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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第八章:悪という存在。

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大賢者は荒れ狂いたい。


「さて……こちらのメンバーに不安しかねぇんだが」


 私は背後から襲われたりしないだろうな……?


「大丈夫。ちゃんとヤる」


 不安しかねぇ……。


「そう言えばショコラ……あんたは何をどこまで理解してたんだ?」


「……あの女がおにいちゃんじゃない事は前にローゼリアに来た時に分かった」


 ……あの鏡に映した時か?


「姫を映そうとしても映らなかったって事か。それで他に考えられる相手を映したらあの姫さんだったって事か?」


「……そう」


 ちょっと歯切れが悪いのが気になる所だが、その時に気付いたのだとしたらいろいろ困惑していただろうな。


 あの時点でそれを皆に言わなかったのは自分で確認をしてから、という気持ちがあったのかもしれないし、ただ単に他の連中に教える必要がないと思っていただけかもしれない。


 例えば気付いていたのが私だったとしたらどうだっただろう?

 ……まぁ、言わないかもしれない。


「あんたもいろいろ考えての行動だと思うが……もっとうまいやり方は有ったと思うぞ」


「こっちにもいろんな事情がある……そのうち分かる」


 まだ何か隠してる事があるって事か?

 セスティの居所に関する事だろうか?


 ……正直言うと、あの女が姫ではなくロザリアだったという時点でなんとなくだが予想はついている。


 それをロザリアも話そうとしていたのだろう。


 ……私の推測……いや、これは推測とは言えないな。ただの勘だ。

 とにかく、その勘があっていたとするのならなんと滑稽な話だろうか。


 そして私達が戦おうとしている糞神野郎はよっぽど性格が悪い。

 今の私達の状況すらきちんと把握しているのだろうし、それも奴を楽しませる演目なのだろう。


 あぁ腹が立つ。


 このイライラをどこにぶつけてやろうか……。




 ……あ、そうか。

 そうだった。


 ちょうどいい相手がこれからここに攻め込んでくるじゃないか。


「ショコラ。アンタは私より後ろに抜けた奴を始末するだけでいいからな」


「……あっそ」


 そう言ってショコラは私から少し距離を取り、地べたに横になってしまった。


 そこまで期待されちゃあ本気を出すしか無いってもんさ。


「そのまま寝ててもいいぞ」


「そうさせてもらう」


「さぁかかってきやがれ!!」


 魔物の軍勢は想像よりも相当多いように見えた。

 私の視界に入る限り黒い様々な外見の魔物達が蠢き、こちらに迫っていた。


 纏めて吹き飛ばす類の魔法は控えた方がいいだろう。

 万が一にもこの空間に張り巡らされた結界が、

 ただの結界ではなく魔法を反射するような類のものだったとしたらこの国に甚大な被害を及ぼす事になる。


 これもさらに万が一、ただ反射するだけでなく増幅して反射するようなものだったら目も当てられない。


 だから、私が取る行動は、私が担当しているこちら側の魔物や魔族を全て私に注目、集中させる事。


 そしてその全てを各個撃破する事。


 こういう場合に適した魔法はなんだ?


「……やっぱり、まずはこれだよな」


 周りに被害を出さずに戦うのに適した物。

 最近やたら使う機会が多い気がするが……まぁいい。


 私はまず自身の前面に超硬質の結界を張り、それをいつもより少し大振りな欠片へと分解させ、超高速回転をかけて四方八方へと放った。


 私の目前まで迫っていた魔物達を切り裂き、大きく弧を描いて可能な限り遠くの魔物達を細切れにする。

 今回は精密な制御なんて必要ない。

 ただただあちこち暴れ回らせればそれでいい。


 本来は繊細な操作が必要な魔法だが、今回は違うぞ。無差別に切り刻んでやる。

 しかも消費魔力はせいぜい結界を維持する分だけだ。


 この調子なら二時間は戦える。


 それに、私は疑似アーティファクトを二つ持ってきている。……ただの魔力補給姫にしかなっていないが、万が一の時はそれを使用すれば魔力の枯渇も心配はいらない。


 よって、今の私は多少無理をしても平気だ。


 つまり……こんな事をしたって問題ない!


 目の前にもう一枚同じ結界を展開させ、同じように分解、回転させて放つ。


 もう軌道なんて知った事か。

 回転する結界の数枚は私の近辺の敵を狙うように軽く操作し、残りはめちゃくちゃに暴れ回らせる。


 これなら必要以上に土壌も破壊せずに済む。

 ただちょっとばかし……いや、結構? かなり? 血生臭くなると思うがそこには目を瞑ってもらおう。


 まだまだ山ほど敵は居る。

 という事はだ、これからまだまだ沢山沢山私の八つ当たりに付き合ってもらえるって事だよなぁ!?


 その時私の頭上から誰かの声が響く。


「なんと無茶苦茶な闘い方だ……品が無いにも程がありますね。わたくしは魔族の中でも高貴で、エレガントな存在。私が貴方を華麗に始末してさしあげましょう」


 なんか変なのが来たなぁ。


「……む? 煙幕ですか? 暗闇魔法とは片腹痛い! 見えずとも気配がバレバレですよぉ!?」


 さて、まだまだ沢山魔物は残っているぞ。

 殺して殺して八つ裂きにして千切って殺してまき散らして殺して殺して私のイライラをスッキリさせてやる!


「ちょっと貴女! この高貴なわたくしを無視するとはいい度胸ですね! 私の爪の餌食にして差し上げましょう!」


 うるせぇなぁ。


「誰が、私をどうするって?」


「やっと話す気になりましたか? 命乞いはもう遅いですよ! 勿論わたくしが! 貴女を!」


「へぇ。どうやって?」


「だからこの自慢の爪で……」


「どの?」


「……えっ?? あれ??」


 まったくおめでたい魔族もいたもんだ。


「お前いつまで私の足元でギャーギャー騒いでるつもりだ?」


「手が動かない……あ、足も……なんだか、さむ……」


「うるせぇ」


 私は、とっくに首だけになって私の足元に転がっている魔族の頭を思いきり踏み潰した。


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