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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第二章:勇者の定義。

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姫魔王と激昂する嫁魔王。


 ざざっ!! とナーリアやめりにゃんが自分の身体を抱きしめるように腕でいろいろ隠した。


 なんだよそれ……そんなふうに見えるようになる何かがあるならお裾分けしてほしい。


「ぷっ……ふはははは!! 君は面白いね。何を聞きたがっているのかと思えばそんな事か……確かに女性からしたら重要な問題かもしれないが、安心するといい。僕のこの目は目に見えない物を見る事が出来るが特定の物を透過したりはできないよ」


「ほんとじゃろうな……?」


 ろぴねぇはザラの言葉を信じて警戒を解いたが、ナーリアとめりにゃんはまだ腕で隠している。


「心配はいらない。本当にそんな物は見えないし、僕はそんな物を見たいとも思わないからね。そんな物に興味があるのはせいぜい下等な人間共だけさ」


「まるで自分が人間じゃねぇみたいだな」


 実際人間とは違うのか……? 神の使いだとかなんとかいう奴等は生物として違うのだろうか?


「人間……? 僕を人間などという下等な生き物と一緒にしないでもらおうか。僕らがしばらく地下に潜んでいる間に地上を荒らしまわった蛮族どもと……」


 どうやらかなりの地雷を踏んでしまったらしい。

 エルフの森の一件後にめりにゃんから聞いた話によると、どうやらこいつらは大昔にあった帝国を復活させたいとかなんとか。


「お前ら古都の民は今までどこに潜んでやがったんだ?」


「……古都の民……その呼び名を知ってるというのは君もただの変わった人間というわけではなさそうだね。僕らはずっと地下に潜んでいたのさ。日の当たらない窮屈な場所にね」


 地下……? ニーラクの近くにあった遺跡みたいな、地下に広がっている空間で暮らしていったのだろうか? 


 ドワーフ達の町のような感じかもしれない。


「それが今更になって何故表に出て来た? なんちゃら言う帝国を復活させる為か?」


「……ふむ。やはりある程度事情を把握してるようだね。これは僕の知らない間に誰かが情報を漏洩したか……?」


 こいつはしばらくこの街に籠っていてほかの連中と連絡を取っていなかったのかもしれない。

 というかこんな奴等があとどのくらいいるんだろう。


「エルフの森に悪さをしていた老人は儂らが始末したのじゃ。アレはお主の仲間じゃろう?」


 珍しくめりにゃんが挑発的な口調でザラを煽る。彼はそれを聞いてほのかに口元を緩ませた。


「そっかそっか。なるほどね……どうりでいろいろ知ってると思ったらあの糞爺がベラベラ喋ったんだね。あいつは口が軽いからなぁ……これだから老害は」


 話しの内容に似合わず、ザラはとても楽しそうにケタケタと笑うと、「ありがとう」と訳の分からない事を言ってきた。


「礼なんか言われる筋合いはないんだが?」


「いやいや。僕あいつ嫌いだったんだよね。かといって同族殺しはご法度だからさ、殺してくれてなら助かるよ」


 こいつ……。それを笑いながら平然と言ってのけるあたり他者に興味がないんだろう。


「そもそも僕はね、帝都の復活なんてどうでもいいんだよね。いつまでも好き勝手に実験をしていたいのさ。勿論、邪魔をするなら君らも敵だ」


「だとしたら? ここでおっぱじめるか?」


「いや、この部屋で暴れられたら大事な物まで壊れてしまうかもしれないからね。少し移動しようか」


 そう言うとザラは、自分が乗っている機械義足の上で、何やら妙な四角い箱を操作した。


 すると、地下室の壁が光り輝き、段々と透き通り、消えてしまった。


「ど、どないなっとるんや……」

「姫! これはいったい……ステラはどこに!?」


 ろぴねぇとナーリアが部屋の様子を見て取り乱しているが、これは……戦える場所へ移動したという事だろう。


 さすがめりにゃんはある程度理屈が分かっているようでまったく動じていない。


「二人とも落ち着け。転移の亜種だ。あいつはさっきの地下室とリュミナさんの家を繋げたって言ってただろ? おそらく別の場所へ接続しなおしたんだ」


「なかなか理解力があるようだが、それが分かった所で意味はないよ。君らはここでログアウトしてもらうからね」


 ザラはガチョンガチョンと機械の足で俺達との距離を詰めてくるが、何かおかしい。

 どう考えても機動力が低すぎるし、あの動きで俺達の攻撃を避けられるとでも思っているのだろうか?


「言っちゃ悪いが暴れてもいい広い場所に出たのはこっちにとって好都合だぜ? あんたがあの地下室に居たままの方が俺達は戦いにくかったからな」


「それは僕の方も同じなんだよね。広い場所じゃないと暴れられないだろう?」


 やはり、何か企んでいる。

 少し様子を見た方がいいかもしれない。


「先手必勝じゃぁーっ!」


 めりにゃんが唐突に、上空に作り上げた炎の塊をザラの真上に落っことした。


「め、めりにゃん!? 急にどうした!?」


「あいつはごちゃごちゃと回りくどい話し方ばかりしおってイライラしとったんじゃ! ここなら遠慮はいらんじゃろ? 蒸発して消えてしまえ!」


 何に怒っているのかは俺にはよく分からないけど、ぷんすかめりにゃんも可愛いからいいけど。


 問題は、ザラだけど……。多分あんなので死にはしないだろう。


 とするとだ。


 めりにゃんの魔法攻撃による爆発が治まったというのに目の前に何もいないというのはどういう事だろうか。


 本当に燃え尽きたわけじゃないだろうな……?



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