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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第四章:戦火の海へ。

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魔王様と平和な王国。


「あの変態科学者と古都の民はどういう関係なのかしら? なんだか違和感があったのだけれど」


「メアさん、きっと知らない方がいい事って世の中にはたくさんあるんだと思います」


「何よそれ」


「形はどうあれ愛は尊いって事ですよ。深入りしてはいけません」


「そんなものなの?」


「そういうものなんです。きっと」


 メアとヒールニントが不思議なやりとりをしているが俺は無視した。


 その話題に触れてはいけないと何かのセンサーがそう告げている。


「まぁあいつらの事なんてどうでもいいわ。とりあえずあの変な玉っころを調べるのにもある程度時間がかかるだろうし私はロンシャンまで行ってみようと思う」


「私も一緒に行ってみていいですか?」


「勿論よ。ヒールニントは私が守ってあげるわ」


 こいつら妙に仲がいいな。メアが人に近くなる為には有用な人材かもしれない。それに二人の様子を見ている限りなかなかいいコンビのように思う。


「貴女達はどうするの?」


 メアの問いにどう答えるべきか少し悩むが……。

 俺の場合どちらかというとロンシャンよりもニポポンの方に興味があるんだよな。


「儂は今回はパスじゃな。他にちょっとやる事があるでのう」


「俺はちょっと考えとくわ。もしかしたら後から行くかもしれないが少し休もうと思う」


 少なくとも一日二日はゆっくりしたい。頭の整理も付けておきたいしナーリアにもデュクシの事とかいろいろ説明しておかなきゃいけないしな。


 あとゆっくり温泉にでも浸かりたいところだ。



「あらそう? じゃあ私達二人でゆっくり観光でもしてくるわ。もし何かあったら連絡ちょうだい。通信機一台借りていいかしら?」


「ああ、とりあえずコレ持ってけ」


 俺用の通信機をメアに渡す。


「そう言えばお前自分の分の通信機はどうした?」


「アレは私の部屋に置いてきたから必要なら勝手に使ってちょうだい」


 なら自分でそれを取りにいきゃいいだろうが……。

 まぁ足りなくなったらアシュリーにでも頼んで作ってもらえばいいが、今は奴もそれどころじゃなさそうだからおとなしくメアの分を使う事にしよう。


「じゃあそういう事でまたそのうちね。ヒールニント、いきましょう?」


「はい! あの、セスティ様! この度はいろいろとありがとうございました! その、奥方さまも!」


「おう」

「よいよい。それよりメアの事をよろしく頼むのじゃ」


「ちょっと!? よろしくするのはこっちよ!?」


 めりにゃんの言葉にメアがムキになって反論するが、ヒールニントになだめられてほっぺたを膨らませながらロンシャンへ旅立っていった。


「ふぅ……静かになったな」


「騒がしいのが居なくなったのは少し前と同じ状況じゃが、出て行った理由が全く違うからのう。また帰ってきて嫌でも騒がしくなるじゃろうて」


 この国は少し騒がしいくらいがちょうどいいからな。

 その分疲れるけれど、つまらん静かな国よりは楽しく騒がしい国の方がいいだろう。


 デュクシの野郎にヒールニントを宜しく頼むと言われた割にメアに任せっきりになっちまってるのは申し訳ないが、メアが近くにいるのなら大丈夫だろう。


 ロンシャンならば古都の民がちょっかい出してくる事もないだろうしな。


「さて二人とも、とりあえず飯でも食いにいかないか? 腹減っちまったよ」


「うむ、それもいいじゃろう♪ 城の方にするか食堂にするかは任せるのじゃ」


「うちはどっちでもえぇで?」


 ろぴねぇは何か考え事でもあるのか少し前から難しい顔をしておとなしくしていた。

 俺が話しかけるといつも通りに戻るから大した事では無いと思うが……。


「みんなが居るかもしれないから食堂に行こうぜ。話しておかなきゃいけない事もあるしな」


 俺達はゆっくりと国の中を歩きながら、農地の具合を確認したり魔物達に挨拶したりしつつ食堂へ向かう。


 そしてその扉を開けると意外な人物が出迎えてくれた。


「は~い♪ いらっしゃいませーっ☆彡」


 満面の笑みで、普通にしてたらどう見ても美少女。


「……なんだアンタかよ。もう帰って来やがったか……」


 この悪態さえなければ、だが。


「ステラ! 姫に無礼は許しませんよ!?」


「はいナーリア様♪ 三名様ごあんないでーっす♪ ……あっちの隅の席に勝手に座っとけ」


 どうやらナーリアとステラが食堂の手伝いをしているらしい。確かに今は丁度時間的に混む時間なのか、食堂はかなり広いのに席が八割程埋まっている。


「姫っ、お帰りなさいませ! すぐに注文確認に行きますので!」


 おお、二人が手際よく働いてくれているおかげで、以前のような騒がしさは無くきちんとした飲食店のようになっている。


「おらおらこれ注文したのは何処のどいつだー!? 名乗り出ねぇとあたしが食っちまうぞーっ!?」


「労働って言葉が一番似合わない人が働いてるだと……?」


 腕まで器用に使って両手に料理の皿を六枚程乗せたサクラコが食堂内を縦横無尽に駆け回っている。


 どうやら手伝いは二人だけでは無かったらしい。


 よく見ると配膳専門の魔物なんかも居たりして、知らない間に食堂がグレードアップしていた。


 厨房を覗くと、やはりメインはアレクが作っているようだが、他の幹部の姿もあったり、普通の魔物の姿もあったりで、アレクがあれこれ指示を飛ばしながら調理している。


「いらっしゃいませですのーっ♪」


 視界の隅で、巫女服をフリフリにカスタマイズしたシリルがショコラに絡みついていた。


「シリル、仕事しなくていいの……?」


「わたくしの仕事はこれ一本ですぅ♪」


 ……今日もこの国は、平和だ。

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