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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第四章:戦火の海へ。

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魔王様とヤマタノオロチ。


 ここで戦うのかよ……しかし、図体がデカいだけあっちの方が動きにくい筈だ。


「おいゲッコウ! ぼーっとしてねぇでチャコを連れて下がってろ! サクラコもだ!」


「へ、へい!」


「おいおいあたしは戦うぞ!?」


 サクラコはかなりやる気になってるけど、普通の人間に戦わせるにはちょっと相手が悪すぎる。


「チャコをこいつと戦わせるのはダメだ。頼む、こいつを守ってやってくれ」


 きっと乱戦になる。この空間をフルに使って飛び回り、立ち回る事になるだろう。

 だったらサクラコやゲッコウ達にはチャコを守りつつ臨機応変に回避に専念してもらうのが一番安心できる。


「お前らが防御、回避に専念してくれれば俺とショコラが攻めに専念できる。頼む!」


「ちっ、しょうがねぇな! これは貸し一つだからな!」


 サクラコに貸しとか怖いなぁ。

 とりあえず、今はそれどころじゃない。無事に乗り切らなければ。


「ショコラ、行けるか? 本気でやるぞ」


「……本気出していいの?」


「いい。俺が許すからアレを使え」


「……りょーかいっ」


 ショコラが懐から三つの至宝を取り出し、神器礼装を発動させ光り輝く巫女装束に身を包んだ。


『なんだそれは……!? 面白い、混ざり物よ、お前だけではなく、周りにはそれだけ面白い人材が居るというのか?』


「ほんとに困ったもんでな。俺の周りにはおっそろしい奴等ばっかりなんだよ!」


 まずは俺が全力で目の前の胴体に飛び掛かり一発思い切りぶん殴る。


 ごがしゃぁぁぁん!! とまるで金属でも殴ったかのような音が響くが、その外壁はヒビの一つも入らない。


「かってぇなぁおい!」


『ふふ……それが貴様の全力か? 今度はこちらから行くぞ』


 頭上の頭の一つがこちらに向かって大きく口を開け、紫色の液体を吐いた。


 それが空中で気化し、毒のブレスとなって空間を包み込んでいく。


 これは、まずい!

 俺は毒に免疫があるしショコラもこれ系は大丈夫だろうが、ゲッコウやサクラコ達はそうはいかない。


 慌ててそちらの対策を考えようとしたが、すぐにその必要が無い事を知る。


「こっちは大丈夫だべ! 戦いに専念してくんろ!!」


 チャコがゲッコウとサクラコを光の球体に包み込み、障壁で毒から守っていた。


 やるじゃないか! チャコはサポート特化型の性能なのかもしれない。


 とにかく、この隙を逃す訳にはいかない!


 俺はそのまま胴体から首へと駆け上がり、首の上を走って先ほど毒を吐いた頭の上まで到着すると、その頭を思い切りぶん殴った。


 頭を消し飛ばしてやるくらいのつもりでぶん殴ったのだが……。

 

『ぬおぉ……!? やりおる……!!』


 マジか。手加減抜きで思い切りぶん殴ったつもりだったんだが……。


 俺が殴った頭がついてる首は確かに地面にかっとんで行って床にめり込んだ。

 けど、それだけだった。


 毒をけほっけほっと吐き出しながら、何事も無かったかのように首をもたげる。


『言うだけの事は有る……! これは楽しくなってきおったわ!』


 俺はエンジャードラゴンすら殴り殺してきたんだぞ? 全力でぶん殴ってこの程度で済まされてしまうなんて事初体験かもしれない。


 メアには魔法で防がれたりしていたけれど、直撃すればもう少しは手ごたえを感じる事ができた。


 でもこいつは……ただ何かおそろしく硬くて重い物を殴り飛ばした感触だった。


『おやおや、どうした? 表情に焦りが浮かんでおるぞ?』


「うっせー。久しぶりに本気を出せそうで歓喜に震えてんのさ」


『ふむ……奇遇だな、我もだ』


 そう言ってヤマタノオロチは全ての頭で歯をガチガチ鳴らしながら笑った。


 こいつの身体の形からして手足で攻撃される事はおそらく考えなくてもいいだろうが、この強度の頭が八本あるというのは強敵八人同時に相手するのと同じだ。


 正直ちょっとまずいかもしれん。


「チャコ! お前のその障壁はどのくらいの強度がある?」


「あだす防御は苦手だべ! 毒をなんとか防ぐのが関の山だべよ!」


 こりゃまずいな……。高威力魔法をここでぶっ放す訳にはいかないって事か……。


『ふむ……もしやその者達のせいで全力が出せないのか?』


「心配してくれなくてもいいさ。あいつらも仲間だからな。一緒に来ただけの意味がちゃんとあるんだよ」


『そうか。邪魔ならばあの者達だけでも地上へ送ろうかと思ったがその必要もなさそうだな』


 え、そんな優しい事してくれるつもりだったのかよ……だったらそうしてもらえばよかったかな……。


「おにぃちゃん。私と一緒にヤろう?」


「うわぁっ! 急に音もなく背後に現れるな心臓に悪いんだお前は……!」


「……ひどい」


「悪かったって。でもここにショコラが居てくれたのはありがたい。頼むぜ?」


「おっけ」


 平然と了解してみせる妹に驚くばかりだが、こういう時にこんなに頼りになる相手もなかなかいない。


 勿論めりにゃんが居てくれれば精神的には安心できるし、メアでもいりゃ戦力的には申し分ないんだが、ショコラには何かしでかしてくれそうな謎の安心感がある。


 ついでに言えばごくあたりまえの不安も付きまとうわけだけどな……。


「でもこいつが女だったらもう少しヤる気になれたのにな」


 うるせぇよ。


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