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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第七章:己の証明。

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大賢者は嫌な予感が止まらない。


「正確に言うならばメイディ・ファウストの

 残滓、と言った所ですね。私に以前の力はほぼ残されておりません」


「待て、聞きたい事が山積みだ……。神であるところのメイディがどうしてメディファスなんてアーティファクトに? レプリカってどういう事だ」


 必死に情報を整理しようとするが動揺が激しくてうまく纏まらない。


「貴方達に分かりやすくかいつまんで説明致しましょう」


 神は語る。

 神話の時代、神々がこの世界を管理していた頃天敵のエンシェントドラゴンとの激しい戦いの後、神側の勝利によりエンシェントドラゴンが滅びた事。


 どういう理屈かは分からないが姫が着ているマリスはその生き残りという事だろうか?


 そして、彼女の話によれば、神々の中にも変わり者は居る。それがアルフェリア。今はアルプトラウムと名乗っている私達の敵だ。


 アルフェリアは神と袂を分かち、人と関わりを持つ。異端視された彼は神々から狙われる事になるが、逆に天界へ忍び込み、当時十二柱しか残っていなかった神達を全て殺した。

 メイディ・ファウストだけはアルフェリアと親交があり、理解者でもあった為、戦闘にはならず一つになる事で彼の行く末を見守る事にしたらしい。


 なぜそれが今更ここに居るかと言えば、ただ単にアルフェリア……アルプトラウムが、姫とメアの戦いの後メディファスの中へと移動させたとの事。


「あの人のやる事にはいちいち理由を求めてはいけません。考えてもくたびれるだけです」


 そう呟く神様は、なんだかとても疲れたような声で、しかし懐かしそうな、そんな不思議な目をしていた。


 アルフェリアは神を殺し、メイディ・ファウストを取り込んだ後、アーティファクトを用いた人間達と戦闘になる。

 神はアルフェリアを討伐する為、アーティファクトを数多く作り上げたが、作り手の性格もありかなり危険な代物も混ざっていた。

 それを神々は危険視して使用を躊躇っている間に逆にアルフェリアに殺される事になったわけだ。


 残っていたアーティファクトを人間達に与えたのはほかでもないアルフェリア自身である。

 その力がゆくゆくは自分に向けられる事になるのだから因果な物だ。


「あの人は本当に楽しければなんでもいい人なので……きっと力を手にした人間達がどうなるのかを見たかっただけなんでしょうね」



 結果的に長い戦いの末、アルフェリアは人間に更なる可能性を見出し、おとなしく封印される事を選んだ。

 長い時を経た際人間達が後の世でどうなるのかを見る為、そして、自分を解き放てるような存在が現れるのを待つため。


 それすらもただの気まぐれ、楽しむ為の手段の一つでしかないというのだから呆れたものだ。


 結果的にアルフェリアは解き放たれる。魔王によって……。


 その際、アルプトラウムという名を名乗り始めたらしい。


「今までに至る経緯は分かったが、アンタとレプリカの関連性がわからんな」


「……そうでした。聞かれていたのはそれでしたね。つい昔話をし始めたら懐かしくなってしまって申し訳ありません」


 調子が狂う。

 ひどくマイペースで、まるでどっかの誰かさんを思い出してしまう。

 あの神に連れ去らわれたメリーの事を。


「メディファスというのは私がアルフェリアに取り込まれる前に保険として残しておいた私の自我と力の欠片たちです。基本的に形は持たず、私という概念を分割し世界に散らしました」


 概念を分割して世界に散らす……? 全く何を言っているか分からん。


「難しく考えなくて結構ですよ。要するに私を幾つかに分けてばら撒いただけ。それがアーティファクトに引かれて融合した物がここに安置されていたメディファスだったというだけです。どちらかと言うとメディファスはアーティファクトというよりこの遺跡その物との融合をしていたようですけれどね」


 頭が痛くなってきたぞ……。


「じゃあそのメディファスが他の何かに融合して存在している可能性は……」


「勿論ありますね。これだけ長い時が経っているのですから現存する物はレアケースでしょうが」


 ……この先もっと面倒な事になるかもしれない可能性が増えた。

 もし現存しているメディファスがあった場合、あの糞神野郎が放っておくわけがない。


 願わくばこちらが先に手に入れるか、もしくは全て失われている事を願うばかりである。


「現存するメディファスの数は調べられないのか?」


「残念ながら分かりかねます。何と融合しているかも分りませんし」


 それが面倒なところだ。ここでは遺跡と融合し、遺跡と繋がっているアーティファクトへと融合を果たした……。


 アーティファクトに限らずあらゆるものに融合している可能性があるとするならば、目星をつける事も難しいのでこちらから意図的に探す事は難しいだろう。


 しかもどれだけの数が残っているかも分からないときてる。


 勿論、現存していない可能性もあるが……。

 正直言うととても嫌な予感がしている。


 私のこういう嫌な予感は、大抵当たってしまうのだ。







今回簡単に説明のあった神話の時代の詳細や、ローゼリアで何が起きたのかについてはぼっち姫外伝【滅国の魔女】をお読みいただくといろいろ分かるようになっております。



ぼっち姫は目立ちたくない!の前日譚

【滅国の魔女 〜姫が王国を滅ぼした理由〜】

https://ncode.syosetu.com/n9934fl/


目次ページ最上部のシリーズリンクからもどうぞ☆


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