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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第八章:悪という存在。

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お姫様とおじさん。


「はい、これで次に元の身体に戻った時から

 大体丸一日くらいは効果が持続するはずよ」


「かたじけないのである!」


 ライゴスは嬉しそうにぴょんぴょんと飛び跳ねながらヒル……めりにゃんの体をよじ登って頭の上に座った。


 本人もそこが定位置だと思っちゃってるなら元に戻らなくていい気がする……。


「……いつまで続けるの?」


 いつの間にか私の背後にショコラが忍び寄っていて、私にしか聞こえないくらいの声で問いかけてくる。


 私は、特に声を抑える事もせず、答えた。


「いつまでも。勿論貴女のお兄さん……セスティについてはどうにかするから安心して」


「……ならいい」


 それだけ呟き、私が振り向いた時にはもう彼女は居なかった。

 遠くの方でシリルの「お姉様~♪」という声が聞こえてきたのでそちらへ行ったのだろう。

 相変わらずよく分からない女だ。


 特にこの王国に思い入れがあるようにも思えず、他の仲間達の事をそこまで大事にしているようにも思えず……ただセスティだけを追い求めているような。


 でも彼女が動かなければここまで事態が進展する事も無かったかもしれない。


 私としては複雑な心境だ。

 ありがたいような、迷惑だったような……。


 私はもっと、……もう少しの間でいいからプリン・セスティで居たかったよ。


 私がいろいろな人達の相手をしている間に、めりにゃんとアシュリーの打ち合わせも終わったようだ。


「みんな! よく聞いて。私とアシュリー、ヒルダちゃんが前線で出来る限り敵の数を減らす。城を後ろに見て前方に私、左右にアシュリーとヒルダちゃんに別れてもらうわ」


 確かに戦力的な事を考えたらそれが一番王国に被害を出さないようにする方法ではあると思う。


「その後ろに防衛ラインを引くわ。ヒルダちゃんの方にライゴスさん。アシュリーの方にショコラ、私の方にナーリアちゃんお願いできる?」


 指名されたライゴス、ショコラ、ナーリアがそれぞれの人の元へ。


「あと魔物達は戦闘に出れそうな人達を集めて、みんなのすぐ後ろに壁を作って。そこが最終防衛ラインだから絶対に突破されちゃダメだよ。指揮は幹部の人達がそれぞれ宜しく。誰がどこらへんをってのはそっちで話し合って。あとおじさんまだ寝てると思うから呼んできて!」


 おじさんって誰だろ……?

 話の流れ的に人間なのかな??


「戦力に自信が無い人達は避難! 城の方へ行ってくれる? それと……ロザリアさんは……協力してくれるの?」


 正直ちょっと迷ってしまったけれど、ここまで来たからには無視はできない。


「勿論私は構わない。それに……サクラコさんとカエルさんも手伝ってくれるよ」


「うぇっ。あたしもやるのか? ……とは言えここが滅びるような事があったらあたしも無事じゃいられねぇだろうし仕方ねぇな」


「あっしは構いやせんぜ。今度はきちんと大仕事をこなしてみせやしょう」


 おぉ、二人とも頼もしいなぁ。


「じゃあロザリアさんは城を守ってほしい。力の無い人達、魔物達、たくさん居るから。戦力的には……そちらの三人で大丈夫?」


「馬鹿言わないでよ。城を守るのは私だけで充分。言っておくけど私は貴女と同じくらいにはやれるしこいつもあるから」


 そう言ってメディファスを掲げる。


『この場合やむを得ませんね。力になりましょう』


「ありがとう。じゃあ残りの二人は……」


 そう、それなんだけどちょっと考えがあるんだよね。


「ねぇ、この二人の配置については私に任せてもらえる?」


 魔王は少し考えてから、「いいわ。その人達の事は貴女の方が知ってるでしょうし」と言ってくれたので私が配置を指示する事にした。


「サクラコさんは大抵の事じゃ死なないしめっちゃ強いから戦場を駆け回って暴れ回ってもらうのが一番効果的だと思う」


「お前あたしの事なんだと思ってんだよ……でもまぁ、好きに暴れていいってんならそれが何よりだけどな」


「んで、カエルさんは聖竜さんと知り合いだったよね? だったら聖竜さんに乗せてもらって空の敵をどうにかしてもらうのはどうかな? 空に居るのはほとんど後天的に魔物になった鳥とか虫ばっかりだからなんとかなるでしょ」


「……あっしに異論はありやせん。組む相手が聖竜殿と一緒ならば百人力でさぁ」


 これで大体の布陣が固まったかな?

 空はほとんど聖竜さんに任せる感じになると思うけど。

 カエルさんは聖竜さんに纏わりついてきた敵を片っ端からやっちゃってもらおう。


「さっきから話を聞いていれば私の事を忘れているのではありませんか?」


 食堂の奥から、顔の片目にだけレンズをつけたおじさんが出て来た。

 これがさっき言ってたおじさん?


「あっ、ごめんアレクさんの事忘れてた! アレクさんも戦ってくれるなら心強いよ♪ アシュリーとショコラの所にヘルプ行ってもらえる?」


 アレクっていうおじさんの顔が一瞬引きつった。


「なぜ……よりによってその二人なのです……?」


「え? だって仲良さそうだったじゃん」


「……なるほど」


 もしかしてそこの二人と一緒なのはちょっと抵抗ある人なのかな?


「じゃあこのアレクって人にはサクラコさんと一緒に暴れてもらったら?」


「あ、そういえばアレクさんとサクラコさんって知り合いだったね! じゃあそれでよろ!」


「なん……だと……?」


 今度は思い切り引きつってた。



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