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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第一章:新たな門出。

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姫魔王はハーレムを作りたいわけじゃない。



「えっ、えっ? 私が一番……? 傍に、って……な、ななななな……あの、そのっ……そんな急に言われてもっ!」


 ほら完全に誤解してんじゃねぇかよ!

 この状況どうしてくれるんだお前!


「責任取ってくれるんだろうな!?」


「せっ、せきにん!? ご、ごごごごめん考えさせてーっ!!」


 アシュリーは頭をわしゃわしゃ掻きむしりながら食堂から走り去る。


「うわぁぁぁぁ! えらいこっちゃーっ!!」


「おい待てアシュリー! ……行っちまった……」



 完全にあいつは勘違いをしてる。責任取れっていうのはメディファスに言ったのに……。


『ふん、敵前逃亡とは情けない……いつでも迎え撃ってやりましょうぞ』


 てめぇちょっと黙れよマジで……。

 これほんとにどうしてくれんの……?



「なぁめりにゃんこれどう考えても浮気ちゃう? うちは別に一人増えたってかまわんけど」


「……浮気にしか見えん。儂もセスティの事を信じてやりたいが納得のいく説明をしてもらおうかのう? あちこち手を出す前に儂じゃろうが順序って物を考えてほしいのじゃ」


 ……いつのまにか食事を終えたろぴねぇとめりにゃんが俺の背後に立って腕組みしつつ俺を見下(みお)ろしていた。


 見下(みくだ)されているのではないと信じたい。


「セスっちはロリ幼女派やったんか? めりにゃんの旦那やし、やっぱりそっち系なんやなぁ」


「違う! 人を犯罪者みたいに言うんじゃねぇ!」


「えっ、セスティ儂の事本当は好きでもなんでもないのか!?」


「ち、違う違うそうじゃない! 頼むからもう少し俺の周りの奴は人の話をちゃんと聞く事を覚えようね!?」


『主が誤解させるような事を言うから悪いのでは?』


「てめぇにだけは言われたくねぇよ!!」


『酷い。相棒に対しその発言はあんまりではありませんか?』


「こんなときだけ相棒ぶるんじゃねぇ!」


「そうじゃぞ! 相棒は儂じゃろうが!」


 ほらまたややこしい事になった!


「だったらうちは人生のパートナーって事でええよ♪」


「ば、ばかもの! そっちこそ儂じゃろうが!」


『魔物ごときに負ける我では……!』


 ……ちょっと、人の話、聞いて……?


 その時、俺の膝のあたりを何かがつんつんと触れた。


 何事かとテーブルの下を覗くと、俺の足に頬ずりしてる変態女がいて変な声をあげそうになった。


 勿論悲鳴である。


「ひっ……!!」


「しーっ、黙って。気付かれちゃうでしょ?」


「しょ、ショコラ……? お前そんな所でなにしてんだよ」


「おにぃちゃんの足を堪能しつつ助けに来たよ」


 ……。俺は一瞬どう反応したらいいのか分からなくなったが、せめて堪能と助けは逆であれ。


「この状況から抜け出したくない?」


「そりゃ、まぁ……でも俺にも責任ってもんが……」


「つべこべうるさい」


 ぷすっ。


「お、おま……な、にを」


「すぐに決められない優柔不断おにぃちゃんは問答無用でさらって行く事にします」


「……! ……!?」


 声が出ない。

 というか身体が痺れる。

 こいつ、俺に対していつかと同じような薬を使いやがったな……!?


 メディファス何とかしろ! 相棒なんだろ!?



『以前の物よりもさらに複雑な構成に進化している為すぐには難しいかと』


 相変わらず使えねぇ奴だなお前は!

 何か他に出来る事ないのかよ!


『お二人とも、そこで言い合いをしている間に主がさらわれようとしています。どうにかした方がいいのでは?』


「なんじゃと!?」

「なんやて!?」


「ちっ、無機物の癖に余計な事を……」


 身体が痺れて動けない俺は一瞬でテーブルの下に引きずりこまれた。

 次の瞬間、既にショコラは俺を担いでせっせと走っていた。


「待つのじゃーっ!」

「セスっちを返せーっ!」


 俺を担いで走るショコラ、それを追いかけるろぴねぇとめりにゃん……カオスな絵面になってきたなぁ。


「ショコラがセスティを拉致して逃げたのじゃ! 力を貸してくれい!」


 俺をおいかけながらめりにゃんが誰かに通信している声が聞こえる。


 しかし、ショコラは……。


「忍法、隠れ身の術」


 とか言って謎の技を発動し、城の壁と一体になって二人をやりすごした。


「忍は忍ぶ者……どやぁ」



「……くんくん……近いですよ!」


 ん? この声は……。


 どうやらろぴねぇとめりにゃんが助けを呼んで来たらしい。


「ショコラ……甘いですよ! それで隠れたつもりですか? 私にはショコラのショコラショコラした香りも姫のかぐわしく甘い香りもバレバレです! そこだっ!!」


 バサっと声の主が何か布のような物を剥ぎ取って、ショコラが潜んでいたのを見破る。


 俺の香りっていうのも突っ込みどころが満載だったけれどショコラのショコラショコラした香りって何。


「ちっ、ナーリア……貴女の変態力を侮っていた。……仕方ない、今日の所は返す。好きにするといいよ」


 そう言ってショコラは身動き取れない俺をナーリアへ放り投げた。


 ちょっと、返す相手の人選は間違ってませんか?

 せめてめりにゃんとかにしませんか?


「ふっ、ふご……っ!」

 ほら、やっぱり変なところ触ってくる! どさくさに紛れて変なとこ触ってくる!!


「ひ、久しぶりの姫っ! 姫の香りがっ!!」


「こらナーリアそのくらいにするのじゃっ!」


「ぬけがけはダメやでーっ!」


 ……俺、この国で頑張っていけるのかな。

 少し自信が無くなってきたよ……?



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