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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第二章:勇者の定義。

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姫魔王と知らないデブ。


 くそっ! 逃げられた!!


「あ、危なかったのじゃ。急に爆発するとは……」


 俺とめりにゃんが防御壁を張った事で俺達がいるこの部屋だけが無事だった。


 屋敷のそれ以外の部分は全て吹き飛び、瓦礫の山を築いている。


 無事だったとは言え、重力に逆らうような魔法はかけていなかったので俺達は部屋ごと地面に落下した。


「いたたた……なんやったんやあいつ……ステラも連れていかれてしもうたし……」


 ろぴねぇが地面に落ちた衝撃で頭を少し打ったらしくフラフラしながら立ち上がる。


「ろぴねぇ大丈夫か?」


「うちは平気やで。ライゴっちは……ちょっと目を回しとるようやけど」


 ……ライゴスはろぴねぇの胸の谷間に挟まって身動き取れなくなっていたらしい。

 それは目を回したっていうより酸欠じゃないのか……? けしからん。少し変われ。


「あやつ……この前の奴に雰囲気が似ておったのじゃ」


「この前の奴って? もしかしてエルフの床の奴か?」


 俺は結局虫を操ってた奴を見てないからなんとも言えないが、めりにゃんがそう言うならその可能性はあるだろうな。


「ステラ……ステラが私のせいでさらわれてしまった……。


「おいナーリア。凹む時間があれば取り戻す策を考えようぜ。その方がいい。それに……あいつはラボを新しく用意するって言ってたからな、それが用意できるまでステラの身は最低限保証されるだろう」


 あくまでも最低限な。

 殺さないとは言っていたが、生きているのと無事なのは全く別問題だ。


 何かされる前に早く助けた方がいい。

 そうしないと……ナーリアにとってこの街に更なるトラウマが増えちまうぜ……。


「まずは、だ。ナーリア……なんで勝手にこんな所へ来た? 別に怒ってるわけじゃないが……皆に一声かけていればこんな事にはならなかったんじゃないか?」


 これについては言っておかないといけないだろう。


「申し訳ありません……! 姫達に余計な心配をかけたくなかったというのもありますし……ここは、その……一人で調べたかったもので……」


「やっぱりここはリーシャの家なのか?」


 ナーリアは俺の言葉に目を丸くして驚いている。これは、当たりだろうな。


「恐れ入りました……。その通りです。せめて一緒に来てもらっていたライゴスさんだけでも中へ来てもらうべきでした。私の配慮不足です」


「謝るのはステラを取り戻してから彼女にな。それよりライゴスの話だと屋敷に入ってからかなりの時間が経ってたみたいだが、何があった?」


 ナーリアは下唇をぐっと噛みしめながら、ゆっくり語り出した。


「私は……ただ、私の気持ちにけじめをつけたくて、この場所にきちんと別れを告げに来ただけなんです。あわよくば、リーシャや母の遺品などがあればと思ってはいましたが……」


 彼女は、本当にそれだけを目的としてここを訪れたらしい。万が一の時の為にライゴスを連れてきたのは、護衛という意味と、話す相手が欲しかったから。

 だけど人間相手ではなかなか言いにくいと感じ、見た目がぬいぐるみのライゴスが抜擢されたようだ。


 そして、ライゴスを門に残し一人で屋敷に入る。そこで異変に気付いた。

 家の家具などが無くなっているのはおそらくリーシャの母が作った借金の関係でもっていかれたんだろうが、どうも様子がおかしい。

 誰か人の気配がする。


 そしてナーリアは見つけてしまった。

 地下へ通じる通路、その先の研究所。

 そして先程の上半身男。


「あの男はザラという名前で、神の信奉者なのだと言っていたように思います。私は応戦する間もなく魔法で拘束されてしまい、この二階の部屋に閉じ込められてしまいました」


 先程ステラを拘束していた電流は鞭のようにあいつの意思通り動くらしく、それで手足を拘束され身動きが取れなかったのだとか。

 しかしステラが飛び込んできた事で、ザラの興味対象はステラに移ったらしい。


「丁度若いサンプルが欲しかったんだ」と言っていました……。それで私の拘束を解いてあの電流の鞭でステラを……。


 なるほど。拘束されていた時間が長かっただけって事か。


「だったらこれだけ長時間経過する前にライゴスが俺達に報告さえ入れていれば回避できた案件だな」


「申し訳ないのである! お留守番命令は絶対なのである……」


 お前のトラウマはなんなんだ。

 こいつ前からお留守番って言葉には敏感だったもんなぁ。


「ちょっと待つのじゃ。それだと何かおかしくないかのう?」


「確かに変やで」


 めりにゃんとろぴねぇの二人が何を言っているのかちょっと分からなかった。


「何がおかしいんだ? 気付いた事があるならなんでもいいから教えてくれ。少しでも情報がほしい」


「いや……今の話を聞く限りじゃとな、」

「うん。さっきの話聞く限りやと、」


 二人の視線の先を見て、言いたい事が俺にも分かった。


 確かに変だ。


 俺がドアを蹴破った際、吹き飛ばされて壁にめり込んだ奴が居る。


 改めて見てみると、太い。

 かなり太っている。

 そして男だろうか。


「ナーリア……こいつ、誰だ?」


「……えっと、誰……でしょう?」

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