表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第二章:勇者の定義。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

377/637

隠者には理解できない。


『しかしよく寝ているね』


 まぁ傷は治してやったが剣に吸われた魔力の補填が出来て無いんだろう。


『それならば君が魔力を分けてあげればいいじゃないか』


 馬鹿か。どうして俺がそこまでしてやらにゃならないんだ。


『そう言う割にはもう二日もこの娘が起きるのを待っているね? それは何故だい? わざわざ報酬を換金しに行ったのに』


 当面の金が手に入ればこいつは用済みだとでも?

 いやいや、こいつにはまだまだ利用価値があるさ。


 俺が新たな俺となって始めて採用する部下にでもするのがいいだろう。


『なるほど。しかし彼女ほど気の強い女が君にかしずくとは思えないがね』


 ……実際どうだろう? こいつが嫌がるようなら無理矢理にでも言う事を聞かせるか?


 いや、多分そんな事をしなくても大丈夫だ。

 にゃんこは俺についてくるさ。


『なんだいそのモテ男のうぬぼれ発言は』


 人聞きの悪い事言うんじゃねぇよ。こいつの事情考えたら俺と一緒に来るのが都合いい筈なんだ。

 多分一緒に行くと言ってくれるだろう。



「う……ん……?」


『どうやらお目覚めのようだよ』


「おいにゃんこ、起きろ」


「うにゃ……あと五分……」


 どげし。


「いだっ!! お、おまっ! 何すんだよ!!」


「起きる気がないようだから蹴った。顔面を」


「なんでいきなり顔蹴るのさカルゼ……! あっ、いや……ハーミット……様」


 あぁ、そういえば俺の事バレてたんだったか。



「ハーミットでいい」


「う、うん……ハーミット、ハーミットか。分かった。なんかいろいろ迷惑かけたみたいでごめん」


 調子が狂うな……。そういう反応は求めてねぇんだよ。


「お前はいつも通りでいい。それより報酬は勝手に換金してきたし分け前は頂いた。お前の取り分の方から看病代は引いておいたからな」


「えっ、……いや、まぁそれはいいや。それより私って……」


「丸二日だ。お前が寝ていた時間を無駄に使わされた。この分の埋め合わせはしてもらうぞ」


『埋め合わせって……君は元々毎日飲んだくれてただけじゃないか』


 うるさい。物は言いようって言葉知らないのか。


「埋め合わせ……ハッ、ま、まさかお前まだ私の身体を狙って……痛い痛い! 蹴らないで!!」


『はっはっは。なるほど、確かに物は言いようだね。お望み通りの埋め合わせをもらってやったらどうかね』


「ふざけんな。俺にはもう心に決めた相手が……」


『自分で気付いたようだからわざわざ言うのもなんだが、口に出ているよ?』


 うるせぇ!


「心に決めた相手……? ハーミットは誰かもういい相手がいるのか?」


 なんでお前がそんなしょんぼりするんだよめんどくせぇな。


「単刀直入に言うぞ」


「ひ、ひゃいっ!」


「俺と来るか?」


『……これはもう毎度の事だからいちいち突っ込むのは無粋かな?』


 何の事だ。


『心に決めた相手が居る、の後に一緒に来いと言われたら相手はどう思うね』


 知るか。来るか来ないかしかないだろう?


「えっ、それってもしかして私の、私の事……?」


「はぁ? 俺の目の前にお前以外に誰か居るのかよ」


「そ、そそそそんな急に……でも、お前なら……勇者ハーミットなら私を任せられる。私の全てをあげてもいい」


「そうか、じゃあせいぜい俺の役に立てよ」


「だ、大胆……でも、うん、がんばる!」


『……私はやはり君の事が少々心配になるね。何が心配って今彼女の中で何がどういう事になっているのかというのを理解してないところだ』


 ……? もっと分かりやすく言え。


『いや、もはや何も言うまい』


 変な奴。


『私は君だよ。変な奴め』


 うるせぇ。


「と、ところで……式は、挙げる派? 挙げない派?」


「……何を言ってる?」


「あっ、そうだよね。私達そんなにお金ないもんね……じゃあ、その、いつする?」


 する? 何を?


「よく分からんがお前がその気ならすぐだ。用意しろ。出るのは早い方がいい」


「で、出る……!? そ、そうか……そういう言い方もあるよね。じゃあすぐ準備するから……布団まで一緒に行こう?」


 何を言ってるんだこいつは。


「馬鹿か。早く出たいのに布団に入ってどうする。さっさと準備して外へ行くぞ」


「野外!! いきなりそれはっ!! レベルが高すぎる!!」


「お前は引きこもりか何かか!? もう元気なんだから早くしろよな!」


 これだけ騒ぐ元気があるならすぐにでも出発できるだろう。目的地がある訳じゃないが、ここに居ても仕方ないしそろそろ俺達も動き出す頃合いだろう。


「げ、元気……!?」


 にゃんこが顔を真っ赤にしながら俺を見つつ、視線を下に下げていく。


「どこみてやがる」


「だって、元気だなんて言うから……」


「はぁ、お前は本当に良く分からんな。とりあえず外で待ってるからさっさと準備して出てこいよ」


「えっ、ちょと待ってよ! 置いてかないで!! いきなり放置は酷いって!! まだ心の準備がっ!」


『……はぁ』


 なんの溜息だよ。


『……君にはわからんよ』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓☆クリックで作品へ☆↓
sample
「転生はもう結構です!」
作者最新作!異世界転生TSファンタジー☆彡

小説家になろう 勝手にランキング
ワンクリックお願いします♪
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ