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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第七章:己の証明。

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ぼっち姫、尻と胸。


「えっ、このお嬢さんも一緒に行くんですかい?」


 翌朝、出発の準備を整えて私の部屋にカエルさんが来た時にショコラの事を説明してあげた。


 どうやらカエルさんはショコラと面識があるらしくて、この前はその時の事を話そうとしてショコラに黙らされてたんだね。


 チラチラとショコラの事を横目で気にしながら話すカエルさんが少しだけ不憫に感じる。


 サクラコさんはそんな二人をニコニコしながら見つめているけれどなんかこの人が笑ってると怖いんだよなぁ。


 彼女的にはショコラを見つけるって目的が達成されたんで嬉しいのは分かるけど。


 カエルさんがショコラを見てビクビクしててショコラがサクラコさんを見てビクビクしてる感じ。


 とりあえずサクラコさんが私に手を出さないというのをショコラに約束させたので、私の身の安全は確保されたんだけど、だからといって私の部屋に泊まっていくのはどうかと思う。


 布団が無いから一緒に寝ていいか聞かれて私は結構精神をすり減らした。

 最終的にはOKしたけど、何かしたらサクラコさんにお仕置きしてもらうって何度も言って無事を確保した。


 布団の中でうめき声とか荒い吐息とかが聞こえてくるのは結構私的に恐怖を感じたけれど、これが私の妹だというのであれば受け入れてやらなきゃならないだろう。



 結果的に、なんとか翌朝……つまり今日を無事に迎える事ができた。

 私もショコラも若干寝不足で目が赤いけどね。


「別に警戒しなくていい。もう私の正体はバレちゃったから気にしないで」


「へ、へい。そういう事であれば……」


 カエルさんはまだ腑に落ちないような顔をしてるけどまぁそれも仕方ないよね。


「あ、そうだ。もう一人連れが居るんだけどそれも一緒に連れていっていい?」


「連れって……あ、時々声が聞こえて来てた人?」


「そう。尻と胸っていう卑猥な子」


 どういう事だよ。


「お姉様っ!! こんな所にいましたの!? 置いて行くなんて酷いですわ私ひもじい思いをしながらずっとゴミ捨て場の片隅で夜をあかしたんですわよ……?」


 バァン! と部屋のドアを開け放って黒髪の巫女服少女が部屋に飛びこんできた。

 泣きながら。


「ごめんごめん」


「ごめんじゃないですわよ! ……あら? この方達はどなたですの?」


 この子……本当に今までなんにも知らされずに振り回されてきたんだなぁ。可哀そうに。


「私の師匠と、カエルと正体不明の女」


「その説明じゃ全然わかりませんわ……カエルは分かるとしてどちらが師匠でどちらが正体不明女ですの……? あら、この方はこの前鏡に映っていた方ですわね」


「そもそも正体不明女ってなによ。私はプリン・セスティ。ショコラの……えっと、兄よ」


「あ、貴女が噂のお兄様ですの!? お姉様にしか見えませんけれど……でもそういう趣味もありますものね。私は気にしませんわ」


 理解力の深さが切ない。


「えっと、名前を教えてもらってもいい? 私ショコラから尻と胸って卑猥な子としか聞いてないんだけど」


「しっ、尻と胸じゃありませんわ! 私の名前はシリル・ムネリアですわよっ!」


 あぁ、確かに尻と胸だな。


「さて、じゃあこの二人を加えてエルフの森へ出発だ」


 サクラコさんが無理矢理話を纏めて、まだ状況がよく分かってないシリルも含め、この五人で旅を再開する事になった。


 出発し、馬車に揺られているとシリルはショコラにべったり。

 ショコラもショコラでまんざらでもなさそうだし、たまに手を出してはサクラコさんに「こんな所でおっぱじめんじゃねーよ!」と怒られていた。


 サクラコさんは何気にそういう常識めいた物をきちんと持っているらしい。


「ところで皆さんはエルフの森に何をしに行くんですの?」


「あのね、この剣を直してもらいに行くんだ」


「……それ修繕が必要には見えませんけれど……」


 シリルが私の剣をじろじろ見つめては、「ん?」とか「あれ?」とか言ってる。


「お兄様、それちょっと貸してもらってもいいですか?」


「別にいいけどそのお兄様ってのやめてマジで」


「でもお姉様のお姉様というのはちょっとややこしいというか……」


「プリンでいいってば!」


 お兄様とか言われると嬉しいような悲しいようなやっぱり悲しいような感じになる。


「じゃあプリンさん。ちょっと剣をお借りしますね」


 私はシリルにメディなんとかいう剣を渡した。


「……やっぱりこの剣どこも刃こぼれとかないですわよね?」


「あぁ、それはね、その剣は……」


「ふむふむ。見たところアーティファクトですわね」


「わかるの!?」


 驚いた。この子……もしかして普通の子じゃないのかな?


 そりゃこのショコラと一緒に居るんだから普通ではないんだろうけれど。


「……確かに壊れていますわね。アーティファクトを損傷させるほどの出来事なんて考えにくいですが……」


「これでしたらエルフの森に行っても意味がありませんわ。あの方達はアーティファクトについて詳しい訳ではありませんし」


 ちょっと、この子いったい何者……?


「シリルはこの剣の直し方が分かるの?」


「はいですわお姉様♪ でもそれには然るべき場所が必要ですの」


「サクラコさん」


「ああ、分かってるよ。こりゃどうやら目的地の変更が必要だな」



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