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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第五章:廃都ローゼリア。

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ぼっち姫、再会?


 私は、とうとう昔の自分と関係があるっぽい人と出会う事ができる。

 闘技場で会った格闘家の人は偽物だったしね。


 お姉さんに案内されて街を行くと、どんどん怪しげな路地に……。


 これ大丈夫なのかなぁ……。


 やがて、一際派手な看板を掲げた、いかにもいかがわしい感じのお店にたどり着いた。


「私の働いてる店はここだよ。 今女将さん呼ぶから待ってて! おーいおかみさーん!」


「女将って呼ぶんじゃないよ! 何回言ったら分かるんだいこの子はっ! 私の事はママと呼べと……! ……って、そのえらいべっぴんさんは誰だい? 入店希望かい?」


「あ、いえ私は……」


 お姉さんの呼びかけに飛び出てきたのは化粧がちょっと濃いけど綺麗なおば様って感じの女性だった。

 髪の毛はショートカットで、金髪の中に何束か赤やピンクのメッシュが入ってる。

 で、服装は胸元ががっつり開いた着物。ニポポンの服と似てる気がする。


 エキセントリックおば様。

 その表現がとてもしっくりくる。


 お姉さんがさっきのチンピラたちの事や私に助けられた事、そして私が勇者のパーティメンバーだった事などを女将さん……じゃなかった。ママさんに説明すると、とても驚いていたけれどにこやかに私をハグしてくれた。


 なんだろう。

 すっごくあったかい……。

 ロンシャンにも気のいいおばちゃんとかいたけど、そういうのとは違ってなんというか母の愛、みたいな柔らかくて暖かい感じ。


 さすがこういう沢山の女の人が務めるお店の一番偉い人だなって思う。

 こういう包容力があるからみんなついていくのかな?


「勇者と一緒に旅をしてたなんて凄いじゃないか。うちの子も小さい頃に家を飛び出して出て行ったっきりでね、風の噂で勇者と一緒にいるなんて聞いた時は驚いたもんさ。うちの子は元気にしてたかい?」


 う、この期待の眼差しに応えてあげられないのは結構辛い物がある。

 ちゃんと謝らないと。


「ごめんなさい。私、実は記憶がなくなっちゃってて……勇者のパーティだった事は間違いないらしいんですけど何も覚えてないんです。今は私の事を知ってる人を探してるところなんです」


「あら……そうなのかい? こんなに若いのに大変な思いをしてきたんだねぇ」


 ママさんはそう言ってまた私を優しくハグした。

 今度はつい私もぎゅっとしてしまった。もちろん、ちゃんと力は入れないように気を付けたよ?


「でもそれならどうやって自分がそのパーティに居たって気付けたんだい?」


「あぁ、それなんですけど、私身分証は持ってたので。ママさんはこの名前に見覚えとかありませんか? どんな些細な事でもいいんですけど……」


 もしママさんが私の情報とか何もしらなくても、その子供の居場所とかに心当たりがあったりすれば話は進む。


 でも小さい頃に出て行ったっきりだって言ってたし難しいかなぁ。


「……なんだいこれ?」


 ママさんが眉間に皺を寄せて私の身分証のカードを見つめていた。


「……わたしゃ目が悪くなったのかね? なぁユリ。私にはここにプリン・セスティって書いてあるように見えるんだけど」


 ママさんがお姉さんに私の身分証を見せた。

 あのお姉さんはユリというらしい。


「えっと……うん、確かに書いてあるね」


「んんー?? ちょっと待っておくれよ。わたしゃ今人生で一番頭が混乱してるよ?」


 何かおかしな事でもあったのかな。


「ど、どうかしましたか? ちゃんとした身分証らしいのでそれが本名で間違いないと思うんですけど……」


「あ、あぁ……そう、なの?」


 どうにもママさんの様子がおかしい。

 歯切れが悪いというか、何がなんだか分からないっていう様子だ。


「確認するよ? あんたは勇者と一緒に旅をしていた」


「そうみたいです」


「あんたはプリン・セスティ」


「そう、ですよ?」


「で、あんたは女だよね?」


「……まぁ、多分」


「多分ってどういう事だい? わたしゃそこが一番気になってるんだよ」


 えっと、この人は何が聞きたいんだろうか……。


「えっと、私の妹のショコラって子が居るらしいんですけど、ショコラとしばらくの間一緒に居た人と知り合いになりまして」


「ショコラだって!? あの子は無事なのかい!?」


「え、えぇ……今はまた行方が分からないらしいですけど……。それで、その人が言うには、ショコラはお兄ちゃんを探していたらしいんです。なのに私はこの通り女なので……ちょっと私も混乱してます。もしかしてオカマなのかなとか……」


 それが一番気になってる所なんだよね。

 お姉さんが私を見る目が一瞬にして変わっちゃったし。やめてそんな目で見ないで悲しい。


「……じゃあ、男かも、しれないってこと?」


「認めたくはないですけど、そうらしいです」



「そう、そっか……実は勇者と一緒に旅してたっていう私の子供……息子はね」


 ママさんは私の事を何とも言えない表情で見つめながら、言い辛そうに次の言葉を吐いた。


「プリン・セスティって、言うんだよね」




 ……なんてこった!

















お読み下さり有り難うございます。


評価、感想、レビューなど頂けると非常に励みになりますので応援よろしくお願いします。


★☆★☆★☆★☆★☆★☆


現在新作準備中!!

おそらく9月前半から公開予定です。

ヽ(=´▽`=)ノ


現在毎日更新中の二作に加え、もう一作毎日更新する予定で鋭意書き溜め中です☆


少しでも興味を持っていただけたら是非とも作者マイページより作者のお気に入り登録の方をよろしくお願いします♪



詳しい時期等判明し次第、活動報告の方でご紹介いたしますので是非是非☆


★☆★☆★☆★☆★☆★☆


以下作品紹介


ぼっち姫は目立ちたくない!の前日譚

【滅国の魔女 〜姫が王国を滅ぼした理由〜】

https://ncode.syosetu.com/n9934fl/

作中登場のあの人達が主役の物語。ぼっち姫と合わせてお読みいただけるといろいろ分かるようになっています。



★新作★

【とある魔王の日記帳。】

https://ncode.syosetu.com/n5782fo/

毎日1話更新。2〜3分で読める日記コメディです☆


どちらも上記URLか作者の作品一覧よりご覧ください☆

下部にある広告下にもリンクがありますのでそちらからもどうぞ♪

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