表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第七章:己の証明。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

303/637

ぼっち姫、ヤバめの人と再会。


「で? どうやってそれ開けるんだ?」


 サクラコさんがぺたぺたとドアを触って確認しているが、どうやら押したり引いたりじゃ

 開かないらしい。


「うーん。何か方法がある筈じゃが……前は最初から開いておったからのう……あっ」


 めりにゃんが何かに気付いたように当時の事を話し始めた。


「確かあの時はここにセスティと二人で入って……閉じ込められたんじゃ。そしてそのままとある方法で転移する形で脱出してしもうたのでここが閉じたままなのやもしれん」


「えっと……そういう事情だったのは分かったけど、それだとどうやって開けたらいいんだろうね?」


 私が思い切り押しても開かなかったから力でどうにかするっていうのは難しそう。


 周囲の壁をぶち抜いて中に入ろうかなって思って岩肌をぶん殴ろうとしたらサクラコさんに止められた。


「馬鹿かお前はっ!! 多分この壁の向こう側は扉と同じ素材で囲まれてるだろうし、万が一そうじゃなかったとしてお前が壁をぶち抜いたら衝撃で崩れかねねぇだろうが!」


「そんな事ないもん! ちゃんと一か所だけに集中してうまく穴開けるよ!?」


「それが信じられねぇって言ってんだよ!!」


 サクラコさん……私の事馬鹿にしすぎじゃない!?


「めりにゃんも何か言ってやってよ!」


「えっ、儂!? うーん……その、わしの知ってるセスティじゃったら……」


「じゃったら!?」


「やりすぎて崩壊じゃろうな」


「ほら見やがれ!」


 そんなぁ……。めりにゃんまで。


「じゃあどうするの? 何か開けられる方法ある?」


 このままここで立ち往生してたって何も進まないし、またあのへんな奴等が襲ってくるかもしれないし。

 まぁそれがきたらまたカエルさんに頑張ってもらえばいいけど。


「うーん……困ったのう。何か方法があれば……せめて転移が使えるようになればこんな壁一枚あっという間なんじゃが……」


「シリルは? 開けられる?」


 今まで黙っていたショコラが、更に口数の少ないシリルに問いかける。


「……ちょっと見せてもらいますわ」


 シリルはぺたぺたと扉を触って、しばらく顎に手を当てながら「うーん……」とか、「これは……」とか言ってたけど、やがてこっちに向き直って首を横に振った。


「これは私じゃだめですわ。扉のシステムが普通のアーティファクト貯蔵庫とは別の仕組みになっております。中にあったアーティファクトは余程こういう事に特化したタイプだったのかもしれませんわ」


「打つ手無し……か? どうするよ。一回外に出て対策考えるか?」


 サクラコさんはやれやれといったふうにため息をつく。


「その必要はないわよ」


 聞いた事が無い声が、遺跡内に響く。

 私達の背後から……誰かが来たみたい。


「ちっ……」


 その場にやって来た闖入者を見てショコラが舌打ちをしたのが見えた。


「なんでここが分かったの……アシュリー」


「アシュリーだって!? 大賢者アシュリーか!?」


 ショコラの発言に一番に反応したのがサクラコさんだった。


「マジかよあの大賢者アシュリーがこんな美少女だったとはっ!!」


 サクラコさんは目にも止まらぬスピードで、私達の後ろからきたアシュリーの背後に回り思い切り抱きしめた。


「ひっ! な、何よこいつっ!!」


「うわー肌めっちゃすべすべ! ヤバいエルフ耳だ! 髪の毛サラサラだぞたまんねぇな!!」


「ちょっ! やめ……な、なんなのこいつ!!」


 アシュリーって人は、決め台詞とともにかっこよく現れたのに一瞬にしてその威厳が砕け散った。


「それカオルコ・サクラコ。私の師匠」


「はっ、離れろぉっ!!」


 アシュリーが見境なく魔法をぶっ放した。


 洞窟内に雷が弾ける。


「ちょっ! 何してんの!!」


 バリバリバリっ!!

 一瞬でその場が大混乱に陥る。

 特にカエルさんは雷が苦手みたいで顔を真っ青にして逃げ回ってる。


 私はちょっとビリっとくるくらいでなんとかなったけど、一番近くにいたサクラコさんは真っ黒になってた。


「し、刺激的だ……」


 あの状況でもそんな事言えるならサクラコさんは本物だ。


「はぁ……はぁ……くっ……弟子が弟子なら師匠も師匠かっ!!」


「こんなところで魔法使うとか馬鹿なの?」


「うっさいショコラ! あんたのせいでしょうが!!」


「ちがう。師匠のせい」


「あんたのせいも同じでしょうが!! それに元はと言えばあんたが勝手に居なくなるから!」


 うわぁ……もうわちゃわちゃすぎてどう収拾つけたらいいかわかんないよ。


「……だからどうやってここを突き止めた?」


「私が作った通信機持ってるだろうが」


「ちっ。これに追跡機能でもつけてたの?」


「まぁそんなところだな。姫まで一緒とは驚いたが……まぁいい。それより、その扉を見せてみろ」


 私を見てもあまり驚かないあたり大賢者っぽい風格を醸し出してる。

 これは期待できるかもしれない。


 アシュリーは壁際に退避してる私達の中央を堂々と歩き、扉に手を当て言った。


「……あ、こりゃ無理だわ」


 お前何しに来たんだよ!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓☆クリックで作品へ☆↓
sample
「転生はもう結構です!」
作者最新作!異世界転生TSファンタジー☆彡

小説家になろう 勝手にランキング
ワンクリックお願いします♪
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ