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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第四章:戦火の海へ。

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魔王様的に多分ちょうどいいサイズ。


「あら、遅かったわね。しかしこの国の連中本当にどうかしてるわ」


 俺達が魔物フレンズ王国へ戻ると、メアが呆れたように顔の前で手を振りながらそう言った。


「私が帰って来たってのに誰も文句の一つも言わないどころか、おかえりーだってさ。ほんと変な人達……やんなっちゃうわ」


 多分周りに誰も集まって来てない所を見るに、当たり前のように受け入れられてしまったんだろう。


 それは興味が無い、のではなくて、帰ってくるのが当然だと思われてるんだ。

 メアもそれが分かっているからあんな風に照れ隠ししているのだろう。


「ここはお前の居場所なんだって自覚が持てたか?」


「まさか。私はせいぜい居候よ。それくらいの方が気が楽でいいわ」


「相変わらず素直じゃないのう」


「うっさいわねちびっ子魔王!」


「い、言うに事欠いてちびっ子じゃと!? 儂は立派なレディじゃーっ!」


「それはもっといろんな所を大きくしてから言って貰えるかしら?」


「ムキーッ!!」


 この二人も最初っから最悪な敵同士だった癖に仲良くなったもんだ。


「大丈夫だめりにゃん、世の中にはな、ちょうどいいサイズってのがあるんだよ」


「う、うむ……じゃあセスティは儂のがちょうどいいサイズだと言うのじゃな?」


「……うん」


「今間があった! 間があったのじゃ! やっぱりもっと大きいのが好きなんじゃな!? 今に見ておれよ……」


 めりにゃんが俺とメアを交互に睨む。

 尻尾がわなわなと震えていてとても可愛らしく、つい微笑んでしまった。


「こりゃセスティ! 何を笑っておるんじゃ! 何がおかしいっ!!」


「ごめんごめん。俺の奥さんは可愛いなと思ってね」


「そこはかとなく馬鹿にしておるじゃろ!?」


 めりにゃんが背伸びをしながら俺の頭を両手でぽかぽか叩こうとして微妙に届いていない。



「……アンタ達、何路上でいちゃついてるのよ。……メアも帰ってきたのね。ごめんなさいは言わないわよ?」


 俺達の様子をどこかで見ていたらしくアシュリーが目の前に転移してきた。




「謝る必要なんてないわよ。貴女が言った事は正しかったわけだし、私は勝手に出て行って勝手に戻って来ただけだもの。むしろ笑えばいいわ」


 メアはどっか後ろめたい気持ちが消えないらしく自嘲気味なのがなぁ。もう少し今の自分に自信を持てばいいのに。


「……そう、安心したわ。私達が戦った凶悪な魔王があんな事くらいで失踪するようなよわよわ魔王じゃなくて」


「……言ってくれるじゃない」


「事実だろ?」


 こっちはこっちでアシュリーとメアが火花を散らしている。もう少し仲良くしてくれるとこっちも安心なんだけどな。


「……まぁいいわ。お帰りなさい」


「えっ、うん……ただいま」


「……っていうかそっちのは誰? それと担いでるのは何? どっかから新しい女でもさらってきたの?」


 アシュリーがメアの後ろに隠れているヒールニントと俺が担いでいるレオナを見て目を細める。


「まぁいいわ……その辺も詳しく聞かせてもらうから、ちょっと皆あそこへ来なさい」


 アシュリーがそう言って研究所の方を指さした。


「お茶くらい出してくれるんでしょうね?」


「出がらしで良ければな」


「上等よ」


 そう言って二人は笑った。


 ……なんだ、思ったより上手くやってるじゃないか。

 俺が心配する必要はなさそうだ。


「ラボで準備してるから早く来なさいね」


 そう言ってアシュリーは目の前から消える。


「……だ、そうだがどうする?」


「ご相伴に与りましょうか。大層美味しいお茶を出してくれるらしいしね」


 いい性格してやがるぜ。


「おーメアっちとセスっちとめりにゃーんおっかえりーっ♪」


「ぐえっ」


 メアが転移魔法を使おうとヒールニントの手を繋いだところで急に背後から何者かが飛び掛かってきた。


 いや、こんな事をするのはろぴねぇくらいしか居ない訳だが。


「なんやヒールっちも一緒やんか♪ ……それはそうとセスっち。それ、なんや?」


 やっぱりレオナが気になるか。


「……まさか新しい女をさらって来たんか?」


 なんでうちの連中は思考回路が一緒なんだよ。



「こいつはいろいろ事情があってな……そうだな、ちょうどいいからろぴねぇも一緒に来いよ」


「なになに? どこいくん?」


「じゃあそろそろ行くわよ? せっかくのお茶が冷めちゃうわ」


 なんだ、結構アシュリーが入れてくれるお茶を楽しみにしてたんだな。


「……何よ」


「いや、なんでもないさ」


「その自分は分かってますよみたいな顔やめた方がいいわよ」


「一応理由を聞いても?」


「腹立つから」


 そう言って悪そうな笑顔を見せ、ヒールニントと共に転移した。


「じゃあ俺達も行くか。めりにゃん、頼んでもいいか?」


「まったくこやつらときたら……視界に入る距離ならばぴょんとひとっとびで行けるじゃろうに横着しおって……」


 う、確かにそれを言われると痛い。


「まぁ儂だったら? セスティが丸く肥えてしまってもちゃんと面倒見てやるがのう♪」


 なんだかめりにゃんは謎のご機嫌モードに入ったらしく、「ほれ、行くぞ」と俺とろぴねぇの手を取り、研究所へと転移した。


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