 だから、俺は俺のやるべき事をしよう。


 教会を出て再び飛び上がると、既にリンロンは城を目指して移動を開始していた。


「アシュリー! リンロンが城を狙ってる! もうちょっと粘れるか!?」


 通信機を取り出しアシュリーへ繋ぐと、かなり息を切らした声が聞こえてくる。


『はぁ……はぁ……全く、どうなってんのよ……あのデカいのはなんなの……?』


「リンロンが操ってるんだ。あいつは本気でこの国を潰すつもりだぞ!」


『それが、分ってるなら……あんたがなんとかしなさい……よっ!』


「ああ、すまん。そっちの事は頼む。それはそうと他の連中はどうした? そっちに合流してるのか?」


『そんな訳ないでしょっ! あっちじゃまだ魔導兵装が進軍中なのよ!? 十分くらい前に入った報告じゃもうすぐ全機活動停止に出来るって言ってたわ……正直かなり疲弊してるみたい』


 やっぱりあの時、リンロンは装置を停止してはくれなかったみたいだ。


 ……待て、そもそもあの巨大兵装はどこから来た?


「アシュリー! 一つ教えてくれ。あの巨大な魔導兵装はどこから現れた!?」


『知らないわよそんなのっ!! 空から降ってきたの!』


 決まりだ。

 これはあの飛空艇に乗せて運搬していた?


 もしくは……あの柱。


 リンロンが言っていた。脱出の方法は心当たりがあると。

 あの柱その物がこいつだとしたら。


「分かった! あとはこっちで何とかする!」


「頼んだわよ! 出来るだけ……早く、なんとかして頂戴!」


 ブツっと通信が切れる。アシュリーの奴結構きつそうだったな。

 あの巨大な砲撃は俺が壊したからマシにはなっただろうが、いつ何をしてくるか分からない以上障壁を切る事は出来ない。



 あの強度の障壁を張り続けているだけでも消耗は激しいだろう。

 でもアシュリーはいつまででももたせてみせると言った。


 ならば俺はそれを信じるし、信じるからといって無茶をさせる気はない。


 出来る限り早く終わらせないとな。


 せめてここにめりにゃんでもいてくれたらかなり楽になるんだが……。

 俺よりも頭の回転が速いし、あの魔導兵装の攻略法も思いつくかもしれない。


 現状俺が攻撃しても物理はピンポイントで弾かれ魔法は受け流される。

 まるで俺みたいなタイプの敵を想定して作り上げたかのような兵器だ。


 だったら……。


「こういうのはどうだよっ!!」


 俺は小細工抜きで魔導兵装の前に停止し、殴るでも蹴るでも、ましてや魔法攻撃をするでもなくただ受け止めた。


 勿論俺の目の前に障壁が現れる。

 相変わらず俺の居る場所にだけ何枚も重ねて張り巡らせたピンポイントバリアだ。


 俺はそれに両手を当て、そのまま力比べに入った。


「鬼神セスティ……やはり頭がおかしい」


「人を狂人呼ばわりかよ! 狂ってんのはどっちだこのやろう!」


「私が言っているのはこいつを力で止めようとする思考がどうかしてると言ってるんだ。……そして腹立たしい事にこちらも動けなくなってしまっている。つくづくその力は規格外だな」


 こいつは最初から俺達を警戒していた。だからこそ俺やメアを昏倒させて時間を稼いだのだろう。


「褒めてもらえて嬉しいけどな、このままじゃお互い平行線だろう? でもこっちは時間が経てば仲間が駆け付けてくれるぜ? お前には助けてくれる奴がいるかよ?」


「ふふ……助けなど……必要ない!」


 バシュゥゥン!! という音を立てて魔導兵装の背中から黒く丸い物体が沢山宙を舞った。



「こちらが動けないなら別の物を動かせばいい!」


 その黒い球体一つ一つが飛び回り、俺の周りに集まってきて一斉に光線を放つ。


「ぐっ、くそがっ!!」


 かなりの威力の光線をそれぞれが放ってくるので動かずに力比べなんてしていられなかった。


 こりゃ強敵だぞ……。

 頼むから誰か早く来てくれ……!


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