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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第二章:勇者の定義。

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姫魔王はお酒のトラブルが多い。


 まったく、いったい何だったんだろ。

 虫達は急に動かなくなっちゃうし、足は痛いし……。


 もう怪我は治ったけど靴底に穴が開いたままなのはかっこ悪いし可愛くない。


 それにみんなはどこに行ったんだろ?

 多分急に虫が動かなくなったところを見ると誰かが操ってて、それをメリニャン達が始末してくれたって感じかな?


 ふと虫達の死体を見やると、どろどろの銀色液体になっていて、すぐに蒸発して消えてしまった。


 やっぱり生き物じゃなかったのかな?

 人工的に作られた何か……?


 とりあえずみんなと合流しよう。


 私はその場で思い切りジャンプ。勿論身体強化付きで。


 遥か上空まで飛び上がった所で周りを見渡してみると、山の頂上ら辺に一際大きい銀色の液体が見えた。


 あそこかな?


 転移で移動すると、今回は見えてる範囲だったからか上手く移動できた。


「おかえりおにいちゃん」


 そこには、でっかい銀色の水たまりと、変な色の泡を吹いて絶命している老人の頭を掴んでぶらさげている妹が。


「し、ショコラ……? 一応聞くけどそれは何?」


「わるいやつ。ぶっ殺した。褒めて」


「う、うん……なんていうか、よくやったね」


「どやぁ!」


 老人の死骸が邪魔になったのかショコラはポイっとその辺に投げ捨てて、両手を腰に当てふんぞり返る。


 我が妹ながら狂気に満ちた笑顔です。


「わ、私だって頑張ったんだぞ!」


 とアシュリーが私の左腕に絡みついてきた。


 やっぱり三人で虫の主を退治しに行ってたみたい。


「うーん、アシュリーも偉い偉い」


 頭を撫でてあげると「え、えへ……」とはにかみながらニッコリ。

 その様子はとっても可愛いんだけどさ……。


「アシュリー、私を囮にしたでしょ」


「ハッ、そ、それには訳が……!」


「ほれほれ、結果オーライじゃからいいじゃろ? それにアシュリーの機転がなかったらモラヌを見つけられんかったじゃろうしな」


 そう言って今度は右腕にめりにゃん。


「メリニャン……アンタ……」

「まぁ、愛人としてなら認めてやらんでもないぞ」

「メリニャァァァン!!」


 なんだこれ。間に挟まれてる私は身動き取れないし、ショコラはそんな私を呆れたような目で見てくるし。


「むしろ今回儂はなんの役にも立たんかったよ……というより、何かをしようとする前にショコラが始末してしもうた」


「どやぁ!」


「そっか、じゃあその……なんだっけ? もらん? とかいう爺さんを倒してくれたのはショコラなんだね。偉い偉い♪ でももう少し加減って物を知ろうね」


「儂はそれをお主が言うのが驚きじゃよ」

「確かにな」


 私に褒められて喜ぶショコラ、そして何故か二人で笑いあうアシュリーとメリニャン。

 いつの間にか仲良くなったようで何よりではあるけれど、私を含むこのメンバーの関連性がややこしくなっただけのような気もする。



 ……ま、いっか♪


「とにかくこれで依頼は完了かな♪ エルフ達に伝えてこよう」


 私達は一度あの山の地下にあるドワーフの町へ行き、エルフ達にもう大丈夫だと告げ、今日一日だけは滞在してほしいというドワーフ達の願いを聞いて大宴会。


 地下にある町はドワーフサイズに作られているためにちょっとばかし建物の入り口がが窮屈だったけど、中はなんとか私達も入れるくらいには余裕があった。


 そして、その日は盛大に飲んで食べて……。


 今俺は真っ青になってるわけだが。


 目が覚めると俺の左右には衣類の乱れたアシュリーとめりにゃんがひっついてるし、俺の身体の上にはすっぱだかのショコラが乗っかってた。


 どうしてこうなった。

 どうしてこうなった!!


 ダメだ酒飲んで騒いで、エルフ達は夜のうちに集落に戻るっていうからそれを見送って、酒飲んで騒いで、そっから先の記憶がないぞ。



 大丈夫、この身体だから、なんもついてないから大変な事にはなって無いはずだ落ち着け、冷静になれプリン・セスティ。


 ……落ち着くんだ。クールになれ。


 すぅはぁと大きく深呼吸すると、その振動で上に乗ってる子が目を覚ました。


 正直一番起きてほしくない子なんですけど!


「おにぃちゃん……おはよ」


「お、おはよう。一つ聞いても?」


 ショコラはまだ眠いようで、目を擦りながら「なぁに?」と返事して、今大あくび中。


「夜、ここで何がどうなった? 俺は何をどうした? なんでこうなった」


「一つじゃないじゃん……えっと、おにぃちゃんはお酒飲んで……お酒の瓶を両手に持って変な踊りを始めて……」


 ちょっと待って。なにそれ恥ずかしいんだけど……。


「お前も飲めーっ! とか言って……」


 無理矢理他の連中に酒を飲ませてしまったんだろうか?


「マリスにお酒ぶっかけて……」


「なんでっ!?」


「知らないよ……おにいちゃんはとにかく服にばちゃばちゃお酒かけて、マリスが酔っぱらって大変な事になって……」


 さいってー。俺何してんのマジで……。

 マリスは今はちゃんと赤ドレスのままだし何ともなさそうだけど……まさか酔っぱらうとは……。


「とてもじゃないけど人前に出しておくのはまずい感じの人になってたから、私達でベッドまで運んで……」


「な、なるほど……。そりゃ迷惑かけちまったな」


「いえいえ。ごちそうさまでした」


「……何が?」 


「えへ」


「昨夜美味しい料理をご馳走様って意味だよね?」


「えへへ……」


 ショコラはにへら~と笑うと俺の上で二度寝を始めてしまった。


 おい、誰か教えてくれ。いや、知るのも怖いけど!


 そうだ、この際全部忘れよう。

 この夜の事は無かった事にしよう。


 そうだそうだそれがいい。ここにいる全員の為に、それが最善の筈だ。


「えへへ……」


 酒、控えないとなぁ。





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