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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第四章:戦火の海へ。

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魔王様は温泉にて死を覚悟する。


「……ふぅ……あーたまんねーなおい」


 ニポポンへは明日出発する事にして、今夜はゆっくりと休む為温泉でのんびりしている。


 あー広い湯は最高だぜ……。


 奥の方に打たせ湯みたいになってる部分があり、俺はそこの下に入って肩に落下するお湯を受けるのが好きだった。


 熱めのお湯が肩にドドドっと落ちてくる感じがマッサージ効果あって気持ちいい。


 しかし、この時ばかりはこんな所にいた自分を呪った。


 耳元で勢いよくお湯が肩に落ちているのだから周りの音などがまったく分からなかったのだ。


 この温泉は中央に大きな岩があり、それを取り囲むようにドーナツ状に湯舟が広がっているのだが、打たせ湯から離れてその岩にもたれかかっていた時の事。


「それ以上近付いたらどうなっても知らない」


「そんなつれない事言わないで下さいよショコラ~」

「ナーリア様そんな人に近付かなくても私が一緒ですぅ」


「おねぇさまをそんな人呼ばわりとか失礼な人ですね! たかが人間の分際で……!」


「あぁん? テメェだって人間だろうがよ!」


「残念でしたわたくしは人間じゃありませんーっ!」


「うわっ、マジかよ……」


「シリル、無駄にイキってないでこういう時はのんびりするのがマナー」

「はいおねぇさま♪」


「ステラもあんまり皆に噛みついてはいけませんよ。ほら、こっちに来なさい」

「はぁい♪ 私はナーリア様が大事にしてくれるなら誰にも噛みついたりしませんよ♪」


「ふふふ……可愛い子ですねぇ」


「……ほんと、五年後が楽しみ……じゅるり」


「ナーリア様! なんだか私の事をいやらしい目で見て来ます! おぞましいです!」


「こら、ショコラの事悪く言うんじゃありません。というかむしろちょっとうらやましいです……」


「ナーリア様!?」


「おねぇさま、あんな人間より私の方が楽しませてあげられますわっ!」


「うーん、でもシリルは成長しないしなぁ」


「よく考えてもみてくださいませ! 私はちょっと外見の発育がいまいちかもしれませんンが、逆に言えばいつまでもこのままですよ!?」


「むっ、それは……確かにアリかもしれない」

「でしょう!? いつまでもピチピチですよ♪ もう何百年もこのままなんですからね!」


「うっわババァじゃん!」


「なんだとこの人間があっ!」


「ステラ!」

「シリル?」


「ご、ごめんなさい……」

「申し訳ありません……」




 ……まずい。

 これは非常にまずいぞ。


 これがろぴねぇとかならきっと何事もなく出てって大丈夫だし、めりにゃんならここから声をかけて事情を説明したら分ってくれるだろう。

 アシュリーだったらちょっと危険だが言って分からないような奴じゃない。


 しかし、ナーリアとショコラはある意味一緒に風呂なんて危険すぎるし、特にステラがまずい。


 俺がナーリアと一緒に風呂なんて事になっちまったら何を言われるか分かったもんじゃないぞ。


 翌日にはきっと王国内で俺のド変態説が囁かれるようになってしまうだろう。


 これは由々しき事態だ。

 それとシリルが未知数過ぎる。


 こいつはどういう反応をするのか全く想像がつかない。


「……うわ、なんだか最悪のタイミングで来てしまったみたいね……」


「あ、お姉ちゃん! あぁ、お姉ちゃんと一緒にお風呂なんて嬉しいです! 早くこっちに来てください!」


「うるさいわねぇ……ま、たまにはこういうのも悪くないかもしれないわね」


「ナーリア様のお姉様……わ、私一生ナーリア様を幸せにしますから!」


「あぁん? あぁ……そう。好きにしてちょうだい」


「ナーリア様のお姉様から公認キタァァァァっ!!」

「もう、ステラったら……」


 ナーリアのお姉様……このタイミングで更にアシュリー投入だと……?


「ちょっと打たせ湯行ってくるわね」


 おいおい……。

 アシュリーが岩のこちらがわに回ってくるタイミングで慌ててお湯に潜る。


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……」


 打たせ湯を受けて気持ちいいんだか呻いてるんだか分からない声がお湯を伝って聞こえてくる。


 それと意外とこの温泉の水質が澄んでるのでなんとなくぼやっとアシュリーの身体のラインが見えてしまった。

 なんというかすまん! そしてすまん! 殺さないで!


 そして早くあっち行ってマジで。息続かないから!


 だ、ダメだ……もう数分耐えてるけどどっか行く気配がない……。


 まさか寝てるんじゃないだろうな?

 だとしたら今のうちに息を整えておいた方がいいかもしれない。


 俺はゆっくりと、慎重にお湯から顔を出して大きく息を吸い、そして……。


「……」

「……や、やぁ」


 目があってしまった。


「……っ!!??」


「しーっ!! お願い騒がないで!!」


「~~っ!! ぐっ、こ、これはどういう事なの!?」


「お姉ちゃん? どうかしたー?」


「な、なななな何でもないわ!!」


「私達もそっち行こうかな」


「やめなさい! 来るんじゃない! 来るな!」


「……? どうしたんです? お姉ちゃんなんか変ですよ?」


「……怪しい。怪しさしかない。確認した方がいい」


「黙れショコラ! こっちくるなっ!!」


 やべぇこれは死んだ!!


「ちょっとアンタこっち来なさい! 魔法で一時的に姿を消してあげるからっ!」


 アシュリーがずかずかと俺に近付いてきて、何やら魔法をかけてくれた。

 光の屈折を利用して見え辛くする魔法のようだった。

 なので完全に姿が消えている訳ではなく、お湯に浸かっているとお湯が俺の身体を避けているからよく見ると気付かれてしまう。

 それをごまかす為にアシュリーは俺の身体を抱え込むようにして庇ってくれた。


 それは有りがたいのだけれど、こっちからしたら丸見えなのでいろいろ怖い。ありがたみよりも恐怖が先行している。

 いい思いをしたと割り切るにはその後の事が怖すぎる。


「アンタ……まさかこっち向いてないわよね……?」


「……すまん」


「うっ……あ、あとで……覚えてなさいよ」


 これは死んだかもしれん。


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