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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第四章:戦火の海へ。

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魔王様の無料支給。


「あだす達はこのニポポンで、ここに住まうようになった人間達とうまく共存していける道を探していったんだべ」


 チャコが言うには、ニポポンへ移り住んでからは星降りの民は襲って来なくなったらしい。

 使徒も追ってくるような事は無かった。


 おそらくその頃アルプトラウムが神界で他の神々を殺したのだろう。

 使徒ってのが初代ディレクシア王だとしたら……人間側に寝返っているか、古都の民のスパイだったんだろうし人間の国をユーフォリア大陸に作る事が最優先だったってところか。



「でも、あだす達が全員暮らしていくにはこのニポポンは狭すぎたんだべ。ロンシャンへ行った奴もいたけんどもその後は知らん。あだす達は少ない居場所を手に入れる為争う事が多くなって、自然に数が減っていったんよ」



「それに巻き込まれたら人間なんかあっと言う間に死んじまうだろうな」


「そうだべ。そうして、あだす達の数が減って行き、居場所も定着してきたころ人間があだす達の事を神と呼び始めたんだべ」


 それが荒神の始まりって事か。そこからは出来る限り協力関係を築いて、人間は供物を、荒神は必要に応じてその力を行使する。


 そして信仰を集め土地神として祀られて行く事になったのだそうだ。


「でも……あだす達は魔素を体に取り込まなければ生きていけない体なんだべ」


 魔素か。確かにこの国には魔素が極端に少ない。


「人間の魔力を吸って生き延びようとしてもこの国に魔力を持つ人間は少なかったんだべさ」


「それで皆死んで行った……?」


「そういう事だべ。あだすは偶然、人間が用意してくれたこの隠れ家に魔力のある石があったから今まで生きてこれたけんども……それももう長くはもたないべ。最後に人間と話が出来て楽しかったべさ」


「おいおい。なに勝手に終わりにしようとしてんだ」


 俺はちょっと腹が立っていた。こいつは生きる為にもう少し必死になったっていいだろう?

 ここに魔力のある石があったからずっと籠っていた?


 その石をもって他所へ探索に行けばよかったじゃないか。


「お前がやってるのは緩慢な自殺だ。自ら死にゆく行為を俺は見過ごせないな」


「で、でも……あだすは別に……今まで生きてこれたんだって偶然だし特にしたい事もないべさ……長生きしてると欲ってもんが無くなってくるんだべ」


「じゃあこれからその命は俺の為に使え」


「……!!」


「おい、あいついつもこうなのか?」

「おにぃちゃんは女ったらしだから」


 うるせぇぞお前ら……。


「俺がもっと楽しい世界を見せてやるしお前が生きていて良かったって思わせてやる。だから一緒に来い」


「……きゅん」


 なんだそのきゅんって。返事だとしたらどっちとして受け取ればいいんだ?


「で、でも……あだす、魔力が無いと生きていけないべさ」


「魔力なら食わせてやる。俺のを持っていけばいい」


 俺は胸に抱えたチャコに魔力を流し込む。


「ふぇっ!? こ、これは……どういう事だべ!? とても人間の魔力とは……あぁ……! 力が湧いてくるべさ!!」


「どうだ? 俺とくればこのくらいいつでも食わせてやるぞ? 今すぐ選べよ。俺と一緒に来るか……それとも」


「行くべ行くべ! あだすだーりんに一生この身を捧げるべさ!!」


「だ、だーりん??」


「おい、あたし達は何を見せられてるんだ……?」


「おにぃちゃんが新しい女をたらしこむ所だよ」


 なんか違う! 思ってたのと違うぞ。そうじゃない、そうじゃないんだ。


「ちょっと待て、そういう事じゃなくてだな、俺はお前に外の世界を見せてやるし生きててよかったって思わせてやるから、その代わりに力を貸してくれと……」


「勿論だべさ! あだすの力ならいくらでも貸してやるべ♪ だから幸せにしてくんろ♪」



 ……えぇ??

 幸せにしてくれと言われても……。


「だ、ダメだべか……?」


「おい魔王さんよ、荒神の協力が得られるって瀬戸際だぜ? 分ってるよな?」


 サクラコが俺を脅してくるんだが。


「チャコ、変化の術使えるでしょ? おにぃちゃんはド変態だから可愛い女の子になれば一生幸せにしてくれるよ」


「ショコラてめぇ兄を売りやがったな!?」


「売ってない。むしろ広く無料支給」


「なお悪いわっ!!」


 この展開はまずい。百歩譲ってチャコの面倒を見るのはいい。小さいしもふもふだし可愛い。

 魔力の供給も俺が言い出した事なんだから構わん。


 幸せにしてくれっていうのも考え方によってはこう、ペット的な? 家族の一員としてみたいな意味で考えればありかもしれない!


 だけど、だけどショコラ、お前が余計な事を言ったせいでだな……。


「むむっ、分かったべ♪ そういう事ならまかせときんしゃい☆彡」


 ぼふん!!


 俺の腕の中から飛び出したチャコが一瞬にして煙に包まれ、その中から現れたのは……。


「ふつつかものですがよろしくおねげぇしますだ♪ だーりん☆彡」


 まるい獣耳と、もっふりしたしっぽを携えた美少女がそこに居た。


 何故少し幼めの外見にしたのかと問い詰めてやりたいところだが、ショコラが見ているのでぐっと堪えた。

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