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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第四章:戦火の海へ。

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魔王様の心配事。


 俺達は二人でイチャコラしてるゲコ美とゲッコウをオオヤシロに残し、万事屋に帰る事にした。


 念の為にゲッコウには転移用のアイテムを渡し、万が一の時は王国まで飛べるようにしておく。


 相変わらず俺の転移は座標の設定がズレがちで、数百メートルほど離れた場所に出てしまい、ぞろぞろ歩いて万事屋を目指す。


「ふぅ、いろいろ大変だったからこのあと一日くらいはゆっくり観光して帰りたいもんだな」


「ならおにぃちゃんをいろいろ案内してあげるね」


 ショコラはそう言いながら俺の腕に自らの腕を絡ませてくる。

 一瞬ビクっとしてしまったが、よく考えたら兄に甘えてくる妹ってのは可愛いもんじゃないか。


「よしよし。じゃあよろしく頼むぜ」


「……うん、いろいろ……いいところあるから」


「おい魔王さんよ、忠告しとくがショコラがニポポンで案内するって言ったら基本的に人気の無い場所とか時間いくらで貸してくれる綺麗なお屋敷とかだからな」


「時間で貸してくれる屋敷? なんだそりゃ」


「師匠、余計な事言わないで……」


「へいへい。じゃあ明日はゆっくり楽しんでこい。あたしゃ何も言わないから好きにしな」



 ……なんだこのやり取り。違和感しかないんだが……。


 金を払って屋敷を借りる……?

 宿みたいなもんか? わからん。


 そんな話をしながら万事屋の前まで来た時、チャコが俺にこっそり教えてくれた。


「そ、その……妹さんが言ってるんは、多分……ごにょごにょ……」


 あ、ショコラの奴俺をそういう所に連れ込んで……!


「おいショコラ!? お前なぁ……」


「おにぃちゃん……なんか変だ。中が騒がしいよ」


「あぁ? 今はそんな事よりだな……」


 明日の予定についてショコラを問い詰めようとしたら、中から悲鳴に近い叫び声が聞こえてきた。


「なんですって!? なんでそんな事になっちゃったの!? どう考えたっておかしいでしょう!?」


 この声は……。


 万事屋の中へ入ると、大声でわめきながら取り乱すメアと、事情が分からず困惑するヒールニント、及びメイド多数。


「なんだなんだ? お前らニポポンに来てたのか」


「ちょっともう少し詳しく教えなさい! 何がどうなってそんな事が起きるのよ!? 何かの間違いじゃないの!?」


 メアは俺達に気付きはしたものの、それどころじゃないみたいだった。


「おいヒールニント、これは……どうしたんだ?」


 メアが誰かと通信してるみたいだが……。


「えっと……私達は、魔王様達と合流しようと思ってここで待ってたんですけど……今さっき王国の方から通信が入ったと思ったらメアさんこんな感じでして……」


「あぁもうっ! 分からないじゃないでしょ!? 絶対何かの間違いよ! そんな馬鹿な事あるわけないじゃない!!」


 こんなに大騒ぎするメアってのも珍しいな。どうした? ロザリア関連だろうか?


「どうして今更ロンシャンが王都に攻め込むの!? そんなのおかしいじゃない!!」


 ……なんだと?


「おいメア! そりゃどういう事だ!? いったい何が起きてる!?」


 メアに詰め寄ると、通信機の向こうの声が俺にも聞こえてきた。


『セスティ!? セスティが居るの? 全然連絡付かなくて困ってたのよアンタどこに居たの!? ……ってそれはいいわ。今ロンシャン帝国が王都に進軍中なの!』


 ……なんだって?

 ロンシャンが……王都に攻め込んでる?

 通信機の向こうにいるのはアシュリーだ。


 ロンシャンは確かに以前ユーフォリア大陸に攻め込もうとしていた。

 しかし進軍が始まる前にエンジャードラゴンの群れに襲われて帝国が滅びた為、その野望は潰えている筈だ。


 それに当時の皇族はリンシャオしか残っていない筈だ。

 第二皇女、リン・リンロン……確か本名はそんなんだったか。


「おい、アシュリー……それは本当なんだな? 現状の報告を俺にも頼む」


『分かったわ。メアもよく聞いてちょうだい。ディレクシア王から救援要請があったから何事か調べてみたのよ。そしたら謎の軍勢が海から大陸に乗り込んで来た』


 海から……?


『おそらく海中を移動できる船よ! そしてその軍勢は……なんて表現したらいいのかしら。妙な兵装を着こんでて、騎士団も苦戦してる』


「って事はもう騎士団と交戦してるのか!?」


『ええ。ディレクシアに到達するにはもうちょっとかかるみたいだけど、生半可な攻撃は弾かれちゃうみたいなのよ』


「そんなのアシュリーが行けば一発で吹き飛ばせるんじゃないか?」


『それができりゃ世話無いんだって。そいつら途中でライデンを通ってきてて、人質を大量に連れながら進軍してきてるっぽいのよね。人質がどういう状態なのかはまだ確認中よ』


 メアがキレてたのはそれか……!

 うちの母親が人質になってる可能性がある。


 あの母親が掴まってるんだとしたら相手はかなり面倒な相手だな……。


『情報がきっちり出るまではまとめてちゅどーんって訳にはいかないの。分かった? とにかく詳しい状況も話さなきゃいけないし一度王国……いや、王都に集合してちょうだい! 私達もすぐに行くから!』



「そうだな……俺達もすぐに行く」


 通信を切ると、メアが不安そうな声で話しかけてきた。


「ねぇ……リンシャオさんじゃないわよね……? キャンディママ、大丈夫よね??」


 こいつ……。


「うちのおふくろを心配してくれてありがとな……いや、違うか。あの人はメアの母親でもあるんだもんな。きっと大丈夫さ。リンシャオは……分からないが、恐らく誰か首謀者が他にいるんじゃないか?」


「そう、ね。そうよね! こんな事リンシャオさんがするわけないもの。誰だか知らないけど懲らしめなきゃ! そうと決まれば王都へ行くわよ!!」


 ……本当に、違うといいんだけどな。

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