表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第四章:戦火の海へ。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

466/637

魔王様と遺跡の謎。


「ところで、なんでゲッコウはその遺跡ってのに行ってたんだ? 気になる事があるって言ってたが……」


「いやね、あっしらが以前当時の姫さんと姐さんとで行った時の事を思い出してたんですがね……」


 最初にゲッコウ達が行った時には特に気にして無かったらしいが、当時魔物がかなり溢れてその遺跡に群がっていたらしい。


「あの時なんで魔物達が集まってたのかがちょっと気になってたんでさぁ」


「そりゃアレだろ? 中に有ったっていう妙な玉っころに引き寄せられてたんじゃねぇのか?」


 玉っころ……? その時の状況は俺には分からないが、もしかしたらアーティファクトが安置された遺跡だったのか……?


 だとしたら何故ニポポンに?

 古都の民はこちらまでは来ていないんじゃなかったのか?

 初代ディレクシア王もこちらの大陸までは来なかったみたいだし、確かに違和感はある。



「で、結局その謎は解けたのか?」


「それが……あっしには分からなかったんでおずおずととんぼ返りして来たって訳でさぁ」


「なんだよ蛙使えねぇなぁ」


 サクラコの言いたい事も分かるけど……。


「まぁ責めてやるなよ。ちなみにその遺跡に有ったのはどんな物だったんだ? お前らが見つけて手に入れてるんだろう?」


「それが……」

「うん、まぁ……なぁ?」


 どうにもサクラコとゲッコウの歯切れが悪い。お互い目を合わせて気まずそうにしてる。


「実はあたしらそれ見て無いんだわ」


「どういう事だよ」


「あの時、プリンが何か見つけたって騒いで、あたしが駆け寄る前に……その……」


 サクラコはチラチラと俺の方を見てくる。

 視線は……俺じゃなくて、服……?


「あっ、そういう事か! もしかしてこの服がそこに有った物を食っちまったんじゃないか?」


「そう! よく分かったな。確かにあの時プリン……メアはそう言ってたよ」


 サクラコは未だにメアの事をプリンと呼ぶことがあるが、最初に会ったメアが今の俺の外見だったんだから仕方ないだろうな。


 慣れてもらうしかない。見た目なんて髪の色くらいしか違わないし、問題なのは呼び方だけだ。


 ……と、今はそんな事よりも。


「今ので確信したよ。その時メアが遺跡で見つけたのはアーティファクトだな。ガーディアンとか居たんじゃないか?」


「確かにでっかいのが居やしたぜ。なかなかやっかいな奴でしたな」


「あー、そんな奴居たな。めんどっくせーのが」


 やっぱり……こっちにガーディアンが居たって事はメアが見つけてマリスが食っちまったのがアーティファクトで間違いないだろう。


 そうなってくるとますます違和感があるな……。なんでニポポンにアーティファクトがあったんだ?


 そして、食われちまった以上確認のしようがないがそれはなんのアーティファクトだったんだろうか。


 わざわざガーディアンを配置して守っていたアーティファクトとなると意図的にここに隠されていた物、と考えるのが妥当だろう。


 だとしたらそれは誰が何のために……?

 何か重要な物だったんじゃないか? もったいねぇなぁ……マリスも基本的には俺、その時はメアの魔力を食ってたわけだから無理に食わせる必要は無かっただろうし、今はマリスの中にロザリアも居ないんだからそれは尚更だ。


 しかし今はもう無い物についてあれこれ考えても仕方ない。

 とりあえず他の荒神の力を使えるかどうかを探してみるべきだろう。


「さて、蛙とも合流した事だし今日は一晩休んで明日の朝カミヤシロ捜索の続きでもするか?」


 サクラコの提案に乗る形で今日は休む事になった。

 そして、その晩エッドの町に住む女性陣がわらわらと万事屋に集まってくるのだった。


「まさかショコラの言ってた事が本当になるとはな……」


「本当だったら初日の夜に来てもおかしくなかった。多分団子屋の女が意図的に師匠が帰って来たのを黙ってたんだと思う」


 なんでそんな事を……と聞こうとして辞めた。


 そう言えば思い当たる節があったからだ。ショコラがメイド達の相手をしている頃、夜も更けて俺はサクラコに部屋を宛がわれそこで寝ていたのだが、どこかの部屋が妙に騒がしかった。

 今思えばアレはサクラコの部屋だったのではないか?

 団子屋の娘がサクラコに一人で会いに来ていたのでは……?


 本当にサクラコといいショコラといいろくなもんじゃねぇな。


 俺も自分の身を守らないと。

 サクラコはともかくショコラは気をつけないとほんとにまずい。

 出来る限り二人だけになるような事がないようにしよう。


 蛙はまだ遺跡の事が気になっているようだったが、翌朝は俺達と一緒に行くというので今度はニポポン探索隊フルメンバーでカミヤシロをめぐる事になる。


 ……のだが、ニポポン大陸を縦断して片っ端からカミヤシロを調べて行ったものの、ほぼ成果は無かった。


 エッドから南へ下るように、サクラコが知っている場所を一つ一つ調べていった。


 そして、その都度チャコの顔色が暗くなっていく。


 彼女にとっては当時の仲間がもうこの世にはいないという再確認をして回っているような物だからな。


「もしかして……あだすが最後の一人なんだべか……」


「万が一、お前が最後の一人だったとしても……もう一人じゃないだろ」


「だーりん……あだす、だーりんに会えて幸せだべ」


 苦労はする事になるだろうから素直に喜べないな。

 純粋な好意っていうのは、ちょっと後ろめたくなってくる。


 せめて、もう一人くらい見つけてやれたらいいんだけどな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓☆クリックで作品へ☆↓
sample
「転生はもう結構です!」
作者最新作!異世界転生TSファンタジー☆彡

小説家になろう 勝手にランキング
ワンクリックお願いします♪
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ