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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第一章:新たな門出。

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姫魔王にも恐れるものはある。


「なるほど……それでまずはこの村を訪れて下さったのですね……。あの時は本当にありがとうございました」


「いやいや。昔の事は気にしないでくれよ。ここが復興出来たのはディレクシアの騎士団のおかげだから俺は何もしてないしな」


 俺とめりにゃんはまず真っ先に、ニーラクの村へ来ていた。


「謙遜なさらずとも。貴方のおかげでニーラクが守られた事は間違いありませぬ。わしらは、恩を忘れたりはしませんよ」


「そっか。まぁそれならそれでいいんだけどよ。今日の本題はそれじゃねぇからさ」


 ニーラクの村で拒絶されるようじゃこの先どうにもならない。

 前哨戦というわけでもないが、最初だから大丈夫そうな所を選らんで来たというのはある。



「ふむ……先ほど伺った話が本当ならばわしらは喜んで協力致しましょう。何が出来るわけでもありませんが、皆貴方に恩義がある。そしてあのライオンの魔物にも。ですから魔物にもいろんな人が居ると知っております」



 そう言えばここを守ったのはライゴスだったな。

 勿論あの時はナーリアとデュクシも居たが……。


 デュクシの野郎は今どこで何してんだろうな。

 ひっそり平和に暮らしてるんだったらわざわざ巻き込む事はないけれど。


「確か……魔物、フレンズ……王国、でしたかな? 我等ニーラクの村は喜んで受け入れさせて頂きますよ」


 ちょっと国名を口にする時に困惑気味なのが気になるが、この盲目の村長は俺達の国を受け入れてくれると約束してくれた。


 村民の中には反感を持つ者もいるかもしれないが、こうやって少しずつ周知してもらうしかないな。


「上手くいって良かったのう♪」


 村を出るとめりにゃんが嬉しそうに俺を見上げてきた。


「ここはめりにゃんと出会った場所みたいなもんだからな。受け入れてもらえてよかったよ」


 さすがにめりにゃんについては説明を省いてある。

 俺の嫁の魔物って事しか伝えてない。


 さすがに元魔王なんて言ったらいろいろ面倒な事になるかもしれないし、今後もそのスタンスで行こう。


「次はどこへ行くのじゃ?」


「そうだな……めりにゃんはライデンに行った事ないよな?」


「ライデン……確か北の方にある街じゃったか?」


「そうそう。大きな歓楽街なんだけど、とりあえず北側から南下していくようにしようか。それに……」


 確かロザリアの話によればライデンにおふくろが居る筈なんだよな。


「俺の母親に会ってもらいたいしさ」


「なっ、そ、それはまだ心の準備がじゃな……いや、いいじゃろう。避けては通れぬ道じゃ! 儂も覚悟を決めるぞ!」


「よしよし♪ きっとおふくろはめりにゃんの事気に入ってくれるはずだよ」


「そうかのう? そうだといいんじゃが……」


 緊張した顔で両手の人差し指をうりうりとやってるめりにゃんだったが、意を決して俺の手をぎゅっと握る。


「い、いつでもいいのじゃっ!」


「いや、ライデンに居るってだけでどこに居るかは俺も知らないからさ、そんなすぐに会うような事にはならないと思うよ」


「そっか、それならその間に心の準備でもしておくかのう」


 というかそれ以前に一つ問題がある。

 ライデンに行ったのはもうかなり前の事なので俺が記憶を頼りに座標をきちんと指定できるだろうか?


 とりあえず試しに近くまで行ってみるか。


 めりにゃんの手を握り返し、転移魔法を発動させる。


「あっ、プリンじゃないかい。どうしたんだい? 確か王都の方に行ったんだろ?」


「ひぃっ! おふくろ!!」


「えっ、こ、この人がセスティのおおおおお母様!?」


 やっぱり俺は転移魔法を使いこなせてるとはいえない。

 かなり久しぶりの場所だったというのもあったからかもしれないが、街中に転移してしまったようだ。


 そして、急におふくろに話しかけられた。

 そんな偶然あるか?


 それにどうしてこの姿の俺を一発でプリン・セスティと見破った?

 ……あ、それはメア……じゃなくてロザリアがこの身体でおふくろと会ってるんだから当然か……。


 それにしても未だにうっかりメアって名前を連想してしまう。

 この癖を治しておかないといつかポロっとメアって名前を口に出してしまいかねないから気をつけないとな……。


「ひぃっ! ってなんだいその悲鳴は……まるで……ん、もしかしてあんた記憶が戻ってるのかい?」


「あー、うん。まぁ……久しぶりだな。十年以上会ってねえけどおふくろは相変わらずで安心したよ」


「まったく……なんでそんな身体になったのかって話も聞かせてもらうけど、そんな事より私の娘はどこへ行ってしまったんだい。あのプリンが可愛かったっていうのに……まぁいい。とりあえずついておいで。そっちの可愛らしいお嬢さんもね」


「き、聞いたかセスティ! 可愛らしいお嬢さんじゃと!」


「うんうん、良かったなめりにゃん」


 あまりに唐突過ぎて俺の方が心の準備ができてなかったよ……。

 しかしこの人外見ほとんど変わってないんじゃないか? 俺の記憶の中のおふくろとほぼ同じだぞ……。


 俺達はとある娼館の奥の部屋に通された。

 ここがおふくろが女将やってるっていう……。


「さぁ、いろいろ聞かせてもらおうかねぇ?」


「あのっ! は、ははは初めまして! 儂……じゃなかった、その、わし……えっと、わたしは、ヒルデガルダ・メリニャン……セスティの妻をやらしてもらっておる!」


 その話はもうちょっと後でいいよ!?


 案の定一瞬にしておふくろの表情が凍り付いた。


「さて、いろいろ聞かせてもらおうか……?」


 さっきと随分声色が違うんですけど……。

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