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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第七章:己の証明。

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大賢者は役立たずがお嫌い。


「現存する私の欠片がいくつあるのかは分かりかねますが、ある程度近距離に存在する場合については流石に分かりますよ。私自身ですからね」


 そりゃそうだろうな。それに、近くにあるならおそらく私やメリニャンでも探知可能だろう。

 魔力の種類で一定範囲内のサーチが可能だ。


 メイディが言っているのが私達のとどの程度範囲が違う物か分からないが……もし近付いたら自動的に分かる、というならメリットはある。


 こちらの場合はサーチかけてやっと分かる程度だから、近くにあってもスルーしてしまう可能性もある訳で……。


「あんたはメディファスレプリカが近くにあれば確実に分かるのか?」


「……? どういった意図での質問か少々分かりかねますが、はい。とお答えしましょう。自分の欠片ですからね……身近にあれば感覚で分かります」


 そりゃ便利だ。だったら使い道は大いにあるぞ。それに神が味方に付くと言うのであればアルフェリア……いや、アルプトラウムに対しての切り札にもなるかもしれない。


「貴女が何を考えているかは分かりませんが私はあまり力にはなれませんよ? 私は今や意識だけの存在のようなもの。メイディ・ファウストとしての力の多くは分散、拡散し、そして残りはアルフェリアに取り込まれていますからね」


 ……私が何を期待していたかもお見通し、か? なかなかに食えない女だ。


「だとしても奴の事を知っている相手がこちら側に居るのはメリットだ。それにメディファスレプリカとして現存する物が見つかればそれだけプラスになる。あんたはこっち側に付くと思っていいのか?」


 メイディは少しだけ困ったような顔をしつつ、「はい」と答えた。


「私としては、この剣のメディファスの中へと放り込まれてしまっている訳で、だったら所有者の力になろうかなと。それに……あのおバカさんには少しお灸を据えたいところですしね」


 彼女はそう言って少し寂しそうに笑う。

 アルプトラウムとどういう関係だったのか気になる所だが、別に色恋絡みという訳ではないだろう。


 どちらかと言えば腐れ縁だとか、知り合いとして責任を感じているとかそんな感じに思える。


 というか、ショコラは直接的に関係ないから興味なさそうにしてるのも分かるんだが、セスティは何してんだ。


 メイディを眺めて口を半開きにしながらぽけーっとアホ面で突っ立ってる。


 お前はもう少しちゃんと話聞いとけよ。


「そういえばあんたが出て来たって事はこのメディファスはどうなる? さっきの遺跡の奴みたいに取り込まれるのか?」


「いえ、あくまでも私はこの剣の中にお邪魔しているだけですからね。力にはなりますが、普段は引っ込んでいるつもりです。このメディファスは主と強い繋がりがあるようですし、私が邪魔をするのも悪いですからね」


 神様って奴はみんなアルプトラウムみたいに糞みたいなのだと思っていたが、どうやらそんな事も無いらしい。

 このメイディが特別理解があるだけなのかもしれないが、アルプトラウムが特別糞野郎だというのだけは確かなようだ。


「ではそろそろ私は下がります。後はこの子に任せますので」


 そう言うと彼女の身体はぼうっと光に包まれ、もともと透明度の高かった肌が半透明になり、やがて剣に吸い込まれて消えた。


「うわー。なんかすごい事になっちゃったね。私が知ってる神様とは全然ちがってめっちゃいい人じゃん!」


 セスティは元々お気楽な部分があったが、それはけっして能天気という意味では無かった。


 今のこいつはかなり能天気というかアホの子にしか見えない。

 記憶と一緒に大事なネジまでどっかに落としてきちまったんじゃねぇのか?


『……我、困惑』


「お、メディファスは元に戻ったようだな」


『貴女はアシュリーですね。お久しぶり、でいいのでしょうか? 主がここに居るという事は無事魔王に勝てたのですね』


「おぉ! 剣がしゃべってる! すげぇー!」


『あ、あるじ……? アシュリー説明を求めます』


 ……まぁ、事情をまったく知らなきゃこうなるわな。


 面倒だが私は魔王戦以降何があったのかをかいつまんで説明してやった。


『……なんと、主は今アホの子でしたか』


「アホの子って言うな! 剣の癖に失礼だぞお前!!」


『いや、失礼致しました。どうにも調子が狂いますね……』


「だからアンタを修復しに来たんだよ。こいつの記憶を呼び覚ましたい。出来るか?」


『記憶が消失したのではなく封印された物であれば解放は可能です。完全に消し去られていればどうにもなりません』


「御託はいいからさっさとやってくれ」


 いつまでもこの状態じゃ話が進まねぇからな。


「うわぁ……私おっさんに戻るの? 嫌だなぁ……やっぱりやめない?」


「今更逃げるとか許さない」


 怯えだした姫をショコラが羽交い絞めにして身体を拘束する。


「ちょっ、離し……う、動けない……てか変なとこ触るなっ!」


「でかした! メディファス! 今だやっちまえ!」


『主、お許しを……!』



「……どうだ? 何とかなりそううか?」


『肯定。記憶回路に蓋がされているだけのようなのですぐに復旧可能です……終わりました』


 早い。仕事が早いのはとてもいい事だ。……が、


「……何も変わらないけど?」


 記憶戻ってねぇじゃねぇかこの役立たずめ!


『あれぇ?』


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