表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第四章:戦火の海へ。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

482/637

魔王の嫁冒険隊。


「なぁなぁめりっち、ここには結局何があるん?」


「そのめりっちってのを辞めたら教えてやらんでもないのじゃ」


 いつの間にか呼び方がめりにゃんからめりっちに変わっておるではないか……。


 一応儂だってセスティと二人で一人の魔王なんじゃぞ?

 そうじゃなくたって魔王の嫁なんじゃぞ?


 なのにどうしてこう威厳という物が失われてしもうたんじゃろうか……。


 民と距離の近い支配者というのもまぁ悪い物ではないんじゃろうけれどもなぁ。


「ロピア、ヒルダ様に失礼なのである」


「儂をちゃんと敬ってくれるのはライオン丸くらいじゃよ……」


「我はいつでもいつまでもヒルダ様の味方なのである!」


「おおよしよし」


 頭の上に乗っかってるぬいぐるみライオン丸をぺしぺしと叩く。


「ヒルダ様! 我を子供かぬいぐるみだと思ってるのではあるまいか!?」


「違ったかのう?」


「ぷーくすくす!」


「ロピアめ! ヒルダ様はともかくお主は笑うでない!」


 やかましいのう……。


「まぁいい。ここに何があるか、じゃったのう? 正直儂はそんな事知らん。それを調べに来ておるんじゃよ」


 そもそも何があるか分かっておったらわざわざこんな所まで来ておらんわ。


「でもどうせ危険はないやろ? 魔族がこんな所におるとは思えんし……」


「まぁそれもそうじゃがな。むしろこんな王国の近くに居を構えておったならばそれはそれで大した神経じゃが……」


 儂らは王国の近くに発見された遺跡……というか洞窟に調査に来ていた。


 儂とロピアとライオン丸、そしてナーリアの四人で洞窟内を散策しているのじゃが……。


「のうナーリア、どうした? ずっと黙っておるが……」


「いえ、なんと言いますか……ここに入ってから妙な胸騒ぎが消えないんです」


「おいおい……不穏な事を言い出すでない。まるでこの奥に危険が潜んでいるような言い方ではないか」


「そういう訳では無いのですが……気にしないで下さい。なんとなく、そわそわしてしまって……ただの気のせいです」


 わしも気のせいだとは思うが……しかしナーリアがこんな事を言い出すのは珍しいので一応注意していた方がいいやもしれんな。


 警戒してしすぎるという事はないじゃろう。


「うわーっ、なんや!? 随分広い所に出てしもうたで!?」


 ロピアが何やら前方で騒いでいるので小走りで追いつくと、確かにこれは唸ってしまうのも分かる。


 とんでもない広さの空間が広がっていた。

 わしらはそんなに地下へ潜っていたか?

 どうもおかしい……。


「めりにゃん、何かあったんですか?」


「おいナーリア! こっちに来るな!!」


「えっ、どうしました??」


 ちっ、一歩遅かったか……。


 ナーリアがこの広い空間に入ってきた瞬間に、今までの通路が消え失せた。


「あれっ、えっ!? やっぱりここ何かおかしいです!!」


 言われんでも分っておるわい……。

 ナーリアだけでも向こう側に残せたらと思ったんじゃが間に合わんかったか……。


「めりにゃん、ごめんなさい」

「お主は悪くない。むしろ警戒を促してくれていたのに……儂が不用意じゃった」


「むむ……しかしここはなんなのであるか?? 何かがあるようにも見えないのであるが……」


 儂に頭を下げるナーリアを慰めていると頭の上のライオン丸が不思議そうに口を開く。


「すっごいでー! こんな所にこんな広い場所があったなんて驚きやなーっ!! めりっち見てや見てや! って、あれ……? 道無くなっとるやんけ!!」


 こやつだけはこんな時でも能天気じゃのう……。

 昔からこんな奴じゃったか?

 以前はあまり話した事は無かったかもしれんな。

 こうやって幹部たちとの距離が近くなったのもセスティのおかげであろうが……。


 こうも緊張感がなくなってしまうのはどうなんじゃろうなぁ。


 しかしこのままではまずい。早く帰り路の確保だけでもしておかんと……。

 転移魔法で帰れるようならそれでいいのじゃが、先ほどからこの空間に妙な力を感じる。

 おそらく転移では出られんじゃろうな。


 いざとなれば一応試してみてもいいかもしれんが、この状況で無理にそれをする事自体が危険かもしれんので最終手段じゃ。


「皆、これが幻覚という事もありえるじゃろう? 一応壁周辺を調べてみるのじゃ」


「わかりました!」

「了解や!」

「おうなのである!」


 ライオン丸は儂の頭の上なんじゃから自分で調べようもないじゃろうに……。


 こやつ最近自分がぬいぐるみである事に慣れ過ぎている。

 儂の頭の上に居る事に慣れてきておるな……いっそこのままマスコットとして生きてもらうのも悪くあるまい。

 その際は王国に人間が観光にくるような世の中になった時、動くマスコット人形として案内役を押し付けてやるわ。


 ふふふ……それは面白そうじゃ。


「ヒルダ様? 笑ってるのであるか?」


「ああ、お主が涙目でこき使われる様を想像したら自然と笑みがこぼれたわ」


「い、今のは聞かなかった事にしたいのである……」


 頭の上が少し震えるのを感じた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓☆クリックで作品へ☆↓
sample
「転生はもう結構です!」
作者最新作!異世界転生TSファンタジー☆彡

小説家になろう 勝手にランキング
ワンクリックお願いします♪
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ