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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第四章:収束点。

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魔王様のセクハラ撃退法。


「ひぃぃやぁぁぁぁぁっ!!」


 急にお尻を撫でまわされて私はつい思い切り、背後に居た人物へ肘打ちを入れてしまった。


「へぶしっ!」


 変なうめき声をあげて尻撫で犯がふっとび、地面をごろごろと転がる。


「お、おじさん! ごめん!」


 この人はいつもこうなのだ。

 どこの誰なのかよく分からないけど、このおじさんはディレクシアへ続く大通りのど真ん中でぶっ倒れていた所を拾ってきて介抱した事が切っ掛けでこの国に協力してくれるようになったのだが、とにかくセクハラがひどい。


「うおぉぉぉ……。今のはどの魔族の攻撃よりもきっつかった……」


 その都度私は力の加減も忘れてぶん殴ったり蹴ったりしてしまうのだが、その度に腕は折れるは足は折れるはボロボロになる。


 それを毎回回復させてあげてはまたセクハラをされて……という、なんというかある意味すさまじい精神力の持ち主なのだ。


 丈夫だなぁとは常々思っていたけれど、よく考えたらおじさんが魔族二十四人を倒したっていうのはさすがに驚いた。


 本人もボロボロだったけれど、本気を出したらすっごく強い人なんだって事は分かった。


「おじさん、大丈夫?」


 転がったおじさんに回復魔法をかけて手を貸してあげると、「おっと」とか言ってよろけたふりをして私の腰のあたりに抱き着いてきたので顎に膝蹴りをかます。


「ごぶっ……」


「あの……その方はいったい……」


 ナーリアちゃんもドン引きだよ。


「おじさんは相変わらずだなぁ。とりあえずもう私は元気になったから大丈夫だよ」


 もう一度回復をかけてあげて、今度は少しおじさんから距離を取る。


「そうかい? 魔王ちゃんはそうやって笑ってる方が似合ってるし可愛いぜ」


「もう。そんなふうにお世辞言ったってセクハラは許さないんだからね」


「はっはっは。じゃあそちらの美しいお嬢さんはどうだい? おじさんと危ないアバンチュールでも」


「うわ……」


 ナーリアちゃんは分かりやすくドン引き。

 こういう人が苦手なのかそもそも男の人が苦手なのか……。

 それはちょっと分からないけれど、女性なら大抵の場合は引く。


 このおじさんは相手が女性であれば種族も外見も気にしないとんでもない人だ。


 ろぴねぇだって何回も被害にあっている。


 しかし、リルルさんだけは最初の一回以降被害にあう事は無い。

 大抵の場合いつも近くにジービルさんが控えているのと、おそらくリルルさんに何かしようものならジービルさんは本気で殺そうとするだろう。


 一度それで三日ほど追いかけまわされ、泣いて許しを請い、それ以降リルルさんには二度と手を出さないようになった。


「どうやらおじさんの素晴らしさは若者には理解されないらしい」


「ある程度年齢のいってる人にも理解されないと思うよ。だっておじさん奥さんに捨てられたんでしょ?」


「うっ……今の一言が今日イチのダメージだぜ……」


 なんで大通りでぶっ倒れていたのか聞いたところ、嫁さんに離婚を突き付けられ、家から放り出されあてもなく放浪して……行く先々で女性にちょっかいをかけまくっていたらその中に質の悪い相手が居たらしく、黒服に囲まれてボコボコにされ王都から運ばれて道端に捨てられていたらしい。


 行くあてがないならうちくる? って聞いたら、「お嬢さんのお家なら六畳一間でも大歓迎だよ」なんて言い出したからとりあえず事情説明も適当に王国に連れてきた。


 最初はめちゃくちゃ吃驚してたけど、驚くほどすぐに馴染んで女性陣にセクハラを始めた強者である。


 しかし、このおじさんがそんなに強かったとは驚いたなぁ。


「おじさんって何者なの? 魔族はおじさんがやっつけたんでしょ?」


「いや、四体くらいは他の連中が頑張ってくれたよ。他はおじさんが頑張ったんだけどね! 昔これでも結構名のある冒険者だったわけさ。……褒めてくれてもいいんだよ? ご褒美はほら、一晩……」


「殴るよ?」


「ごめんなさい」


 しかしおじさんが城に居たおかげで皆が助かったのなら本当に感謝しないといけない。

 一晩……とかは寒気がするから絶対に嫌だけど、何かしらお礼は考えておかないといけないなぁ。


 セクハラ系以外で。


「メア、その……皆は無事だったのですか?」


 ナーリアちゃんは優しい。来たばかりの国で、魔物達の心配までしてくれるなんて。


 それに引き換えジービルさんは寡黙というか不器用というか。

 すでにリルルさんといちゃこらしてる。


 あの人もこの国の事を考えてくれてるのは間違いないんだけどね。


「このおじさんが魔族やっつけてくれたみたいだから被害は最小限ですんだと思う。でも……あの魔族気になる事言ってたね」


「ローゼリア……ですか? ちなみにローゼリアは姫の、その……説明しにくいですが体の方の故郷らしいのですが……そこに魔族が向かっているというのはなんとも、複雑な気持ちというかどうしていいのか私もよく分からなくて……」


「迷う必要無いって」


 ナーリアちゃんが不思議そうに私の方を見る。


 簡単な話だ。


「とにかく気になるし行ってみようよ」

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