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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第八章:悪という存在。

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衝撃の告白。


「ぐえっ……め、めりにゃん、めりにゃん! ギブギブ!! 死ぬ!」


 多分死なないけど死ぬ!


「す、すまんのじゃ……しかし、まさかセスティがこんなに近くにおったとは……。その外見じゃと違和感すごいのう」


 あぁ、ずっと魔王だと思ってた奴が探してた相手でした、ってのはめりにゃんにとってはショックだったかもしれないなぁ。

 それにこの外見に関してもそう。

 顔は一緒だけど髪の色や、特に胸元あたりなんかが大分違う。


「ショコラにも迷惑かけたな」


 俺がめりにゃんとあれこれ話している間に、傍らに元の服装に戻ったショコラが立っていたので声をかけた……のだが。


「……別に。おにいちゃんがちゃんと帰ってきたならそれでいい」


 そう言ってクルっとターンし、ロザリアの方へ行ってしまった。


 なんというか、あいつも何考えてるかよく分からなない奴だが、ターンした時に小さな雫が弧を描いて落ちていくのが見えたので俺は何も言えなくなった。


 多分だけど、俺が元に戻る為に一番苦労していたのはショコラだろう。

 後でちゃんと労ってやらないとだなぁ。


「お帰りと言えばいいのかしら? それとも、よくも私を騙したなと罵ってほしい?」


 さっきまでずっと地面を蹴っ飛ばしていたアシュリーもやっと落ち着いてきたらしく、今度は俺に八つ当たりしてきた。


「おいおい。俺だって何も覚えて無かったんだから仕方ないだろうが」


「仕方ない、のと許せるかどうかは別問題なのよ」


「理不尽過ぎる。それに俺は魔王だった頃の記憶もちゃんと残ってるぞ? お前ローゼリアで俺の事殺そうとしただろ! 身体ドロドロになった怨みは忘れねぇからな!?」


「あっ、あれは……その、アレよ。魔王の外見してるあんたが悪いのよ」


 痛い所を蒸し返されたからか、ばつが悪そうに「フンっ! とにかくお帰りなさい。せいぜいナーリアにもみくちゃにされるといいわ」と捨て台詞を吐いてどこかへ消えた。


 多分城の方へ行ったんだろう。


 ナーリアかぁぁぁぁぁ。

 やっべぇめちゃくちゃ気が重いんだが。


 しかもデュクシは王国に居ないから仕方ないとして、以前のパーティメンバーの中で一番最後に知る事になる訳で。


 なんだかちょっと申し訳ないな。



 それにだよ。

 魔王としての俺はナーリアと友達だったんだぞ?

 この距離感どうしたらいい?


 ナーリアだって友達がいきなり俺でした。なんてなったら困惑するだろうよ……。


 そもそも、記憶はちゃんとあるしアレも俺ではあるんだろうけど、魔王メアとしての【私】じゃなくて今は魔王メアの身体に入った【セスティ】だからなぁ。

 その二つにはかなり大きな差がある。


「難しい顔してるところ悪いけど、ちょっとツラかしなさい」


 ロザリアが真剣な表情でそんな事を言うので、仕方なくめりにゃんにはみんなを連れて城に行っておいてくれと頼んだ。


 彼女はまだ名残惜しそうにしていたが、「大丈夫。俺もすぐに城へ行くから」と言うと、「また勝手にどこかへ行ったら次こそ許さんからな!」と涙目になりつつ消えていった。


 めりにゃんには悪い事をした。

 あの戦いで、魔王メアとの闘いで俺はめりにゃんの手を離した。


 きっとあの時めりにゃんはとても辛かっただろう。悲しかっただろう。


 裏切られたとすら思ったかもしれない。

 だけど、それでも俺はめりにゃんに生きてほしかったし、その結果としてまたこうして会えたんだと信じる。


「……で? 俺に話ってのはなんだい魔王様よ」


「……はぁ。あんたってほんとに性格悪いのね。今の私を魔王って呼ぶのやめてちょうだい……魔王はあんたでしょうが」


 この女はロザリアなどではない。

 むしろ、あの時の反応を見る限りメリーに入っているのがロザリアだ。


 おそらくアルプトラウムに精神的な細工をされていて、自分がメアリー・ルーナだと思い込まされている。


 幼少期から知らずのうちにメアと身体を共有していた彼女、そして一際メアを恨んでいる彼女を、メアリー・ルーナに仕立て上げるとはアルプトラウムは完全に腐ってやがる。


 自分が面白いかどうかだけで行動する神様なんてただの疫病神でしかない。

 必ず決着を……。


「ちょっと聞いてるの? とにかく、しばらくの間は私の事はロザリアで通してちょうだい」


「なんでだよ。お前の中身があの魔王メアだと知られるのが怖いのか……?」


 こいつは確かに俺達の敵だった魔王メアだが、同時に、プリン・セスティでもあったのだ。

 セスティとして手に入れた物を失うのが怖いのかもしれない。


「……怖い、か。確かにそれもあるわ……。だって私は沢山の人を殺したもの」


 そう言って俯く彼女は、以前の冷酷な魔王と同一人物とは思えない程、弱弱しい。


「まぁ、お前がロザリアでいたいならそうすればいいさ。俺もそう接するよ。だが……その様子だと自分がしてきた事を悪いとは思ってるんだろう? この先辛くなるぜ?」


 自分のやって来た事が罪だと認めてしまったのなら、それを隠して他人として生きるのは

 容易い事じゃない。


 目の前で当時の話が出る事もあるだろう。

 自分の悪行の話が出る事もあるだろう。

 それをどう受け止めて、どう乗り越えるのか……それは本人次第だから俺がとやかく言う事じゃないが……賢い選択だとは思わない。


「別にいいわよ……少しの間だけだもの。もう少しだけ私をメアリー・ルーナ以外の何かでいさせて」


「……お前、変わったな」


「うるさいわね。私にもいろいろあったのよ……気に入らない奴も沢山いたけれど、それでも私は……そう、私にもね、好きな人ができたのよ」


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