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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第五章:廃都ローゼリア。

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大賢者は探索してみる。


「おまっ! 急に私の背後に現れるなと!」


「ごめんごめん。で、シリル呼んだ?」


「はいですの♪ お姉様の持ってるラージュの短剣をお貸しくださいませ♪」


 あの至宝の短剣? それが一体……?


 シリルはショコラの隣にぴょんと降り立つと、短剣を受け取り、とてとてと宝物壁とやらの上を歩き回り、「ここですわ♪」と言いながらしゃがみ込んだ。


 彼女が短剣の束を宝物壁に近付けると、赤い光が場を包み、そして。


「うわぁっ!?」


 地面が無くなった。

 今まで私達が居た足場、宝物壁が一瞬にして消えうせた。


 慌てて浮遊魔法を使い、自分の身体と、落下している連中をふわりと救い上げ、ゆっくりと地面へと着地させた。


「おねーちゃーん! 大丈夫ですかー?」


「マスター。早く帰ってお肉たべましょーよー」


「こっちは平気だ! それと肉はまだだぞ! 帰ったら食わせてやるから待ってろ!」


「わおー♪ マスター大好きですぅ~♪ じゃあ早く帰りましょ~☆」


 まったく。お前がおうちに帰りたいとか言い出したくせに、私が【帰ったら】って言っても平然と受け入れやがって。


 お前の帰る家はどっちなんだよ……。


 でも自然と悪い気はしないな。


 ……ふん、どうでもいい。それより宝物庫の中身だ。


 当たり前だがここは正規の入り口では無いようで、二方向に通路が伸びていた。


 どちらに進むべきかは考えなくても分る。

 今いる場所はちょっとした広さのある部屋だったが、まさに金銀財宝の山がそこには広がっていたが、今ここに降り立った私、アレク、シリル、ショコラはそんな物まったく興味がなかった。


 それよりも、その宝の山の奥、不自然な位置に通路がある。

 おそらくそこには扉があったのだろう。誰かが開けて奥に行き、そのままになっているという感じだ。


「ローゼリアの財宝、少し興味は有りますが今はアーティファクトの方が重要ですね」


「私は金目の物に興味は無い」


「私はお姉様さえいればそれでいいですわ♪」


 本当におめでたい連中だ。

 しかし、逆に都合がいい。ここで足止めをくらっていたら探す物も見つからない。


 私達はナーリアとメリーをそこに残し、メア達が来てもそこで待たせるように言い含めて奥へ進んだ。


 通路は細く、明かりも無いため真っ暗だったので魔法で明かりを灯しながら進む。


「この壁も宝物壁とやらで出来ているのでしょうか? 明らかに人工物ですが、それにしても美しく滑らかな壁ですね」


 壁を褒めちぎるとかそういう趣味のおっさんか? あまり分かり合える気はしない。


 しばらく進むと、今までとは少し違った白銀の扉が現れる。

 押しても引いても開かなかったが、妙な窪みがあったので再びショコラの短剣の束の部分を宛がうと、扉が発光し消滅。


 そこには台座があり、以前はそこに重要な何かが保管してあった事が伺える。


 私は明かりを強くして部屋全体を照らし、魔力反応を調べた。

 近くまでくれば私でもおそらく感知する事は可能だろう。


 しかし、その部屋には結局何も無かった。


「おかしい。ここにアーティファクトがあるのは間違い無い筈だが……」


「それならあの宝の山の中にあるんじゃないの?」


 そう言ったのはショコラ。

 確かにあの中に紛れている可能性はあるな……ただ、それを考えると大した物は残っていないだろう。


「仕方ない。戻ってあの中を調べてみよう」


 と、財宝のある部屋に戻ってくると、シリルが即見つけた。


「多分これだと思いますわ♪ まさかこんな所で再び出会う事になるとは思いませんでしたが」


 シリルが何かの反応に気付いたらしく、金貨の山をほじくり返して発見したのは小さな勾玉のようなアーティファクト。


「これはラージュの短剣、ミーアの手鏡と一緒に私が以前守っていたニーサの勾玉です。これで三つの至宝が揃いましたわ♪」


 そう言ってシリルがさも当然のようにそれをショコラに渡した。


 くっ、シリルが見つけてしまった以上それの所有権がショコラに有ると言い張るだろうし、これに関してはあまり触れない方がいい。


「この勾玉は何が出来る?」


「ニーサの勾玉は私も機能の一部しかしりませんが、知りたい事を視る事が出来るという効果がありましたわ」


「それ短剣と鏡とこいつ役割被ってない?」


 ショコラがシリルにぶつぶつ言いだしたが、ちょっと待てよ。ショコラが今言った事を分析すると、短剣も鏡も大した効果が無いという事なんじゃないか?


 だったら恐れる事は無い。


「どうやって使うんだ?」


 とりあえず役に立つ物なのかどうかだけは確認しないとな。


「短剣は真実の姿を、そして鏡は必要な対象の姿を、そして勾玉は知りたい情報を視覚情報として視る事が出来るようになります」


 いまいちその説明だと分かりにくい。

 が、私が考えている事が正しければ……これをメアに渡せばライゴスの願いは叶うだろう。


 やはり出来過ぎている。


「それだけじゃありません! 至宝は三つ揃うと特別な……」


 どがぁぁぁぁぁぁん!!


 なんだ!? 何が起きた!?


 財宝の山の中に、何かが落下してきた。


 音の方を見ると、私の目に飛び込んできたのは、財宝の山の中にあった趣味の悪い剣に腹部を貫かれ血を流す私の妹。


「ナーリア!?」



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