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【300万PV感謝記念SS追加!】ぼっち姫は目立ちたくない! ~心まで女になる前に俺の体を取り戻す!!~【完結済】  作者: monaka
第四章:収束点。

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大賢者はぶっ叩いてみる。


「とてもいいお湯でした私とても満足ですおやすみなさい」


「隙あらば寝ようとするんじゃねぇっ!」


 ぼかり。


 つい勢いでまた頭をぶっ叩いてしまった。痛いのはこっちの手なんだよ畜生!


「酷いです。再びマスターが私に暴力を……」


「もうその流れはいいから。そんな事より飯食うんじゃなかったのか? いらねぇなら寝ろ。すぐ寝ろ」


「食べます食べますもりもり食べます。どこですか? お肉ですか? お肉ですね?」


 ……とりあえずこいつが風呂に入ってる間に焼いておいたおいたステーキを食卓に並べる。


「わお。すごいですね! お肉です、お肉です食べていいですか? 食べていいへふはふおいひい!」


「許可出す前に食ってんじゃねぇか……」


 こいつは本当になんなんだ?

 人型アーティファクトである事は間違いない。

 だが、いったいコレにどんな価値があるっていうんだ。


 目の前で必死にステーキをもふもふ丸かじりしてるこいつが何か凄いものって感じがまったくしない。


「ほへはふほいへふよ! ふっほふおいひぃへふ! ……ふぅ。きっととってもいいお肉を使ってるとみました。もう一枚あるようなので頂きますね」


 安肉なんだが……それは黙っておこう。

 というかもう一枚は私のだぞ!


 ……と、注意する間も無く私のステーキは奴の口に半分ほど齧られてよだれでべたべたになっていた。


「あっ、ほれもしかひてマスターのでひたか?

 お返ししまふ」


「いらねぇよ!」


「自分の分までわたひにくれるなんへわはひしあわへへふ!!」


 私は悲しいよ。

 なんだかとてつもなく面倒な物を抱え込んでしまった。


「なぁ、お前は一体何者なんだ?」


「……ふぅ♪ ごちそうさまでしたー。おなかいっぱいになったら眠く……」


「寝るなよ? 暴力振るわれたいのか?」


「冗談ですよー。私は、アーティファクトってやつですねー。あ、お茶下さいお茶」


 そんな事は分かってるんだって。呑気にお茶の催促なんかしやがって……。


「それは分かってる。お前は何の為に作られて、何が出来るんだ?」


「えーっと。どうでしたかね? 私は確かローゼリア地方で……えっと、神様の器やってました」


 ……神の器だと?


「神をその身に宿すって意味で合ってるか?」


「うーん。よく分からないんですけど、神様が私の身体を使って何かしてたのは確かです。ただ私、中に誰か入ってる時って意識ないんですよねー。何してたんでしょうね?」


「知るか。それを聞いてるんだよ」


 それにしても神がわざわざこいつの身体を使って何かをするっていうのは興味があるな。


「でも誰でも使えるわけじゃなくて、私を作ったマスター……今は貴女がマスターなので元マスターですね。その方だけが私を使う事ができました。それ以外の時は基本的にお昼寝とか日向ぼっこして過ごしていましたよ」


「要するに使い方が分からなければお前はただのガラクタって事か?」


「酷いです! 酷すぎです! せめて美しくて可愛らしいお人形くらい言ってほしいです」


 結局神様が一人、こいつを作って何かの目的に使っていた。それ以外の奴には使えない……それだったら私が持っていても宝の持ち腐れじゃないか。


 しかし、逆に考えると相手がこいつを求めていたという事は、使い方を知っているという事だ。


 だったらこいつを相手に渡すわけにはいかない。


「ちなみにお前の元マスターはなんていう名前の神だったんだ?」


「えっと、マスターとしか呼んでなかったので曖昧ですけど……たしかファスト? ファースト? そんな感じの名前のマスターだった気がします」


 曖昧な話だが、そのファストだかファーストだかいう奴が何にこいつを用いていたのかがわかればこちらも動きようがあるが……。


 それにこいつを取りに来たという事は魔族の後ろにそのファストが居るって事かもしれない。

 もしくは、メアと一緒に居たあの神が、そいつなのかもしれない。


 確認しなきゃいけないのはメアが生きているかどうか。

 それとメアの後ろにいた神がファストなのかどうか。


 そして、こちらのすべき事はとにかくこの阿呆を奪われないようにする事。


 多分魔族の後ろにいる奴はこのアーティファクトを使って何かを企んでいる。

 何かをするつもりなのだろう。

 それが何か、は分からないけれど奪われたらますますこちらの勝ち目がなくなるのだけは間違いない。


「ローゼリアに居たって言ってたけど、そこには何かあるの?」


「ありますあります。私のおうちがありますよー」


 おうちって……。


「じゃあ一回あんたのおうちでも見にいくか」


「おうち帰れるんです? 帰りたいです!」


「勘違いすんな。様子見に行くだけだからな」


「解ってますマスター♪ ところでお腹すきましたもうお肉ないんですか?」


 とりあえず自分の手が痛くなる事も顧みず、こいつの頭をぶっ叩いたのは言うまでもない。


















お読み下さり有り難うございます。


評価、感想、レビューなど頂けると非常に励みになりますので応援よろしくお願いします。


★☆★☆★☆★☆★☆★☆


現在新作準備中!!

おそらく8月半ばか後半から公開予定です。

ヽ(=´▽`=)ノ


現在毎日更新中の二作に加え、もう一作毎日更新する予定で鋭意書き溜め中です☆


少しでも興味を持っていただけたら是非とも作者マイページより作者のお気に入り登録の方をよろしくお願いします♪



詳しい時期等判明し次第、活動報告の方でご紹介いたしますので是非是非☆


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以下作品紹介


ぼっち姫は目立ちたくない!の前日譚

【滅国の魔女 〜姫が王国を滅ぼした理由〜】

https://ncode.syosetu.com/n9934fl/

作中登場のあの人達が主役の物語。ぼっち姫と合わせてお読みいただけるといろいろ分かるようになっています。



★新作★

【とある魔王の日記帳。】

https://ncode.syosetu.com/n5782fo/

毎日1話更新。2〜3分で読める日記コメディです☆


どちらも上記URLか作者の作品一覧よりご覧ください☆

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