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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第一章:新たな門出。

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姫魔王は覚えてない。


「ふぁぁぁ……ねっむ……」


 眠い目を擦ってぼんやりした頭をどうにかしようと水を探す。


 ぐびっとやってすっきりしたい。


 起き上がるのも億劫なので目を閉じたまま適当に手を伸ばして飲み水を探す。


 確かベッド脇のテーブルに水を入れた容器があった筈なんだけど……。


 うぅ……頭痛い……。

 調子にのって酒飲みすぎたかなぁ。


 んーっと、あれ、無いな……。


 手を伸ばしてもテーブルには手が微かに届くだけなのでもしかしたら中央あたりにおいてあるのかもしれない。


 それに間に布団が盛り上がってるのかなんかやらかい邪魔な物がある。


 もっとベッドの端に寄らないと取れないなぁ……。


 仕方ない。少し動くか……。


 寝返りを打つ形でごろんと横へ向くと、何かむにゃっとしたものが顔に当たる。


 んぁ……? なんだこれ。

 枕か……?


 もにゅっ。


 ……。


 何これ。


 どかそうと思って掴んだはいいものの、思った感触と違うぞ。


 むにゅむにゅ……。


「ちょっ……朝から元気やなぁ……」


「んぁ?」


 急に俺の頭が引き寄せられやらかい物に頭を埋められた。


「くっ、苦しいって……なんだなんだ??」


 いい加減観念して目を開けるが視界が完全にうずもれてしまって何も見えないし息も苦しいんだけど、自分がどういう状況なのかだけはよく分かった。


「むーっ!! んーっ!! もがーっ!!」


 ジタバタ暴れて俺からそれを引き剥がす。


「おっ、おま……こんなとこで何してんだよ!!」


「何って……添い寝やん?」


 引き剥がして相手をきちんと確認する。


 俺はてっきりめりにゃんが布団に潜り込んできたのとばかり思っていた。

 だからさほど気にもしてなかったのだが……。


「な、ななな……なんで?」


「なんでって……昨日の夜メアっちが布団に引き摺りこんだんやないか……まさか覚えとらんの?」


 そう言って俺を潤んだ瞳で、その大きな一つの瞳で見つめてくるのは……。


「ろ、ろぴねぇ……。お前さぁ……俺が今どういう状態なのかちゃんと説明したよな?」


「あぁ、そうやったな。今はメアっちじゃなくてセスティ、だっけ? でもうちが知ってるメアっちはセスティはんだったんやろ? なら問題ないやん」


 いやいやいや。


「問題ありまくりだろうが! それに俺はもうめりにゃんという妻がだな……」


「大丈夫やで。魔王なんて一夫多妻は当然やし、もしそれがどうしても嫌っていうなら愛人でも……」


「何が大丈夫やで、だよ! こんなのがバレたら俺めりにゃんに殺されるだろうが!」


 新婚早々浮気なんて……いや、別に何もしてないけど!? 何もしてない……筈だけど……。

 さすがにまずいって俺だってまだ命は惜しいぞ。死なないだろうけど社会的に、人間として死ぬ。


「それも平気やと思うけど」


「何を根拠にそんな事が言えるかなこの一つ目娘は!!」


 ろぴねぇは無言で俺の方を指さした。


 ……?


「それ見ぃや。本人もちゃんと理解した上での流れやで?」


 俺はおそるおそる自分の背後に目をやると……そこには。


「おはよう。ダーリン♪」


 おいおい嘘だろ……?

 死んだ? 俺死んだのかな?


「め、めりにゃん……? なんでめりにゃんがこんな所にいるのかな?」


「そりゃ昨日の夜にダーリンに連れ込まれたに決まっておろうが。ロピアまで一緒に連れてくるから儂としては初めてが随分特殊な事になってしまうなと覚悟をしたもんじゃよ」


「待って、頼むから誰か説明してくれ!!」


 布団から飛び出して二人から距離を取り、とにかく説明しろと懇願。


 どうやら話を聞く限り、昨日の夜にみんなでどんちゃんやってしこたま飲んで騒いで……そっから……。


 そっから俺は記憶がないんだけど、ろぴねぇとめりにゃんを小脇に抱えて部屋に連行し、ベッドにダイブして……そのまま寝ちゃったらしい。


「一応確認しておくんだが、俺は何も……」


「何もしてくれへんかったな」

「この甲斐性なしめが」


 なんだ? 何もしてないのに責められている……?


 むしろ何かやらかしてしまった方が良かったと言うのか……?


「酔った勢いで手を出されるよりいいだろ?」



「まぁ……それはそうじゃが……」

「うちはどっちでもええんやけど」


「な、なんか……二人ともすまん」


「その発言は儂が惨めになるからやめるのじゃ!」

「すまんって思うんやったら今からでもええんやで?」


 ちょっと待ってくれ。

 めりにゃんだけならうまくやり過ごしたり言いくるめたりできる気がするがろぴねぇはダメだ。


 なんかこの子思ったよりグイグイ来るよ!?


「ほ、ほら……もう昼間だしさ、飯でも食いに行こうぜ……?」


「その前にする事してった方がご飯も美味しくなるやんか♪」


 ろぴねぇがそんな事を言いながら俺の腹あたりに飛びついてきた。


「こ、こら! 儂のダーリンに何しとるんじゃ! 別にダメとは言わんが儂が先じゃからな!!」


「魔王様……じゃなかった、えっと……ヒルダちゃん? や、もうメリニャンでええよな? 正妻は譲るけどな、うちは隙あらば頂いてまうで?」


「別に呼び方などなんでも良いが儂より早くつまみ食いはダメじゃろが!!」


「おいお前ら!! 俺の自由意志は尊重してくれないの!?」


「部屋に連れ込んでおいて何言っておるんじゃ!」

「部屋に連れ込んどいて何言っとんねん!」


 ……ご、ごめんなさい。


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